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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 1017 追加工事の請求書がきたが・・・

 相談概要 [氏名] W.E
[相談内容:] その他
[居住住所] 愛知県名古屋市
[相談建物所在地] 愛知県名古屋市
[職業] 会社員
[年齢] 33
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦2004年12月05日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 36.44
[工事請負金額] 1420
[設計監理料] 80
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 20
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 5
[床面積] 130m2以下
[施工者名] S有限会社
[販売会社名] S有限会社
[設計者名] K.K
[監理者名] K.K
 相談内容 [現象]
当方、2005年12月5日に新築注文住宅に入居致しましたが、施工中から、何かと施行業者の不手際が目立ちました。
(施行業者といっても全て外注業者へ発注するだけのブローカーのような感じです。当方全くの素人のため世間一般的にこのような形態の業者が普通であるならごめんなさい)

数々の不信感を持たざるをえない状態がつづきましたが何とか入居の運びとなり、当初契約分の残り残金の支払いを請求されたので、妻がむこうの請求金額そのまま振り込んだのですが、実は当初契約より多い金額を請求されていました。(妻の確認不足も否めないですが...) 

追加工事で相殺してもらえればと考えておりましたが、なかなか追加工事の請求が来ません、催促しても「もう少しまって下さい」ばかり、入居1ヶ月以上たってやっと請求がきたと思ったら(それも何の連絡もなくポストに入っていただけ)、良く解らない項目だらけで、おまけに二重請求の部分もあったので「説明にきて下さい」とお願いしてもこちらの都合の良い日時は全て「都合つきません」の返事、には全く合わせてもらえず、その後も一方的にポストに2回ほど請求書が入っているだけでした、先日またもやポストに請求書が入っていたので、会社の方へ連絡をいれたら、「払ってもらえないので、調停に持ち込む」と言われました。

[業者の見解]  
代表取締曰く、「何度も請求したのに払ってもらえないので、調停に持ち込みます。」事でした。

[相談内容]  
当方、「内容を説明していただき、納得出来る物に関してはお支払い致します。」と言っているだけなのに、1回も、直接的な説明が無く、又1回目の請求時に相手も「説明に伺います」と言っておきながら、こちらが指定する時間(私の、仕事上平日の22時以降または、土曜・日曜)には全て、都合がつきませんとの返答しかなく、入荷から6ヶ月ほど経って「調停する」と言われのですが。
 当方は、どうのように対応してようものでしょうか? 当方に非(過失)があるのでしょうか?
お伺いしたいのですが??
 yorozuの感想 大変有意義なHPであると思います。
アドバイザー 
本郷 成史 本郷解説委員の解説です。

調停ですから裁判所は、裁判官と弁護士の調停員に建築家の調停員が出席します。
相手は、たぶん代理人として弁護士と、会社の担当か建築担当が出席するでしょう。
こちらは、代理人として弁護士を立てると良いのですが、費用が掛かるのでご自分でする事もできます。(民事ですから弁護士がいなくてもたぶん良いはずです)

代理人を立てようが、今までの経過をできるだけ詳細にまとめる事が一番大切です。
・いくら多く支払ってしまったのか。なぜ多く支払ってしまったのかなど。
・追加工事は何があるのか。当初の見積書の内容との照合が必要と思います。そして、いくらの追加を認められるか、明確にしておきます。

・二重請求は何があるか前記を証拠に明確にします。
・その他、お金に関する主張を明確にしましょう。

今までのやり取りを時系列で明確にします。前後関係がつじつまが合うようにすることが大切です。
・請求書をポストに入れていったとき不在だったかどうか。
・電話したときのやり取りを思い出して明確にします。誰と話したか、誰から電話が来たかなどできるだけ具体的に明確にしましょう。
・調停員たちは、多くの案件を担当しています。書類で出す主張は少々くどく書く必要があります。

その他どのようなやり取りでこのような結果になったか明確にしましょう。
調停中の心構えについて経験から述べます。
・調停でも裁判でも、相手(今回は原告)にものを言うのではありません。あくまでも裁判所に言うことを肝に銘じてください。
・特に、裁判長は建築に関して素人です。原告は、いかに裁判官をごまかすかを考えているはずです。今までの経験では、いかに裁判所を納得させるかです。こちらの主張を相手は絶対に受け入れません。
・どんな事を言われても、絶対に感情的に答えないで下さい。裁判官も、調停員も同じ人間です。彼らの心証を悪くしないようにしたいものです。
・互いの主張は、相手がいるときにする場合と、退室させてすることがあります。いずれにしても、つじつまが合うようにしなければなりません。

