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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 1006 クロスに異様な突起が吹き上げている。

 相談概要 [氏名] A・N
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 沖縄県宜野湾市
[相談建物所在地] 沖縄県宜野湾市
[職業] 主婦
[年齢] 31
[女性] on
[構造] 鉄筋コンクリート造(その他)
[引渡し年月日] 西暦 2005年 4月28日
[公庫使用] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 28
[工事請負金額] 2200
[設計監理料] 80
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?]
覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 15
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10
[施工者名] T組
[販売会社名] O住宅
[設計者名] Y・K
[監理者名]
 相談内容 [現象]
家の中央に吹き抜けがあり、その底面(天井から壁が降りている最後の部分)に、異様な突起が吹き上げている。すでにクロス工事から2回張り替えしており、今回で3度目の現象である。凸部を触ってみると、空気がはいっているように、ぷくぷくした感じがあり、その中央の凸部分は硬い豆のような感触がある。カビが浮き出している部分もある。また、2回の天井にもこの凸部が1つみられる。ほかの壁面にははクロスの浮きが見られる。

[業者の見解]
施工者はこのような現象は、初めて見たといい、3度目のクロス張替えとナショナルの木材(家の建具に合わせて)を吹き抜け壁の底面につけることを提案した。
また、ほかの壁面のクロスの浮きはクロス自体が通常より薄手のものなので仕方ないといわれた。しかし、まだ直しにきていない。 

[相談内容]  
上記のような対策で本当に症状が解決するのか。2階の天井の凸部はどうしたらいいのか。またクロスの選び方で施工に差が出るのか。クロスの保障期間が半年なので、原因が解決しないと、不安である。






 yorozuの感想 家を建てようと決意したとき、用語も何もわからず、本当に未知の世界だと感じた。すでに完成し、引っ越して2週間なので、もう遅いのかもしれないが、第3者機関がどの建築にも随行してくれたらと思う。今回の相談よろしくお願いします。
アドバイザー 
新垣 正清 こんにちは、新垣です。

沖縄の相談なので解説したいのですが、文面だけでは現象が良く理解できない部分がありますが、これまでの経験でお話します。

 このようなクロスの膨れハガレなどの多くは、湿気によるものが多く、次の要因によって発生します。
1、工期的に無理があり、コンクリートの乾燥が充分でない状態で、内装工事、外部塗装などが施工された場合。

2、躯体に亀裂(特に窓回り)があり、雨水が浸入している。

3、クロス下地のボード下地をGLで施工した場合、(ボードの裏面に多量のカビが発生した事例がある)

4、家の換気が充分でない場合、この時期(梅雨)結露が発生し、カビが繁殖することがある。(特に高気密、高断熱住宅)

対策としては、第一に原因を突き止めることが重要であり、業者が対策としてあげている、クロスの上から合板でふさぐような対策では、裏面のカビは更に増殖し、気が付けば取り返しの付かない状態になります。

 クロスは、急激な乾燥などにより、ハガレの現象が見られることがありますが、その多くが、下地及びクロス貼りの施工ミスにあり、短期間でのハガレは施工ミス以外に考えられない。

 通常より薄い(?)クロスだからしかたない、で済まされる問題ではない。当該クロスを施主が支給し、そのような現象が現れる懸念を事前に伝えた場合のみ言える事であり、手直しを嫌がっているとしか思えない。

竣工して間もないことであり、原因を究明した後、適切な補修をされることをご提案申し上げます。
津村 泰夫 津村と申します

 写真を拝見しました。吹抜け立ち上がり壁の底面ということで、コンクリートの水分が抜けきっていないのだと思われます。コンクリートの水分が抜けるまで2年程度はかかると見られますので、水分が出てきても良いような仕上げ、たとえばアルミパネルで受けるとかいう方法が良かったかもしれませんね。アルミパネル張りのような物とするか、クロスの張替はコンクリートが十分乾いてから再度お願いするとか交渉されてはいかがでしょうか。

 また、全般の調査をおこなっていませんので、外部から雨水等の浸入がないかもご確認ください。
 コメンテーター 
今井 優子 写真を拝見する限り、両解説員の言うように、コンクリートの水分が悪さをしてるように思えます。
ただ、全てのコンクリート造にこのような現象が起こるわけではないので、原因を究明・検証して、適切な対処をしてもらうようにして下さい。

クロスの厚みや柄の凹凸によっては、下地の多少の不陸がハッキリ分かってしまったり、反対に目立たなく(ほとんど分からなく)なったりすることはありますが、写真のケースでは、そのようなレベルでは無いです。
 事務局から 
  荻原 幸雄 雨水がサッシか?コンクリートから侵入しているのではないかと思われます。水が少しづつ浸入する場合、白華現象として セメントと水が反応し、凸部になることもあります。カビの発生からして水分によることが原因と考えられますので、水の浸入経路を断つことが大切です。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  早急な対応策の提案を真にありがとうございました。その後、施工業者とともに、クロスをはがしてみると、やはりカビでした。突起部分については、胞子状のものが発生していました。クロス下地はベニヤ板になっており、それをはがして工業用アルコールで消毒して後、ナショナルの建材で覆いました。現在は見た目にはわからないのですが、木(ナショナル建材)はクロスのように密封することはないので、カビは防げるでしょうと業者は言ってました。他の箇所のクロスの浮きは、しばらく様子をみてから手直しにいらっしゃるそうです。ちなみに、近くに建てられた家も(同業者)一部屋の壁全部にカビが生えたそうで、梅雨時期に関係するのかと不思議そうでした。

 初心者の私の相談に、親切丁寧に対応してくれて本当にありがとうございました。皆さんのご活躍を祈ります。
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