相談概要 | [氏名] O.A [相談内容:] その他 [居住住所] 福井県福井市 [相談建物所在地] 福井県福井市 [職業] 会社役員 [年齢] 42 [男性] on [構造] 鉄骨造(ラーメン構造) [引渡し年月日] 西暦2005年9月26日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 3 [延べ面積m2] 294 [延べ面積坪] [工事請負金額] 5200 [設計監理料] 240 [様態] 注文建築 [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] 自分で選んだ。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 57 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 30 [床面積] 300m2以下 [施工者名] H [販売会社名] [設計者名] S [監理者名] S |
相談内容 | [現象] 地盤改良をソイルセメントコラム工法で行ったが、一角だけセメントの固まっていない個所がある。 コラムは1000mm径22本、600mm径2本。一角の並列している2本だけ柱状に固まった後が見られない。 内1本は先端は固まっているが、数十p下の部分が固まっていなかった。付近の土に糞尿のような異臭がある。 かつてこの場所に便所か肥溜めのようなものでもあり、この部分だけ地盤が悪かったのか・・・既存建物(築5年の車庫)を取り壊す前に地盤調査を行っているが、その際にはこのような事象が起こる要因は見られなかった。 この調査は設計もある程度煮詰まって、施行業者が未定だった時期に、設計監理人の依頼した業者が、敷地内の1個所のみボーリングして調査した。 調査費用は請求されなかった。 [業者の見解] 過去の建築例でもこういう事象は初めてであるが、部分的にセメントの固まらない土壌であると見られる。 土の成分や深層部の状況などを調査して、地質に合ったセメントを使うか、或いは別の工法を模索するなどして対処は可能。 ただし、地盤調査は行っているものの、敷地内の1個所をボーリングしているだけなので、こういった土壌が一部分のみであるとは言い切れない。 固まっているように見える他のコラムも、深層部では同じ様な現象が起きている可能性だってゼロではない。 10年保障を約束するためにも、他のコラムについても最低8個所くらい調査をしたい。 セメントコラムが固まっているかどうか、掘って調査する費用が50万円くらいかかる。 追加工事費用として全額を施主に請求したい。 [相談内容] 自分としても安心のために再調査は必要かと思います。 最初の調査がサービスみたいなもの?だったのですが、今回の費用は施主が全額負担するべきでしょうか。 対処法はあるとのことですが、セメントが固まらない土壌・・・やはり不安もあります。 どのような事が考えられるでしょうか。また、似たような例をご存じでしょうか。 どうか、よきアドバイスをお願いいたします。 |
yorozuの感想 | 信頼性で選んだ設計監理、施工業者。 が、そこは素人。いざとなると、どこにどう相談して良いものやら・・ こちらのHPは多くの事例に対し、専門家による第3者的な立場からのコメントが。 これからも多々生じるであろうトラブルに、勉強させていただきたいと思います。 |
アドバイザー | |
関口 啓介 | 関口です。 基本的には地盤改良剤は土を固化させるものですから、糞尿等があればそれを除去して土に置き換えなければ固まりません。今回固まらない部分についてはこのような物理的な対処か、化学的な対処(糞尿を固める薬剤があるか疑問?)が必要と思われます。 また、地下水が流れ込むような場所や含水が多い場所ではセメント系の固化剤が固まらない事例もあります。ただこれらは地表近くよりも深部で起こる事象の方が多いと思われます。これについてはある一定近隣のボーリングデーターでも想定はでき ますが、部分的に特異に水脈がある事も考えられます。その場合は地業方法を改良から杭等に変更せざるを得ないでしょう。 その他の改良部については、掘って確認するか載荷試験を行って耐荷重を確認する方法も考えられますが、現象からして糞尿によるものであれば、部位がある程度特定できそうな気もしますし、表層近くが想定されるので載荷試験でも可能かもしれません。但し深部で固化していない場合には荷重が深部まで行渡らずにある程度のデーターが出る恐れもあります。掘って確認できればその方が良いでしょう。または貫入試験で改良体の強度を確認するかでしょうか。 いずれにしても相当の費用がかかり、現在提示されている費用を上回る恐れもあります。 