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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 1013 バリアフリーにお願いしたが次々問題が発生

 相談概要 [氏名] T T
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 滋賀県近江八幡市
[相談建物所在地] 滋賀県近江八幡市
[職業] 無職
[年齢] 65
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦  2005  年 7 月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 101.88
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 1450
[設計監理料] 25(設計料だけで管理料は100万円ほど別に必要でした)
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 3
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10
 相談内容 [現象]
5月1日に実はバリアフリーになってない、和室が洋室になっていたので困って相談をしました。(この日、写真も郵便局から送りました)直ぐに返信いただき、地獄に仏という感じでとても嬉しく出来上がったら写真を添えお礼の手紙を送らせてもらおうと思っていました。

 1F和室のバリアフリーについては土台を畳分下げてやり直しということになり、
 2F洋室は和室に直し、仕方ないのでバリアがあるままにしました 
ありがとうございました。本も読ませてもらいました。

ところが次々問題が発生。
  1車椅子が使えるようにバリアフリーにしてといっていたのにトイレが余りにも狭く、車椅子の使用が出来ない
  2車椅子が入れない戸
  3トイレに段差
  

[業者の見解]
1、2について
 車椅子の話は聞いていたがトイレの中まで車椅子を入れるとは思ってなかった。
 車椅子を使えるようにするならばもっと広くしなければならないが説明不足だったとのことでした。
実は設計段階で、余りが出たので土間にしたらどうかという提案を受けています。
土間は依頼していないし、車椅子の話は最初から毎回毎回出してバリアフリーにしてほしいと依頼していたから、まさか車椅子が入らないトイレになっているとは思いもしなかった。
前回相談の畳分の高さが上がり、フラットになっていないことも、今回のトイレの問題も現場に行き施主が発見しています。
洗面所の面積をギリギリ削り、トイレを少し広くすることになりました。

3 トイレはタイルなら(タイルは掃除を考えて施主が希望)タイル分だけ段差が生じるということでしたが、住宅展示場も段差の無いトイレがあるので作れるはずと言って段差がないようにしてもらうようにいいました。

なぜ何度も問題が発生するのか、遂に我慢も限界に達しました。(他にもピアノの上に窓を入れたがピアノ上から光が当たるように頼んだが、ピアノより低い位置に窓があったり・・・。)

[相談内容]
今までバリアフリーといっても畳の高さ分は上がったものを建築していて、文句を聞かなかったとかで、社長以下、設計士、現場監督まで相当意識が低い。
なぜ何度も問題が発生するのか遂に我慢も限界に達しました。
新築なのにやり直しやり直しで、和室の掃き出し口もサッシを下げたから柱に傷があるし、まるでリフォーム工事です。
土間は頼んで無いのですから、土間の分をトイレ、洗面所、玄関に当てるなら車椅子もはいるトイレ、椅子を置いてゆっくり着替えられる洗面所、椅子を置いて靴が履ける玄関に出来たのに悔しいです。
現在、玄関、トイレ、洗面所、浴室、土間の順で一直線に並んでいます。

相談ですが、
A.一から更地にして作り直す
B.土間の部分を玄関、トイレ、洗面所にあてて広くする
C.将来トイレを広くできるようにせめて玄関を広くする(家の形状は箱形で外壁の同じ面に玄関の戸が付いています。)の3案を考えました。
(外壁は出来ています。浴槽は備え付け出来ています。トイレ、洗面台はまだです。土間の土間打ちはまだです。)

余りにも次々発生してその場その場で何とか仕方ないかと対応してきたものの、遂に堪忍袋の緒が切れたというところです。
何か良い解決法をアドバイス頂きますようどうかどうかよろしくお願いします。

※今回現場に鍵が掛かっていて写真を撮ることが出来ません。前回郵便で送った写真でこらえて下さい。済みませんがよろしくお願いします。必要でしたら外から撮って送りますので言って下さい。
 yorozuの感想 本当に助かります。お忙しいのにもかかわらず、このような弱者の見方になって下さるのは本当にありがたく感謝しています。一家中で落ち込みとても危ない気分です。
ただアンケートはうろ覚えのこともあり、(今の問題で頭がいっぱいで)特に相手方の名前とかフルネームを忘れたりしています。済みません。

高齢になったら僅かの段差につまずき、転倒する事故が多いので安全とバリアフリーということでユニバーサルデザインをと何度も何度も打合せの度に頼んでいたのに、 段差があり車椅子も使えない等業者の意識が低く呆れています。
業者の意識を高めるような研修などがあると少しでも被害が防げるのではないかと思います。どうか今後ともよろしくお願いします。
アドバイザー 
氏原 毅士 解説員の氏原です。

 業者の見解は別として、車椅子で使えるトイレは普通に作っても畳2畳ほどの大きさになります。
 打ち合わせでの口頭のやり取りで「業者に伝えた」のではなく設計図書で大きさを確認しながらのやり取りが欠けていたのでは ないでしょうか。
 着工前に図面を承認し、現物を見てからの手直しには当然費用が掛かります。
 図面は素人だから読めなかったでは済まない事になります。
山口 雅克 解説員の山口です。

 言葉に対する認識の差がお互いの信頼関係に疑問が生じてしまったようですね。契約時の経緯は分かりませんが、設計図が3枚で設計料が申請手続き料程度であることから、建設会社も極簡単に思っていたり一般的な配慮程度で仕事を進めるつもりだっ たのでしょう。

 バリアフリーとユニバーサルデザイン、車椅子対応設計は同じようですが各々が持っている意味合いは少し違ってきます。バリアフリーと言うと床の段差の解消を行うのは普通と思われますが、トイレの中まで車椅子が入れるようにすることは考えません。

 間取りの打ち合わせの時などに車椅子利用者がいることや将来そのようなことに対応することを言っておかないと、通常のトイレの広さと床の段差のない出入口幅75〜80cm以上程度になってしまいます。設計の担当者が突っ込んで聞けばよかったのでしょうけれど、今となっては・・・です。
 (参考:車椅子が中まで入って用を足すには畳み2枚の広さでは足りませんし、便所の前の廊下などの広さの確保も必要となります。)

 「A.一から更地にして作り直す」は契約上のこともあり難しいと思いますが、BやCの間取りの工夫はできるのではないでしょうか。間取りを途中で変更するとなると構造や窓の事なども含めて多くの検討事項がありますので、第三者の専業の設計者にみてもらうのが良いのではないでしょうか。
 コメンテーター 
長谷川 明弘 やはり、明らかにコミュニケーション不足だと思います。業者さんの方も、バリアフリー、ユニバーサルデザインの認識が甘かったと思いますし、依頼者さんの方も、業者さんはプロだから当然わかっているだろうと言う認識も、厳しい意見ですが、甘かったのではないかと思います。山口解説員も言っている通り、更地にして建て直すと言うのは、難しいと思いますので、第3者の立場の建築士等に仲裁役に入ってもらって、 改善策を考えた方が良いのではないでしょうか?
 事務局から 
  荻原 幸雄 設計能力に問題があったことは間違いありませんが、コミュニケーションが全くとれていないことが原因です。
段差解消は構造部分での対応を考えなければならないので、費用も含めてよく話し合いって、先ずはコミュニケーションの確保から初めてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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