相談概要 | [氏名] R.Y [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [居住住所] 京都府城陽市 [相談建物所在地] 京都府城陽市 [職業] 主婦 [年齢] 33 [女性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2005年 3月28日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 41 [工事請負金額] [設計監理料] [様態] 建売り住宅 |
相談内容 | [現象] 2005年、3月15日付けで中古住宅を購入しました。取引したのは個人の方です。 売主さん側不動産会社、購入側(私ども)不動産会社の2社が間に入った形の契約です。(契約時は売主さんはまだ住んでおられた状態です) 築8年、木造スレート瓦葺住宅という表示があります。 この住宅に引越しをしてからずっと体の具合が悪く、吐き気をともなう頭痛(ひどい状態のものではありませんが)が続いていました。病院に行っていろいろと検査をしても特に悪いところも見つかりませんでした。 そんな時、ふと気づいたのが「閉めたはずの洗面所の引き戸が開いている」というものでした。 戸のコマがすべりの良いものだから閉めた勢いで開くんだと思い、そーっと閉めてみましたがそれでもじわ〜っと開いてしまいました。 もしかして傾いているのではないかと思い、居間の床(フローリング)にビー球を転がしてみるとある一定方向にほとんどのものが転がっていきました。 インターネットで調べ、ホースに水を入れて1メートル当たりの傾きを調べる方法でも自ら調査したところ、傾きの表し方はよくわからないので、はっきりわかりません。ただ、1メートル間で6ミリ、2階の部屋では12ミリという検査結果がでたと言っておられました。 和室の開き戸も硬くて片手ではあけられません。2階の一部屋では立っていると「めまい」がしてよろけるくらいです。 購入時に不動産会社から、不備(瑕疵)に関しては2ヶ月以内に申し出てるようにとのことだったので、「これも瑕疵?」と思いながらも一応報告をしました。後日、アナログ形式ですが不動産会社の方が調べてくれました。結果は私が測定したものとほぼ同様でした。 外壁、外回り等も見ていただいたところ、家の周りと地面(コンクリートで固めてある)が割れており、ヒビがすべてに入っているとのことでした。踏み石もすべて家から離れてかなり隙間があいています。 外壁のヒビは玄関の外壁に大きなものがひとつ入っていました。 今思えば、この傾きが原因で体の調子が悪いのかもしれません。 [業者の見解] 「扉が勝手に開く」と伝えたときは、「扉が軽く開くようなタイプのもので調整すれば大丈夫ですよ」と家の傾きに大しては「たいした傾きではない」と言われてしまいました。 雨のせいで、土が締まって少し沈んだかもしれないが、これくらいなら・・・。と初めは言っておられました。 が、自ら、傾度を図る機械で測られ、「確かに傾いてますね」という返事が返ってきました。 地盤が悪いのか、原因は調査をしてみなければわからないとのことでした。 扉が勝手に開く現象は売主側も8年も住んでいれば気づいていたはず。それを購入時に告げなかったというのは、そのことを隠して売ったということになりませんか??と不動産屋さんに言うと、「相手側の不動産会社と売主さんに連絡をします」と言って連絡をしてくださいました。 5月18日に不動産会社2社、売主、売主側の不動産会社が工務店の3人で家を見に来るとのことでした。 以後のことはそれからということでそれ以上何をどうするという話はまだ全く出来ていません。 [相談内容] 1、傾きを調査するにあたって、この調査は私どもが費用を負担しなければ ならないんでしょうか?売主に請求することはできるんでしょうか? 2、家の傾きを「瑕疵」として訴えることができるんでしょうか? 3、売主が傾きに気づいていて売買したとしたら、契約を破棄することはでき ないんでしょうか? 4、契約破棄が出来ない場合、この傾きに対する補修、修理費については保障 されるんでしょうか? ↑(買ったもんが悪い、買ったもんが払え的なことにもなりえるんでしょうか?) 5、どういう方法で売主側と話を進めるのが一番良いのでしょうか? というか、どこまでこちら側の言い分が通るんでしょうか? 6、上記のような話になった時、弁護士等をたてる必要があるんでしょうか? このくらいの傾きでも体調が悪く、日常生活に支障をきたしています。今後、これ以上傾くようなことがあれば、もっと不安になってしまいます。 なんとか良い方法を教えてください。 |
