相談概要 | [氏名] N・Y [相談内容] 売建住宅(建築条件付建売住宅)の瑕疵 [居住住所] 神奈川県横浜市 [相談建物所在地] 神奈川県横浜市 [職業] 会社員 [年齢] 39 [男性] on [構造] 木造(2X4工法) [引渡し年月日] 西暦2005年3月30日の予定であったが、未完成。 [公庫は使わない] on [性能保証を使用] on [何階建て] 地上2階地下1階 [延べ面積m2] 143.25 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1890 [設計監理料] 0 [様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅) [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。 [18確認申請の為の委任しましたか?] した。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] − [設計図面は何枚もらいましたか?] 0 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 8 [施工者名] H建設株式会社 [販売会社名] L株式会社 [設計者名] (有)N設計事務所〔実際はH建設の社員〕 [監理者名] (有)N設計事務所〔実際はH建設の社員〕 |
相談内容 | [現象] 2005年3月30日に引渡しの契約で、2004年8月に土地の売買契約と建物の請負契約を締結しました。 現在、土地の名義は私になっていますが、建物と土地の金額の割り振り(売り主=施工会社が合計金額を都合のいいように振り分けている)は土地が相場よりかなり割高な金額になっています。土地売りでは、このような高い金額にはなりえません。 学年の途中での子供の転校はイヤなので、2005年の4月からは新しい住所で子供を学校に 通わせたいと思い、3月中の転居を希望していました。 8月の時点では、「2005年の2月か遅くても3月には完成します。」との返事をもらい、金融機関のローンの期限も施工会社の指示に従って、2005年2月15日にしました。ことらから早め早めで打合せを行い、10月中に確認申請がとれ、11月2日には着手金も振り込みました。(引渡しは着手より120日後となっています。) 今回の住宅は、土地が斜面にあり、道路面からみると3階建てでも裏からみると2階建て(1.5階くらい)の形になっており、地下1階、地上2階となっています。道路からみて1階(地下1階)部は駐車場と玄関、納戸になっており、実際の生活は2階、3階部分です。 【工程の遅れ】 しかし、2005年の1月に入っても現場の基礎は打たれず、地下1階部分の掘削が始まったのは2月に入ってからでした。 さすがに遅いので工程表の提出をもとめましたが、出てきたのは2週間後で完成予定が4月末になっているにも関わらず、説明もなく封筒が工程表の入った封筒が送られてきただけでした。地下部分のコンクリートが打たれたのは、3月でした。 実はとなりにも同じ会社が販売しており、地下部分の工事の手間を1回ですませるために、意図的に工程を遅らせたようですが、建築会社の回答は「単純な手配ミス」との理由でした。 設計図や施工図を要求していますが、全く反応がなく、簡単な間取り図しか図面はもらっていません。 確認申請書の写しはA4サイズの紙3枚程度の書類だけでした。 【土台のひび1】 その上の土台は、ひびが入っているものが1本ありました。指摘したところ、ひびの入った土台は交換した(? 修理を証明する写真の提示をもとめ、5日後に提示されたが現物はみていない。) 【基礎、土台の芯ずれ】 地下部分が完成したあと、基礎、土台工事に入ったところで現場を見にいきました。 すると、基礎の上のパッキンは大きくはみ出しており、指で触ると動くものが大多数でした。 また、ほとんどの土台が座彫りの穴が中心になく、ナットが土台から飛び出していました。座彫りも深く、90ミリ幅の土台の3分の1くらいしか木がありません。 中には、割れてアンカーが見えるのではないかと思えるものでした。(2005年4月3日に確認し、指摘済み。) 家の長手方向の東側はほとんどが外側にナットが飛び出し、飛び出していないものはないくらいでした。それと並行に走っている廊下や居室の境の土台は東側と同じようにナットが顔を見せています。 建物の西側は反対側(建物の外側方向)にナットが顔を見せていました。 見た限り、土台の幅に座彫りが収まっているのはほとんどありませんでした。(もちろん材木の中心にあるものは見当たりませんでした) 芯ずれが左右に散らばっていれば、お互いに相殺されることもあるかもしれませんが、土台の片側に偏っているため、材木の残り代が少ない側は極端に左右への揺れに対して弱いと思います。 ずれがひどくわれてしまっている1箇所は「直す予定」とのことであったが、他の部分は「問題ない」との言葉のみで直していないと思われます。 