相談概要 | [氏名] Y.I [居住住所] 千葉県千葉市美浜区 [相談建物予定地] 千葉県四街道市 [職業]会社員 [年齢]33 [男性]on [構造]− [引渡し年月日]西暦 年 月 日 [何階建て] [延べ面積m2] [延べ面積坪] [工事請負金額] [設計監理料] [様態]− |
相談内容 | [家づくりの相談内容] はじめまして、千葉市に住むY.Iといいます・よろしくお願いします。 私の家族は、4人家族で妻32歳、長男3歳、長女1歳、と私です。 今は団地のエレベーターなしの5階に住んでいるのですが、長男が筋ジストロフィーという筋肉が低下していく病気でそのうち歩けなくなり、車椅子生活になってしまうので団地では生活していくのが困難になると思うので家を建てること考えています。 今はまず、長男が階段の上り下り困難なので1階の部屋が空いたので6月か7月には引っ越す予定です。 1階に引越しをすることで階段の上り下りは解消したので、その後は長男が歩けなくなってしまう前にバリアフリーの家を建てたいと思っています。 土地は掛かりつけの病院の近くがいいと思うので千葉県四街道市を考えています。 建物が問題なのですが、車椅子で生活する場合は平屋でないと駄目なのかというてんなんです、2階建てでも車椅子で生活できるのかという点が聞きたいのですよろしくお願いします。 |
yorozuの感想 | |
アドバイザー | |
山口 雅克 | 解説員の山口です。 私の地方には同じ病気を持つ人だけでバンドを編成し演奏活動をしている人たちがいます。ご本人や家族、指導者、支援者の努力に感心しているところです。 さて、車椅子対応の件ですがホームエレベータを使うことで上下の移動は解決できるでしょう。前進のみで乗降できるような間取りを作るのがポイントとなります。 車椅子を上下の階にそれぞれ置くと、エレベータでなくて階段に沿って昇降するリフト(モノレール)がありますが車椅子との乗り換えの煩わしさがあります。 車椅子対応として注意すべき点は、他に道路から1階の床への移動もあります。一般的な木造住宅だと家の周辺地盤からの床の高さは60〜65cmになりますし、周辺地盤も道路から20〜30cm上がりますので、道路から床まで80〜90cm上がることになります。 その高さをスロープで上がろうとすると、玄関の履き替え段差を無しで設計して単純にスロープ長さは12m〜18mになります。折り返しでも7.5〜10.5mの長さが必要ですので思った以上に敷地の広さが必要になります。(スロープの傾き は1/20程度をお薦めします) 病状やその進行に理解を示す設計者と出会い、できるだけ負担の少ない家づくりができますよう願っております。 |
古賀 保彦 | 解説員の古賀です。 車椅子をお使いになる生活を前提とされていらっしゃるのであれば、毎日の頻繁な動線を念頭に、様々な場面を想定しながらじっくりとご検討される事を願っています。 電動車椅子等を利用しながらもご長男が自力で移動できるような環境を作る事が、ご自身とご家族にとって住みやすい家になると思います。 山口氏の解説にありますように、高低差は大きなネックになりますので、例えば、これから土地をお探しになるのでしたら、敷地と道路の高低差が小さく水はけの良い土地で、1階のフロア高さをできるだけ低く抑えた建物にし、ご長男の生活ベースを1階に計画するというような事が可能であれば良いと思いますが、敷地の大きさ・法規制によって建築できるボリュームが変わってきますので土地をお決めになる前に、必要な床面積の「あたり」をおつけになっておく事も大切かと思います。 その他、廊下やドアの巾、トイレやお風呂等の水回り動線の使いやすさを考えますと通常の戸建て以上に注意が必要ですので、土地の選定も含めて相談に乗っていたただける設計者をお探しになられた方が良いでしょう。 頑張って下さい。 |
久米 能子 | 久米と申します。 ご長男はまだお小さくておられますが、家を建てるとなると長期にわたる状況を想定して計画しなくてはなりません。そのためには、建築士だけではなく、医師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなど、多方面の専門家の知識をもって、ご長男のご病気に特化した建築計画についての意見を求める必要があります。 建物は、ご存知のように一度建ててしまったあとは、たやすく改造できるものではありません。また、昨今、バリアフリーという名目で建築された建物が、実際には設計者や施工者の知識不足で、かえって使いづらいものになっている、という現実が多く報告されています。スロープひとつとっても、階段より歩行しやすいであろうと善意で設置されたものが、特に歩行の困難なお年寄りや、パーキンソン病の方などにとっては、階段よりもかえって転倒しやすい状況となったり、というようなことなどです。 