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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 1009 土台以降の建て方が非常に雑でとても不安

 相談概要 [氏名] T,M
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 福岡県前原市
[相談建物所在地] 福岡県前原市
[職業] 主婦
[年齢] 36
[女性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦 2005年 8月予定
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 136.48
[延べ面積坪] 41.28
[工事請負金額] 2800
[設計監理料] 273
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 8
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10
[施工者名] G建築会社
[販売会社名]
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [現象]
はじめまして。
 分離発注で2X4を新築中の者です。5月上旬、基礎完了し、アンカーボルト・かぶり厚とも申し分なく綺麗に出来上がっていてました。しかし、土台以降の建て方が非常に雑でとても不安に思っております。

 設計士さんに常駐していただき、私も朝から晩まで現場に行き常にチェックしていただいたのですが、首を傾げたくなるような仕事でした。

 あまりの雑さに1日目終了後メールで、工事のSTOPをお願いしたのですが設計士さんから業者さんに厳重注意ということで、工事を再開されていました。(2日目は、所用があり私は不在でした。)設計士さん強度は大丈夫という言葉を信じて、屋根のルーフィングまで終了しましたが、他の現場と見比べてやはり納得がいきません。

 今週にも、業者の方とお話するのですが、他の専門家の方の見解をお聞きしたいと思っております。何卒、よろしくお願いいたします。

[業者の見解]
2X4はこれが普通。もっと酷い所がある。強度には影響ないので大丈夫。こういう言葉しか出てきません。

[相談内容]
監修されている設計士さんは影響はない。とおっしゃいましたが綺麗に建てていただいた家と、このような雑な工事の家強度は同じなのでしょうか?
 私には、不思議で仕方ないのですが・・・素人から指摘させて、やり直す業者さんの仕事に全く信頼がなく、土台からやり直してもらいたいのですが、可能なことでしょ うか?それが無理であれば、業者に対する保障など請求できるものなのでしょうか?

 yorozuの感想 1人でずっと悩んでいました。あまりに落ち込んで現場に行きたくない日が続いています。このHPを見つけた時には、手がかりが見つかるかも・・・と、思えてきました。とても貴重なHPだと思います。
アドバイザー 
畔上 廣司 解説員の野田の畔上です。

 参考写真を見ましたが、これだけではとても判断できません・・・。
 先ず、平面図以外に矩計図や枠割付け図は有りますか。矩計図は建物各部の高さや寸法を詳しく示す為の断面図であり、地盤面を基準に基礎、土台1階床・壁、2階床・壁、・窓・屋根下地・小屋裏等、建物の高さ等を断面形状を詳細に示した図面です。

 枠割付け図は、基礎床、1,2階床・天井、屋根伏せ図(ロフトがある場合などは特殊パネル納まり図)、1〜2階縦枠割付け図にスタッドやマグサの間隔、金物、構造用合板等の使用すべき材料が提示され、それぞれ枠材の形式や断面寸法が提示された図面ですね。これらに電気・給排水衛生設備図面等を加えると全図面枚数は20枚程度になるでしょうか。

お気づきの通り、T.Mさんの2×4住宅が8枚の図面で工事進行しているとすれば、さらに、2×4住宅を熟知していない職人さん達が施工していたとしたらまともな家は建たないわけですね。

 普通の工事施工が成されていないであろう雑で醜い工事施工情況に対しては、2×4住宅の大工さんが経験不足とも見えますし、確りした工事契約が行なわれていない結果かもしれません。構造部材の取り付け(接合、緊結等)や工事施工基準の詳細は、枠組壁工法住宅工事共通仕様書(住宅金融普及協会発行)などによって解説されていますが、基本的にどのような工事仕様で施工するかは工事請負契約書によって示されているはずです。

 工事ストップを覚悟しているわけですから、当然、保証や賠償請求等を考慮することになるでしょうが、工事請負契約約款等の契約書類を再確認し、第三者の建築専門家に相談する方法もあります。

 通常の契約によって、必要な図面が存在し、図面仕様に従った工事監理が実施され、普通の工事施工が行なわれるよう現場の体制を再構築するのも建築主の役目であるかと思います。

 施工会社に全てお任せでなく、建築主〜設計・工事監理者〜施工業者の三者が一体となれるような家づくりを目指すことが安全で安心な家に一歩近づくのではないでしょうか。頑張ってください。
 コメンテーター 
山口 雅克  この写真1枚から全体の雑さを推測するには無理がありますが、2×4と在来工法の木工事の見た目の丁寧さは違うことを理解する必要もあると思います。北米などで行われている2×4の施工程度は日本の在来工法和風の家と比べると差があることを感じます。2×4の場合は全体で強度を確保する、みたいな感覚がありますので雑に感じることもあるでしょう。

 今回の工事は設計者が工事監理と施工管理(品質管理、施工段取り)をおこなうオープンシステムと言われる施工契約のようですからしっかりと設計者を信頼しないとできないものです。設計者が現場監督を兼ねる方法だと思われますがいかがでしょうか。

 この設計者への信頼度が落ちているのでしたら、とりあえずは第三者の専門家(2×4に詳しい専業の設計事務所)に診てもらうのがよいと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 分離発注の場合、どこが保証するか?しっかり確認してください。
本来は元請負の施工会社が保証書を発行するのですが、分離の場合は施工会社がいないので、本来は建築主の自己責任で保証はないことです。
オープンシステムはこれらを保険会社とタイアップして対応しているようですが、通常の施工会社の保証とは範囲が違うと思われますので、再度、確認する必要があるでしょう。

設計事務所が設計している割には図面が8枚は異常に少なく、こんなもので仕事ができるものではありません。施行図対応ということなのかもしれませんが、それらの図面を全て受領してはいかがでしょうか?これもないようだと、原則職人任せの現場ということになります。

建築士は監督の管理と第三者的な工事監理を兼ねているのですから、監視の目が一つ足りないことになります。いくら建築主が毎日見ても雑さはわかっても本来的な構造的な把握は困難です。

本来は施工会社の監督の管理の目、設計者の第三者的工事監理の目、建築主の目の三つが本来のあるべき民主的な家造りです。それを一つとって二つの目の道を選択したことも今回の悩みの種になっておりますね。

写真からは雑ではありますが、根本的な瑕疵であるという判断はいえませんので、現場を第三者の建築士に監理してもらうように、システム変更したら如何でしょうか?
建築主の自己責任といっても建築は高い買い物です。
安心を得られるシステムを今からでも変更したほうがこころの安らぎを得られると思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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