相談概要 | [氏名] T.M [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [居住住所] 大阪府枚方市町 [相談建物所在地] 大阪府枚方市町 [職業] 会社員 [年齢] 37 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2003年 12月 日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 58.39 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1250 [設計監理料] 0 [様態] 建売り住宅 [施工者] 大工(工務店) [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 0 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 3 [施工者名] M工務店 [販売会社名] (株)K不動産販売 [設計者名] わかりません [監理者名] わかりません |
相談内容 | [現象] @浴室下のシロアリ被害 A玄関柱のシロアリ被害 B1階、2階床のきしみ音 C外壁の亀裂(購入時に無かった物が新たに出来たもの。購入時に確認している亀裂には補修が施されていました) D基礎のひび割れ E屋根裏にゴミがあるのを発見 F床下にゴミがあるのを発見 G現在結果待ちですが、先日耐震診断を受けました際の耐震診断士のお話をお伺いした雰囲気では危険度がかなり高いと思われます) [業者の見解] 現象@につきましては昨年2004年12月に私が発見してすぐ対応して頂くため仲買業者に依頼しました。 その際仲買業者より売り主へ連絡を入れて頂き、売り主とシロアリ駆除業者により床下シロアリ駆除を行って頂きました。 床下の被害状況をお聞きしたところ、『問題ない』とのこと。 被害にあっているところの補修はお願いしますと申し出たところ、補強のようなものは行っておりましたが、先日耐震診断士のかたがその部分の見たご感想は、『床が沈むのを防いでいるだけで、家そのものの強度を補強するものではない』をおっしゃいました。 @以外の状況をまだ仲買業者へお話ししておりません。 耐震診断の結果が出てから写真を前にして話をしてみようと思っておりましたが、この度ご相談の結果を頂いた後にさせていただこうと思っております。 [相談内容] 初めてお世話になります。 お忙しいところすみませんがよろしくお願い申し上げます。 2003年9月22日契約で築29年木造2階建ての中古住宅を購入致しました。 床の軋みは購入当時から気になっていたのですが、古い家のため仕方が無いと思いながら住んでおりました。 そんな時2004年12月、浴室入り口扉枠組(縦1本)のシロアリ被害に気づき、仲買業者へ連絡をし、売り主とシロアリ駆除業者によりシロアリ駆除を行って頂きました。 その際の費用は無償です。 駆除は行って頂きましたが、シロアリの被害状況がやはり気になりましたし近頃の地震被害が自分自身に降りかかる恐れもありましたので、今年2月20日耐震診断を受けました。 診断結果はあと1、2週間の間に出るかと思いますが、診断を受けました際に話を伺いましたところ、 @屋根裏に椅子、子供のおもちゃが置いてあった。 A床下にハザイが散乱していた。 B床下のシロアリ被害状況がかなりひどく感じられる。但し、シロアリ被害部分をシロアリ駆除時に新たな木材で『補強』してしまっているためその補強材が邪魔でハッキリと確認することは出来なかった。 C基礎の至る所にひび割れが見られる。 D外壁材に新しいヒビが見られる。 の点をお聞きしました。 『不動産売買契約書』の『瑕疵担保責任』の部分には”買い主は、売り主に対して本物件に隠れた瑕疵が逢った場合、その瑕疵の修復を請求することができる。但し、本物件引き渡し後2ヶ年いないに発見された雨漏り、白蟻の害、給排水設備の故障の瑕疵についてのみ買い主に対して責任を追う物年、売り主は自己の責任と負担においてその瑕疵を修復しなければならない。” とありましたが、 上記@、Aの除去、C、Dの修復、 「1:現象」欄に記述させて頂きました@、Aの被害状況詳細の調査並びに修復 Bの修復 についてはどこまで無償で請求出来るものでしょうか。 また、この度耐震診断を行って頂きまだ結果は出ていませんが、仮に『やや危険』、『倒壊または大破壊の危険がある』と判断されました場合、仲買業者、売り主に対して耐震リフォーム費用等、安全に生活できる為の措置を請求することは出来ないのでしょうか。 仲買業者、売り主は昭和51年の物件を2003年販売するにあたって、安全に生活出来る物件販売の義務は無いのでしょうか?(地震対策等行った物件の販売義務は無いのでしょうか。危険な物件を販売しても問題ないのでしょうか。) 乱筆乱文で申し訳ございませんが、 ご回答の程よろしくお願い致します。 写真は後ほどメールにてお送り致します。 |