ですから、ご長男のご病気の今後の進行状態を正確に予測し、各プロセスに対応できるものとするためには、その病気に詳しい人たちの協力が必要です。 そういう人たちに相談するため、一度行政にお問い合わせになられるとよいと思います。お住まいの地域にも、在宅介護支援センターというものがあると思いますが、そこには前述のようなスタッフが居るはずです。そこで建築計画についての助言を求められることができるでしょう。あるいは、在宅介護用のリフォームなどの相談窓口から情報を得られるかもしれません。 また、病気の対応だけでなく、ご長男を含めて家族全員が、楽しく過ごせることができるよい家となるよう、家つくりを楽しんでいただければと思います。 がんばってください。 |
コメンテーター | |
笠原 歩 | 家というものは単純に「平屋なら良い、二階建てはだめ」と言えるものでなく、様々な条件の中で建てていくものです。 Y.Iさんの場合ご本人の希望だけでなく、医療や介護の専門家からのアドバイスも必要でしょう。またホームエレベーターも今は現実的な価格になってきているので考える余地はあると思います。各解説員の回答を参考にして楽しく、失敗のない土地探し、家づくりをして下さい。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 2階建てをお考えの根拠は土地取得や建設費に関する点でのご心配とお察し致します。 建設費は同じ仕様、同じ面積ならば2階建てが安くできます。平屋の場合は屋根も基礎も倍になるからです。土地も勿論、倍必要になります。 車椅子の場合は解説委員の説明にもありましたように、道路から建物のバリア、玄関のバリア、上下階のバリア、トイレ・洗面・浴室のバリアをどのように取り除くか?という点になります。上下についてはホームエレベーターで解決できます。 また、車からの昇降のスペースも考慮する必要があります。 勿論、道路と家に中が段差のないような家ができないか?というと、できないことはないと思います。通常は敷地を上げて、敷地の水はけを考慮しますが、建物周りを排水溝を回し、グレーチングを敷き込むなどしてバリアを取り除くこともできます。 外部の昇降機もありますが、外部だけに寿命も短く、安全性にも心配な点があります。内部のホームエレベーターは心配はいらないでしょう。 家の造り様としては先ず、耐震性や防火構造に心がけることです。 家に一人でいる場合もあるでしょう。そのような場合に外部に避難しなくてもよいような耐震性、火災の起きにくいオール電化も考慮すべき要素です。 家に間仕切りは耐震的な壁以外はなるべく造らない。造っても移動可能なものとすべきでしょう。 進行性の病気の場合は状況に応じて対応する必要があり、固定的考え方ではなく柔軟的に対応できる設計とすべきです。足す工事は後々に簡単にできますが、減らす工事(解体工事)は高くつきます。イニシャルコストを押さえるという点からもシンプルなプランがいいでしょう。 手摺も必要になったら取り付けることもポイントです。成長する次期により手摺の位置も変わるからです。この場合は下地はどこの位置にでも取り付くように下地は強固にしておくことも大切です。 手摺は意味ない位置につけると逆にバリアになりますので、生活しながら最小限にして、序所に増やせばいいでしょう。 家の造り様は外部と閉鎖的にしないことも大切だと思います。四季を感じる外部。 日本にいる実感でもありますし、平坦でない時を造ってくれる大切な要素でもあります。 また、友達が遊びに来れるような子供に魅力ある家造りも配慮したい点です。 子供にとっても友達は大切です。家族にも大切な来客になってくれるでしょう。 生きるとは思いでつくりであるともいえます。家が思いでつくりの大きな装置であれば楽しいことも沢山造れます。 将来、思春期になれば、プライバシーを主張することもあるでしょう。そんな時は簡単に間仕切れるようにしておくことも大切です。また、移動家具などは固定にすることも大切で、扉を設ける場合は吊り扉にしましょう。 家も子供と共に、家族と共に成長するようなそんな家を目指してください。 土地を見つける際にはこれらを理解した信頼できる建築士と長く付き合うつもりで選定してください。家の成長と共にアイデアを出してくれると思います。 家族での思い出作りの家。そんな家を目指してください。 |
相談者お礼状 | |
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その後 |
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