見積書の内容などを調べるために、建築家に依頼したほうが良いと思います。建築紛争は、弁護士より証人の建築家の対応が大切です。
余談ですが、訴えたほうが原告で訴えられたほうが被告というだけです。刑事被告人とは全く違いますので、気にしないで下さい。
関口 啓介 関口解説委員の解説です。

契約や支払いのトラブルに関するものですから、基本的には弁護士さんにご相談頂くと良いでしょう。
個人的には、不当な請求に対しては払う必要はないと考えます。
半分は脅しだと思っても良いのではないでしょうか。
逆に、契約金額と違う請求に対する過払い分の返金請求をされては如何でしょうか。
架空請求とも言えるもので、それ事体が当然支払い義務のない返金されるべき金額だと思われます。故意であれば詐欺行為とも思える犯罪行為です。若しくはその過払い請求金額が追加工事金額だったのかもしれません。そういう説明であれば犯罪行為にはならないでしょう。

追加工事の請求については、二重請求の部分は当然支払い義務はありません。納得できるものについて項目を書面に記述して、支払われたらどうでしょうか。不明な請求部分については相手の都合にも合わせて日時を設定し、話し合いの場を設定される事をお勧めします。早退されるなり半休を取るなりでもされて、こちらから説明を求めに行く姿勢も大切です。払う意思がある事を相手に伝えるためにも重要ですし、仮に調停や裁判になっても、その働きかけや姿勢があった事を残す大切な行為になるのではないでしょうか。

恐れすぎてもいけませんし、相手を軽く見下げてもいけません。対等でお互いを尊重する気持ちがあれば、おのずから解決されるのではないでしょうか。

いずれにしましても、契約や、法に関する事は、法律の専門家弁護士にご相談される事良いでしょう。より良い解決が進む事を願っております。
 氏原 毅士 氏原解説委員の解説です。

建築的な解説とは違う面から調停委員として意見を記します。

 裁判所と言うと敷居が高いものと思われがちですが、調停は訴えた側を原告ではなく申立人、訴えられた側を相手方と言って、裁判のような書面交換ではなく、裁判官や法律専門の弁護士や建築士の調停委員が両者が対峙しない環境で話を聞いてくれます。

 言い分に問題が無く双方が合意できるなら調停調書(裁判で言う判決)を作成し、この効力は判決と同じです。

 おおむね1ヶ月に1回の調停期日が入りますので、弁護士の代理人を立ててもかまいませんが主張に誤りが無く第三者に聞いて頬しいと思うことがあるなら調停に訴えるという相手の脅しに乗らず、受けて立つのも手だと思います。 
 コメンテーター 
久米 能子  例え、調停にもちこむことそのものがさほど不利なことではないにしても、W.Eさんの本意は、調停まで行きたくない、というところではないでしょうか。調停に持ち込まれれば、時間と労力がかかり、さらに精神的疲労は避けて通ることはできないでしょう。

 ですから、最終的に調停にかけざるを得ないとしても、それ以前にご自身ももう一度、関口解説委員の言われるように話し合いの時間を作る努力をされるべきと思います。

 工事中にさまざまにトラブルがあったとのこと、おそらく、今はその施工業者に対して良い感情はお持ちではないでしょう。しかし、平日の22時以降、土日、というのは、通常の企業は仕事をしている時間ではありません。相手の善意の時間調整を期待するのではなく、早い解決のために、お仕事を休まれるなどして、ご自身で時間を作っていただきたいと思います。時間を割くことについてまで、どちらが悪いか、という点にこだわっていると、前には進みません。

 しかし、支払いについては、根拠のある分についてのみの支払いをしてください。説明を聞きにいくときはご自身のお考えをまとめて列挙していきましょう。
 それでも、相手が応じなければ、とりあえず、ご自分の納得のいく分だけ、払い込まれては如何でしょうか。
 落ち着いてすすめてください。施工業者もこれまでのトラブルで、参っているのかもしれません。

 また、家そのものは気に入っておられるならば、最後は担当者たちの労もねぎらってあげてください。今後何かあっても、まずメンテナンスで頼る先は、その施工業者です。終わりは良い関係に修復しておきたいものです。
 事務局から 
  荻原 幸雄 見積りで納得いくかどうかは別にして、説明を求めているのですから、相手はそれに応える義務があります。
文章でその旨を告げ、説明の日時等は複数日、事前に確認することです。
そこで、都合を合わせて説明を受ければいいでしょう。

先ずは説明を受ける日時を調整することが先決です。
説明日にはその疑問を文章化して回答も文章で後日もらうことです。
納得できないものは支払う必要はないのですから、納得できた費用だけを支払えばいいでしょう。
その後、調停になっても支払わない理由が明確ならば、恐れる必要はないです。
堂々としてください。

話し合いは両者が日時など歩み寄ることから始まるものです。
そこからスタートしてみてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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