4月6日には工事を止めて、こちらが納得する説明の後に手直しをすることを要求しましたが、今日(2005年4月20日)現在、内装の石膏ボードが貼られるまでに工事を進めています。 土台の強度が不安でしたので、修理後の強度を計算で出すように求めていますが、計算で は出ないとの説明しかありません。 しかも、4月6日に上棟をしたので、上棟金を支払わなければ話し合いにも応じませんと主張しています。よって、土台の強度に関するコメントもありません。 土台の問題が解決していない状況で、上棟にしてしまうことが問題です。 これらの土台はどのくらい大丈夫なのでしょうか。 また、どのような修理方法があり、どこまで要求できるのでしょうか。 私は、土台をおいた当日に指摘をし、3日後には工事を止めるようにメールで指示しました。 本心としては、基礎からやり直してほしい気持ちです。 よろしくお願いします。 [業者の見解] 【工程の遅れについて】 「単純な手配ミスで、申し訳ありません」との回答でした。 しかし、工程遅れによる損害の補填の支払いや解約時の違約金の支払いは渋っています。 2005年4月18日には、施工会社の社長は、「工程遅れによる損害の補填はしない!」と電話で宣言しています。 【土台のひび1】 指摘したところ、ひびの入った土台は交換した(? 修理を証明する写真の提示をもとめ、5日後に提示されたが現物はみていない。) このような材料を据え付けておき、指摘があって初めて交換するような態度であったにも関わらず、こちらが指摘しなくても交換はしていたとの回答があった。(材木を持った時点で割れがわかるはずである。据え付けたことじたいが問題である。) 【基礎、土台の芯ずれ】 原因はスミがずれたためと発言しています。 「建築基準法の基準では、アンカーで固定するという規定のみであり、土台の状態は関係ないので施工に問題ない」との回答。 土台がどんな状態でもアンカーの引き抜き強度は影響ないと言っています。 「左右の揺れに対して弱いのでは?」との問いにも、アンカーの引き抜きには関係ないとのコメントだけで、理論的に説明しようとはしません。現場で話をしたいと言っていたにも関わらず、上棟金を支払わなければ話し合いもしないとの姿勢です。 問題がないことの証明として、強度を計算して出すように求めていますが、計算では出ないとの説明しかありません。 [相談内容] 柱でなく面で支えているツーバイフォーであれば、土台の状態は影響がないのでしょうか? 左右に揺れた場合に片側への強度が弱くはないでしょうか? 土台のアンカーの芯ずれはどこまでが許容できるのでしょうか?(但し、アンカーずれは 一部でなく、ほとんどのアンカーがこのような状態です。) この状況に対し、どのような対策が可能でしょうか? 基礎からのやり直しは主張できるのでしょうか? (基礎が設置されて3日目には、ひどいものはやり直してもらうとメールで伝えています) また、基礎パッキンが固定されておらず、指で触れば動き、抜けるものがあちこちにあります。 隙間がないようにした上で土台をおき、アンカーなどで固定する必要はないのでしょうか? パッキンと基礎との間の隙間にスペーサーを後からいれているのですが、足りない部分があります。(パッキンの右半分にはスペーサーが届いていない) このような施工が通常でしょうか? 解決にあたり、どのような方法がよいのでしょうか? (できることならこの場所に住みたいが、地震時に危険な要素があるのならやめるしかないと考えております。) これらについてお答え頂けると有り難く思います。 敷地掘削 山止め 外壁と擁壁の間の処理は?注意が必要 土台の割れ アンカーボルトのズレ アンカーボルトのズレ アンカーボルトのズレ 基礎パッキンの上に合板が? 基礎パッキンが手で動く |
yorozuの感想 | 複数の方からのアドバイスが得られるので、非常に心強いものだと思います。 このようなHPがもっともっと充実されていくと、不幸な住宅購入者も減っていくと思います。 もっと早くこのHPを知っておけば良かったと思います。 |
アドバイザー | |
清水 煬二 | 解説員の清水です。 土台は、基礎コンクリートと家本体をつなぐために重要な役割をいたしますが、2×4工法でも木造在来工法でも同じく重要です。 その土台はアンカーボルトで、基礎コンクリートに緊結されていなければなりません。 土台と基礎の間に基礎パッキンがあるのであれば、それが指で動くようではいけません。 薄いパッキンを差込み動かないようにする必要があります。 土台の座彫りが深すぎて土台が裂けるかどうかは、アンカーボルトの本数と負担することになる荷重などで計算は可能でしょう。 また、アンカーボルトのずれですが、これが著しいとアンカーボルトの引き抜き強度にも錆びに対する耐久性にも影響します。 アンカーボルトの引き抜き強度に土台の状態は関係ないとの ことですが、アンカーボルトは土台を緊結するためのものですから、このコメントは本末転倒だと思われます。 その他、ホールダウン金物なども、基礎と柱や柱に代わる縦枠(壁)を緊結するためのものです。 