費用負担については、ボーリングデーター等である一定予測できるものであったのか、改良施工中に糞尿や湧水に気付くものであったのか、設計・監理者や施工業者に落ち度があれば一定の費用負担も考えられます。 まず、土地の履歴を確認し、どのような土地でどのようなものが存在したのかを確認して下さい。ボーリングデーターを再度確認して下さい。坑内水位等がどのレベルだったのか。 また、近隣のデーターを確認して下さい。 施工状況を確認して下さい。掘削や攪拌中に糞尿や湧水が確認されたのかどうか。 それらを確認したのち、有効な調査方法を選定し、有益な調査であるならば費用を出す価値もあると思われます。 |
津村 泰夫 | 津村です たまたま地盤調査会社の社長さんに会ったので聞いてみました。 「セメントで固まらなかったというようなことは未だ経験したことがない。 糞尿でも固まるはず。鶏糞ばかりなどのような場合には固まりにくいことがあるようだ。深さがわからないが支持地盤に到達しているかも重要。」ということです。あとは関口解説員の解説どおりですね、掘削している際に土壌を確認することは基本です。通常は支持層に達すれば手応えがあるでしょうし、支持層の砂などを確認します。載荷(上から押してみて)問題のない箇所がどのくらいあるかですね。かなり安全率を見ている場合には大丈夫な場合もあるでしょう。 当相談所に寄せられた調査依頼物件で、柱状改良に失敗したため、鋼管杭を打ったという例がありましたが、原因はわかっていません。 地盤調査がサービスというようなことはありません。深さがどのくらいかわかりませんが、ボーリング調査は1mあたり1万円程度かかります。さらにセメントで固めたところを掘る場合はさらに費用がかさむと思います。 地盤については未知数な部分があり、私の経験でも大きな水槽が出てきてびっくりしたことがありました。また大きな石がごろごろといったことも珍しくありません。それらの処理には余分な費用がかさみますが、仕方がないと思われます。 大阪で「揺れる家」を調査したことがあります。木津田解説員が調査をしてわかったのですが、大きな建物があった跡地で、地下室の構造物を撤去せず埋めてしまい、その上に建て売り住宅を建てたものでした。地面の下の障害物はきちんと撤去しましょう。 |
コメンテーター | |
笠原 歩 | 地面の下の事は「掘ってみなければ分からない」というのが正直な所です。津村解説員の回答にもあるように思いがけないものが出てくることは、よくあることです。敷地が以前どんな用途で使われていたのか、その面積、ボーリングの深さ等が明記されていないので、最初の調査が十分とも不十分とも言えません。基本的に敷地に関するものは施主負担となるのが一般的です。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | ソイルセメントは土とポルトランドセメントと水を混混ぜて造ります。 土が、有機物が多かったり、粘土の成分によってセメントで固まらない場合があるので、計画時に使用する現地土とセメントを混ぜて固めて確認することが大切です。 糞尿も有機物ですから、固化しない可能性があります。文章からですと、異臭があるとのことですので、事前に敷地を入念に調べていればこの部位の特定は事前にできたと思われます。 しかし、深層部については調査するのに通常以上の費用がかかる事が予想されます。 今回、調査費用は無料とのことですので、サービス範囲での調査ということで、この程度で調査は終了したものと思います。 調査費用は施主負担であるものですが、調査が完全であったか?という疑念もあります。 この場合は話し合いで解決してください、表層の糞尿は入念な調査をすれば発見できますが、深層部での埋設物は通常は別と、施主負担でありますが、これらが通常は記載されていると思いますので確認してください。 従前に地権者に部位など確認してください。トイレなどでしたら、部分的なものだと思いますのでその部位を撤去、客土を入れ、再度ソイルセメントすれば問題はありません。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 貴重なアドバイスをいただき心よりお礼申し上げます。 自分の勉強不足からとはいえ、訳も分からずモヤモヤしていました。 専門家の皆さんからのお話をいただき、どのような結果になるとしても、解決へ向けて積極的な気持ちが出てきました。 調査と話し合いを進めていきます。 その後のことも、また報告させていただきたいと思います。 有り難うございました。 |
その後 |
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