yorozuの感想 | 他の方の質問にきちんと返答されておられるのを見てとて も安心しました。不動産会社の担当者もあまり信用できず、いったいどういう所へ相談したら良いのかもわからなかったので、わらをもすがる思いでインターネット検索をしてこちらを探し当てました。 本当にご返答いただけるのかちょっと不安ですが、私も相談させてもらいたくなりました。 ぜひ、こういうホームページはずっと続けていただきたいです。 写真はどういう風にお送りすればいいんでしょうか? インターネット、メールなどを使っておくるんでしょうか?(あまり詳しくないため、この変のことがわかりません) |
アドバイザー | |
大内 彰 | 解説員の大内です。 床の傾きが1mで6〜12mmということですが、この変形が床の中央だけなのか全体的に傾いているのかで対応がまるで変わってきます。 中央だけが撓んでいる場合について、1mで6mmであれば6/2000=1/333なのでそれほど大きな変形だとは思いませんが、1mで12mmとすると 12/2000=1/166なので過大な撓みと判断されます。この程度の傾きであれば売買時に特に説明する必要はないと思います(あくまでも私見です)。 床全体が同一方向に傾いているとするとこれは6/1000=1/166、12/1000=1/83とみますのでかなり大きな傾きだと判断されます。地盤等に問題があり建物全体が傾いていることが予想され、この状況のままでは危険だと思います。 RYさんがめまいや体調不良を感じていらっしゃることから推測すると、床のたわみではなく建物全体が傾いている可能性が高いです。売主側でどういう対応をしてくるのかわかりませんが、RYさんが安心できるように、第3者の建築士に相談されることをお勧めします。 |
阿部 重幸 | 解説員の阿部です。 購入された家に住んで見ると、体の不調がつづき、体の不調が家の傾きに原因が有るのではないかとのこと、 夢のマイホームも貴方にとっては悪夢に変わってしまうような出来事だと思います。 ここは、慎重に事を運ぶことではないでしょうか。 築8年の家でこの状況(お話の内容でしかわかりませんが)では、簡単な修理等で今後、快適な住生活を送れるかどうか、又、どのような変化が建物に起こるか。 売主側も何等かの売却の理由があるものと思えます。 今後の貴方の体や生活を十分考えれば、第三者え、ご自身が専門家に調査を依頼され、相談されることが肝要かと思われます。 |
津村 泰夫 | 津村です 昨年末京都地裁で「めまいのする家」という欠陥住宅裁判の判決がありました。 建物に不同沈下があり、修復するには建替えが妥当であるとした判決でした。 床の傾斜は最大で18/1000であり、その傾斜が原因でめまいを起こすというものでした。 あなたの家もこれに匹敵するかもしれませんね。床の傾斜の限度は一般的に5/1000以上で生活に影響が出るとされており、品格法では6/1000以上だと瑕疵が存在する可能性が高いとしています。 まずは精確に調査を行い、瑕疵にあたるかどうかを確認し、その状態により交渉してください。調査結果により対応が変わりますのでここで詳しくのべることは出来ません。 上記「めまいのする家」では契約解除を求めて提訴しましたが、さまざまな過程を経ての建て替え判決でした。 調査費用は、まずはあなたが払うべきだと思います。交渉や裁判の中で調査費用なども請求しても良いでしょうが、まずあなたの家族を守るのはあなたしかいないと思います。 |
コメンテーター | |
笠原 歩 | 各解説員の回答にあるように早急に建築士による調査が必要と思われます。このままではせっかくのマイホームが家族を不幸にする物になりかねません。多大なエネルギーを要しますが、まずは行動を起こしましょう。話合いで結論が出ないようであれば、最終的には法的な判断を仰ぐことになると思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 第六章 住宅に係る紛争の処理体制 http://www.fisco21.com/~yesyesjp/etc/law/law-hinkaku.htm#s6 住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準 http://www.fisco21.com/~yesyesjp/etc/law/h12-1653.htm が参考文献です。 