以前からの書面による指摘やクレーム、工事中止を無視してきたとのことですが、着工遅れやそれに対する返事、対応、そして不具合工事に対しての対応を書面や写真からだけの感想ですが、建て主側に対して、かなり不誠実な業者と思われます。 上棟金を支払わなければ、話し合いに応じないというのは、 業者側は自分たちの非を突かれて支払いがストップするのを恐れている可能性もありますし、上棟金を支払っても誠意ある対応をしてくれるかどうかは、不明です。 支払いをするのであれば、どういう対応をしてくれるのか確約をしっかり取ってからの方が良いでしょう。 基礎のやり直しや手直しに理屈が通っても簡単に応じてくれるかどうかは、業者次第で何ともいえません。 経験上、こういう業者は第三者の建築士が間に入っても、無視をするか話し合いにも応じないことがあります。 建築条件付とのことですが、この契約自体にも宅建業法違反の可能性もありますので、弁護士さんとの相談も視野に入れて対応を考えていく必要性があるかもしれません。 |
コメンテーター | |
今井 優子 | 写真を見た限りでは、真摯に建築を生業としている者とは程遠く、無知で、いい加減で、誠意など微塵もなく、建築に夢も誇りも持ち合わせていない業者の仕事に見えます。 工期の遅れについても、まともな工事契約なら契約書の約款にその辺のことは明記されているはずですが、どうなってますか? 上棟金の支払いについても、上棟したから払うのではなく、上棟までの工程が問題なく施工されていることを確認の上払うといった捕らえ方でいいはずです。 少なくとも設計事務所が監理する場合は、そのように工事の出来高を確認したうえで、中間金の請求を承認しています。 このような業者を相手に、素人が自分の意志を通すのは困難を極めると思われます。 清水解説委員の言うとおり、第3者の建築士や弁護士の協力を検討して見てください。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 請負契約を土地売買契約と同時に求める業者には要注意です。 建設請負契約は図面が作成されて見積りを確認し、成立することだからです。 同時とは金額は取り決めて、その範囲で建物を造るということになり、ほとんどのことは決定されていないということです 。 工期を無視し隣地と同時に施工することで利益を確保しようとしたことが工期の遅延の理由でしょう。勝手な業者の都合は通用しません。 契約約款に遅延金のことが触れられていると思いますので、交渉してみてください。 今回の工事は崖地条例の申請もしていると思います。確認申請の件も含めて役所に内容を確認してみてください。 工事請負契約では貴方が申請者になっていますので、自分の権利を確認することは当然の権利だからです。 今回の土台のアンカーボルトの位置ズレによる許容範囲を超えているものと判断します。 補強はできますので、適切な補強を打診してみてください。 基礎パッキンの動きは上部の荷重が載れば通常は動かなくなりますが、それでも動く場合は その隙間を埋める必要があります。 写真から気になることがありますが、今回は擁壁ではなく、地下外壁でもないような感じに見られますが、その設計方法を確認申請の中で確認してください。 地下外壁扱いならば水の排水方法の検討も必要です。 写真からはこの建物は地下1階地上2階ではないのではないか? 地上3階建てになるのではないか?と思われます。 確認申請でどのように申請しているか、確認ください。 業者が知識がなくても誠実ならば第三者の建築士に監理してもらうことで対応は可能かもしれませんが、今回の業者はそう簡単に事が運ぶか疑問な点もありますので、弁護士に相談して進めることをお勧めします。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | この度は、ご丁寧な返信を頂きありがとうございます。 やはり、私の考えが正しかったと思い、安心しました。 しかも、3人もの方からご意見が頂け、本当に感謝しています。 実は、業者から「我々を信用できないのなら、このまま家を建てても気分が悪いでしょうから、支払い済みの金額で買い戻してあげましょう。我々もあなたの家を建てるつもりはありません。」と言われています。 当然、違約金については契約書に記載はしてあるのですが、「請求はしてもいいが、支払わなければならない義務はない。」とまで言っています。 工程が遅れた理由についても、今度は社長が「擁壁の型枠を作る際の土留めの仮設工事の仕方(既設の後ろの民家との境界部分)の役所との打ち合わせに時間がかかったため」と説明し、当初の理由と異なった説明をしてきました。 このような状況でありますが、ただ、土地の場所が気に入っており(家族の生活が便利であるので)、せっかくみつけたあの場所を手放したくない気持ちでいっぱいです。 皆様のご意見の通り、弁護士に相談するしかないと思えてきました。 (まずは、市の行っている無料法律相談に相談したいと思います。) 経過は、逐次、ご報告させて頂きたいと思います。 この度は、本当にありがとうございました。 |
その後 |
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