yorozuの感想 | 白蟻被害発見時もHPを探していたのですが、当時はこちらを見つけることが出来ず解決の糸口を見つけるのが困難でした。 ですがこの度お邪魔させて頂き先生方のわかりやすくご説明頂いているご対応にひかれ、心に引っかかっている悩みをご相談させて頂きました。 よろしくお願い致します。 |
アドバイザー | |
津村 泰夫 | 解説委員の津村です 不動産に関することは専門外ですが、本当に契約書の「瑕疵担保責任」の項に2ヶ年と書かれていますか? 築29年もの中古住宅ですと2ヶ月と書くのが通常だと思います。不動産屋のミスかもしれません。また「古家付き土地売買」とする場合や、「中古住宅売買」とする場合でも「現状有姿」での取引が条件となっている場合が多いと思います。 また、契約書には、「雨漏り、シロアリの害、建物構造上主要な部位の木部の腐食・・・の瑕疵を知っていたときは、売主はその責任を負いません。」とは書かれていませんか? このような中古住宅の場合、よほど手入れが行き届いていない限りシロアリ駆除を定期的におこなっているとは考えられませんので、浴室廻りなどで腐朽の見られることはごく普通だと思います。 上記ではなく、売り主や仲介業者が一定のリフォームをおこない、販売したのであれば責任を問うことは可能だと思います。 1の屋根裏に椅子、子供のおもちゃが置いてあったのは売り主の荷物ですから売り主に引き取ってもらいましょう。 2の床下の廃材ですが、写真ではよくわかりませんが、荷物と見れば売り主に引き取ってもらえるでしょう。そうでない場合は交渉してみてください。シロアリの餌を置いているようなものです。 3は、写真では腐朽の様子はわかりますが、補強材がよくわかりません。 4の基礎のひび割れですが、引き渡し時に補修をしており、その個所がひび割れた場合には、表面のモルタル部分であれば乾燥収縮でしょうから大きな問題はないと思いますが、写真では判断つきかねますが、地盤がかなり悪いのかもしれません。売り主に請求できる場合がありますが、ただ、契約書によっては「それ以外の建物の瑕疵および土地の瑕疵については、責任を負わないものとします。」と書かれている場合があります。 5は外壁材がどのようななものかわかりませんので、正確にお答えできませんが、モルタルだとするとすぐにひび割れが発生するのは地盤が悪いか構造強度の不足でしょう。 耐震診断をされたということですが、まずこの時期の建物は筋違いがきちんと固定されていることは考えにくく、耐震診断の評点が1.0以下となり、「倒壊する可能性がある」、0.7以下で「倒壊する可能性が高い」と判定される例が多いようです。しかしながら、中古住宅を売る際にこのような耐震診断を義務づけるといった行政指導はごく一部の市町村しかないようです。売り主が「現状有姿」だと言えば購入する側で安全を確認するのは当然だと思いますし、「安全に住める物件」であるかについては、購入する際に耐震診断を要求し、確認してみるとよかったと思いますね。 他人任せは禁物です。自分の(家族の)安全は自分で守るというような姿勢が必要でしょう。 |
橋本 頼幸 | 解説員の橋本です。 まず、契約書には「買い主は、売り主に対して本物件に隠れた瑕疵があった場合、その瑕疵の修復を請求することができる。但し、本物件引き渡し後2ヶ年以内に発見された雨漏り、白蟻の害、給排水設備の故障の瑕疵についてのみ買い主に対して責任を追うものとし、売り主は自己の責任と負担においてその瑕疵を修復し なければならない。」となっているとのことですので、これをそのまま読みとると、 (1)瑕疵があったら修復を請求できる。 (2)ただし、2年以内に見つかった雨漏り、シロアリ、給排水設備の故障のみ となります。 従って、この契約だけで考えると、1〜5はいずれも要求できません。 また、相手方はシロアリ駆除に関しては契約通り実施してくれているので、相手に落ち度はありません。 「地震対策等行った物件の販売義務は無いのか、危険な物件を販売しても問題ないのか。」という質問ですが、全くありません。 