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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 1014 外壁目地部亀裂発生

 相談概要 [氏名] J S
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[居住住所] 神奈川県茅ヶ崎市
[相談建物所在地] 神奈川県茅ヶ崎市
[職業] 会社員
[年齢] 33
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦2003年12月24日
[公庫使用] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 104
[延べ面積坪] 30
[工事請負金額] 3230
[設計監理料] 0
[様態] 建売り住宅
[施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 1
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[施工者名]
[販売会社名]
[設計者名] 不明
[監理者名]
 相談内容 [現象]
今回ご相談したいのは、外壁目地部亀裂です。外壁仕様は、防火サイディ ング(メイカー不明)に対してジョリパット(アイカ工業製)を直塗りしています。

目地部の処理はジョリパットを埋めています。コーキング、クロステープ等での下地処理はしていません。建物構造は2x4です。入居して1ヶ月点検時に東面の目地縦列に幅1mm〜2mm、長さ1000mmの亀裂が発覚しました。メーカーの対応は早く、亀裂部の上からジョリパットで埋める方法で対処して貰いました。しかし、3ヶ月点検時に、同部位の亀裂再発及び他6箇所の亀裂(東面、縦列)が発覚しました。

入居して1年6ヶ月経過した今では、南面窓枠中心部に2箇所(縦列)北面に1箇所 (縦列)西面に4箇所(縦列)東面に至っては縦列8箇所、横列1箇所です。*特に横列亀裂の発生原因が気になります。
亀裂幅は、季節によって異なります。尚、私と同仕様の建物は13棟あり、同様の不具合が見受けられます。

[業者の見解]
不具合発生から9ヵ月後の売主(メーカー)の見解は、木材の乾燥収縮が原因であると説明し、東面一面は、目地部へコーキング処理してから前面再塗装し、多面においては、亀裂内容により修復していく。保証期間は施工後2年間で、幅2mm以下は免責と言う内容の確約書を提出して貰いました。(確約書を貰った時点では、東面以外で亀裂は発生していませんでした。)

確約書では工事を2005年4月〜5月にすることになっていましたが、6月になっても連絡がないので、こちらから連絡をすると改修工事方法を変更したい旨を申し入れてきました。変更内容は、目地部へコーキングをせずに直接ジョリパットで間隙を完全に埋めるという内容でした。不具合原因に対しては、目地間隙部へのジョリパットの塗りが完全ではなかったという回答でした。また、コーキング処理をしないのは、コーキングが痩せれば再発するという理由から工法を変更したいとのことでした。尚、隣棟では、既にこの工法で全面塗り直し改修工事を実施しています。

[相談内容]
メーカーが推奨する改修工事方法(現在、目地部に塗られてあるジョリパットを削り取り、再度、目地間隙部に完全にジョリパットを埋め込む)が適切であるのか疑問に思います。私は、今後恒久的に亀裂が発生しない外壁塗装を望んでいるわけではありません。できれば改修工事後、10年もてばいいと思っています。(周囲環境条件、地震等の災害は別)できましたら、今回の不具合に対して最善の是正処置方法を教えてください。改修工事は全面再塗装を望みます。




 yorozuの感想 「建築よろず相談」の回答がADVISER,COMMENTATOR,ORGANIZERと段階的に分かれていて、相談者は対応を判断するにあたり、非常に参考になります。今後も、私のみならず、他の家屋不具合煩悶者が指導を仰ぎたく願っておりますので、宜しくお願い致します。
アドバイザー 
津村 泰夫 解説員の津村です

 下地のサイディングがどのようなものかわかりませんが、その上にジョリパッドを直塗りということですから、下地の目地部分で亀裂の発生するのは当然と思われます。
通常は下地ボードの上に、特に継ぎ目には寒冷紗のようなメッシュ状のクロスなどを張り、モルタルなどの下塗りを施工した上にジョリパッドを塗ります。原因の一つと して、このような下地処理不足が考えられます。二つ目は構造強度の不足、ツーバイ フォーですから考えにくいのですが、釘などの不足は致命的です。

 対策として、上記一つ目の下地処理不良であれば、下地から再施工となります。また、ボードの継ぎ目には目地を設ける方法もあります。目地に沿ってUカットをおこない、シールを打ち込み、その上に仕上げを塗ります。シール材は仕上げ材との相性から選びます。
本郷 成史 解説員の本郷です。

引渡し調査の依頼を受けて、2×4の調査を10数棟しました。全ての建物で、室内のクロスを必ず入り隅でジョイントしています。
これを指摘すると、業者は、必ず「2×4は木の乾燥で動くので、入り隅で皺が出るのでここでジョイントします」といいます。
業者は、動く事を知っていながら外壁にモルタルやジョリパットなど、亀裂が発生するものを使っています。
私は、2×4の工事監理を依頼されると、外壁が塗り物の場合、張物に変更してもらいます。
どうしても塗り物を主張されると、窓廻りとボード2枚分のジョイント部に目地を設けるようにします。
目地のシーリング材が“痩せる”と業者が言っているようですが、とんでもないことです。
誘発目地ですので、可塑性のある材料でなければ、目地に亀裂が発生してしまうでしょう。
 コメンテーター 
長谷川 明弘 解説員の言う通り、2×4でサイディングにジョリパット直塗りでは、亀裂が発生するのは、私も当然のことだと思います。やはり、サイディングの継ぎ目部分に何らかの処理をするのか、目地を見せるようなデザインにして、亀裂を起こさせないような施工にするべきだと考えます。その辺りから見直して、再度、改修工事の方法を施工業者さんに検討していただいてはどうでしょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄 サイディングには目地が必要です。元々乾式ですから目地が動くことを想定しています。
目地処理なしに塗り込めば亀裂は当然のように発生します。
では目地処理しても亀裂は発生しないのでしょうか?
目地は動くのでジョリパットにはやはり亀裂が発生します。しかし、目地が同色であればほとんど違和感はありませんし、止水も問題はありません。

木は乾燥するものでもあるのは確かです。
ならば、乾燥収縮に配慮が必要だと思われます。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 このたびは、私の家屋不具合にあたり、過分のお心遣いを頂き、誠に有難うございました。
皆様方のご回答を要約すると、やはり目地部の下地処理が焦点になると思います。
私も今回の不具合処理に対し、億劫にならず、皆様方からの助言を信じ、自信を持って売主との交渉に臨みたいと思います。

今後の経緯・結果については、時間を要すると思いますが、必ずご報告致します。
今後、また建築関連でご相談の際には、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
まずは、略儀ながら、書中をもって御礼申し上げます。
 その後  
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