住宅の品質確保の促進等に関する法律 平成11年法律第81号は第一条に新築住宅の請負契約又は売買契約における瑕疵担保責任について特別の定めをすることによりと記載されており、新築に関する法律です。 (第二条の2項にはこの法律において「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。) 故に中古住宅では適用外になっておりますので、瑕疵の参考程度としてください。 契約時に「付帯設備及び物件状況確認書」があります。これは売主が買主に発行するものですが、大切なのはこの記載が間違いないか?ご自分でも確認することです。売主は瑕疵を知っていてもそれを告知することにより、売れなくなる。値段が下がるなどの思惑から、「知らなかったことにする」ような心理状態になります。ですから、申告ではなし。に○をすることになります。もし、買主が「こんな傾斜とは思わなかった」と告げても「私たちはそれは感じなかった」となります。また、多くの方が誤解しているのですが、「大手不動産だから安心していた」ということを聞きます。これは大手であろうと個人不動産であろうと状況は同じです。「付帯設備及び物件状況確認書」は売主の申告だからです。 私見では仲介業者の責務であると思うのですが、「仲介というプロに依頼するのはその事実を確認することではないか?」と聞くと「私たちは建築士ではないのです。それについては素人です」と平気で返答します。仲介業者は「瑕疵」はみないようにしようとする心理状況になります。 瑕疵を正確に調査すれば売れる物件が明らかに減るからです。 買主は「早く購入しないと売れてしまう」という心理状況になり、これらが相まって契約は成立してしまいます。大切なのはここで客観性を導入することなのです。 第三者の建築士に同行して調査してもうらうことがいかに大切が、理解していただけると思います。 不動産には「現状有姿」という言葉があります。これは、引渡しまでに目的物の状況に変化があったとしても、売主は引渡し時の状況のままで引き渡す債務を負担しているにすぎないという趣旨で用いられることが多いのですが、瑕疵をそのまま引き継ぐという意味ではありません。しかし、売主は「現状有姿」という意味を「全てありのまま、瑕疵も含めて引き渡す」と誤解している方もおります。売主は重要な事項を買主に告知する義務があります。告知しないで現状有姿はなりたちません。 告知とは本来「付帯設備及び物件状況確認書」に記載されていることで、床の傾斜はあるか?に、ない。と記載があれば不実であることになります。ある。記載されている場合はその程度に問題が移りますが、その目安は品確法の住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準が参考になりますが、これを履行させることは困難な状況にあります。新築に適合されるものだからです。 さて、質問にお答えしますが、 1、については依頼者である貴方が負担すべきものです。 (これを売主に負担してもらうかどうかは売主、買主双方の別の問題だからです) 2、についてはどのように告知されたかによります。 3、については売主が傾きがないと告知しているにも関わらず傾斜していた事実があり、それを知りながら隠した場合は瑕疵に当たり、契約解除になる場合もあるでしょうが、これを素直に認める売る主はいないといっていいでしょう。ここが中古の難しいところです。 4、について告知によります。通常は解除よりも補修に対案が多いです。 5、については伝えることは伝え、その話し合いの中で解決できる場合もあります。 6、については現状を確認する意味で第三者の建築士の調査後、その報告により弁護士に介入してもらうこともあるでしょう。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | このたびは私どもの質問にご回答頂きありがとうございました。 いったい誰に相談したらいいのかもわからず、困惑しておりました。 こういう悩みに答えていただくのが、ボランティアというのもとてもうれしいことです。 きっとこういう悩みを抱えておられる方はたくさんいると思います。 できれば、ずっと続けていただきたいものです。 今回の私の質問にも細かくお答えいただき、とてもありがたく思っております。 これを参考に今後の交渉を進めて行きたいと思います。 その後の進行については、メールでご連絡させていただくようにいたします。 ありがとうございました。 |
その後 |
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