なぜなら、 (1)取引が「売買契約」で行われていること 契約前に現物を確認して売り主・買い主両者が合意しているから (2)一言で「地震対策」と言っても購入者によって要求の度合いが異なるから 極端な例で言うと「耐震補強は不要だから安く買いたい」や「どんな地震が来ても無傷にしてほしい」という要求レベルはその建物の使い手・使い方によって変わるので、販売側や仲介側で設定できない。 (3)もし仮に「耐震診断をした」建物を買うことになるとその費用は当然購入費用として上乗せされるだけ。 だからです。 津村解説員の解説にもありますが、「誰が主体になって対応をするか」ということが大切です。「壁が割れてきたからなおしておいて。補修方法は任せます」ということでは、なおす主体は任された方になります。つまり、任された方がやりやすいように直すでしょう。そうではなく、TMさん自身が「こういうやり方で直す」という「TMさん主体」の補修が必要なのです。TMさんが建築の専門ではなく、もっとも効率的な「補修方法」を知らない場合は、TMさんの代わりとなって考えてくれる専門家に、費用をきっちり払って考えてもらうべきです。そこを無償でやってもらうというのは、「補修方法を任せた」ことになりませんか? |
コメンテーター | |
畔上 廣司 | 津村委員が解説されているとおり、不動産売買契約書の「瑕疵の修復」或いは「瑕疵担保責任」の項は、2ヶ月と記述されているのが一般的です。瑕疵期間について、もう一度確認してください。さらに、物件等状況報告書の「土地及び建物の状況」及び「その他買主に説明すべき事項」や重要事項説明書の備考欄及び特約条など条項の再確認も必要ですね。 耐震診断には、従来の木造簡易耐震診断(国交省)・最近実施されている木造住宅の一般診断法と耐震精密診断法(共に日本建築防災協会)などがあり、T.Mさんの場合はどの方法でしょうか。この時期の建物では耐震補強を必要とした報告書が出てくる可能性が殆どです。 現行の建築基準に合わない建物に住むことは、かなり不安になるかと思いますが、ご家族が安全で安心して住めますよう、建物の現状や耐震補強方法等について、専門家に確り相談することをお勧めします。 なお、30年前の住宅の耐震補強や修繕などの措置請求は当然無理と判断されますね。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 私達が中古住宅のトラブル調査の経験から、また、リフォームの経験から現状を説明いたします。 先ず、不動屋さんの仲介は物件の紹介料的なものだと理解してください。 大手だから、名前が知られているから・・・などは全く「安心」にはつながらないということです。大手でも建築のトラブルがあると「売主責任」ということで仲介はしますが責任はほとんどありません。また、「建築は私達は素人なのでそれが瑕疵なのかどうか判断できません」となります。建物を購入するときは自己責任が大変に大きいことになります。購入するときはできるだけ建築士に同行してもらってください。 耐震性の問題できすが、現実には耐震診断をしてもほとんどの建物は耐震補強が必要になります。結局、木造などの住宅は建築基準法のかなりの部分が緩和されていた。ということになります。本来は耐震的な耐力壁のバランスは大変重要です。また、1階と2階のバランスも大切なのです。わたしは現行の基準法になる前から、鉄骨造や鉄筋コンクリート造、超高層などと同様に、木造にもその要素を取り入れて設計してきました。しかし、残念ながらほとんどの建築士は建築基準法の中であれば安全と考えていたようで、その結果が阪神大震災や中越地震の木造の倒壊につながっているのは残念でしたが、その不備を見て、国では耐震診断と称して中古住宅の補強を促すために行われています。それはその不備を埋めるためのものであって、業界の問題そのものの問題であるとも思っております。 大手の注文住宅でも、建売住宅でも、マンションなどのリフォームをしましたが、残念ながら図面と違うことが多々あります。柱の下に基礎がなかった。筋交いは図面に位置にない。筋交いが切れている。ボルトが止まっていない。鉄筋が見えている。床が下がって、構造的配慮がない。 などリフォームの設計でも現実の建物は質が悪すぎる。というのが正直な感想です。 こんな仕事しかしない建築業界は何なのか?疑問にも思います。 明らかに監理がされていないのが現状に日本です。それは今でもそれほど変わっていないと思われます。 こんな状況ですから、家を購入するとき、建てる時は信頼できる建築士を見つけていい家にしてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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