相談概要 | [氏名] N.S [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [居住住所] 埼玉県本庄市 [相談建物所在地] 埼玉県本庄市 [職業] 会社印 [年齢] 47 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦2005年 5月 30日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 40 [工事請負金額] 1500 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] − [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] した。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 2 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10 [施工者名] K建設 [販売会社名] K建設 [設計者名] [監理者名] |
相談内容 | [現象] 現在住宅の建築中ですが、以下のことに疑問がありますので、ご相談を宜しくお願い致します。 1.基礎のひび割れ 基礎工事の時に少し気になったのですが、一部(4.5m程度)の基礎の立ち上がりの鉄筋が中心よりかなり外れた位置にあり、コンクリートのかぶり厚さは恐らく3cm以下だったと思いました。 そのせいと思われますが、その基礎の立ち上がり部には幅0.2mmから1mm程度で長さ概ね50cm程度のひび割れが、横に2箇所あります。 2.構造用合板の貼り方 住宅は在来工法ですが、構造用合板(9mm)を貼り耐力壁とし、必要な箇所には筋交いを入れる方式としています。 その構造用合板の貼り方ですが、隅の通し柱(ホールダウン金物と筋交いあり)に構造用合板が2cmしか掛かっていません。その合板の他の三面は土台、横架材、管柱には概ね5cm程度掛かっています。 柱は12cmですので、その隅柱の残り部分には10cm幅の構造用合板が貼られ、その面は平らにはなっています。 なお、その箇所は構造用合板が柱に掛かる部分が少ないので釘は、少し斜めに通常の倍近く打ってあります。 [業者の見解] 1.基礎のひび割れ 最後にモルタル仕上げをするので問題ない。 2.構造用合板の貼り方 強度的に問題ない。 [相談内容] 1.基礎のひび割れ 最終的なモルタル仕上げだけで、基礎の強度、耐久性に問題ないでしょうか? 2.構造用合板の貼り方 このような貼り方で構造用合板の本来の壁倍率(2.5倍)の強度の確保は問題ないでしょうか? |
yorozuの感想 | 昨年の新潟中越地震で実家は大きな被害となり、近所では死傷者もでま したので、住宅の構造的なことには非常に気になります。しかし、建築の知識がないだけに問題あるかないか分からずに困っていました。このようなコーナーがあると大変助かります。 |
アドバイザー | |
清水 煬二 | 解説員の清水です。 基礎のひび割れについての写真を見る限りでは、モルタルで補修するのであれば、現在はご心配しなくても良い程度のクラックに見えます。 しかし、鉄筋が中心よりかなり外れた位置にあり、かぶり厚が3センチ以下程度との点について、それによる構造強度が問題になるかかどうかは、文面では判断できませんが、ご心配であれば業者に詳細な資料を提供させ第三者の建築士に判断してもらうと良いでしょう。 但し耐久性の面で考えるとこの部分の基礎モルタル厚は2センチ以上は欲しいところです。ここまで塗ってくれるかどうかは確認して下さい。 構造用合板の貼り方ですが、隅の通し柱に2センチしかかかっていないとのことですが、この点についてだけの判断であれば、一般的には問題ないと思います。 一般的にというのは、地震時にそこに加わる力の大きさなどは設計によって変わるため、文面では特定できないからです。 むしろ問題になるのは、釘の打ち方やその位置、間隔です。 たくさん打てば良いというものでもなく、合板が裂けるような乱暴な打ち方は避けなければなりません。 隅の通し柱は12センチで、他の管柱は10.5センチということで良いでしょうか? それであれば、掛かっている2センチ分は隅の通し柱を欠いて合板を嵌め込むようにして終わりという場合が一般的ですが、さらに残りの10センチに合板を打ち付けているのでしょうか? いずれにしろこの残りの10センチの合板は構造には関係なく下地の高さ調整用のものです。 耐震面や構造強度に関してご心配であれば、設計上、建築基準法を満たしているから強くて安心というわけではありません。 無理な設計をしていれば、部分的に強い力がかかり部材を破壊してしまいます。 また、施工上もさまざまな問題を抱えていますが、工事中であるなら、隠れる前に第三者の建築士にポイントはチェックしてもらい指摘してもらうと良いでしょう。 |
コメンテーター | |
古賀 保彦 | 基礎については大きな支障は無いように思いますが、解説の通り、かぶり厚さを確保するような補修が望ましいです。参考までに、建築基準法施行令では基礎立上がり部分は4cm以上確保するよう規定されています。 構造用合板の掛かり具合については、現状を見てみないと何とも言えない面もありますが、柱・合板が釘で裂けないよう丁寧に施工されていれば支障ないように思えます。ちなみに、住宅金融公庫の木造住宅工事共通仕様書では、構造用面材を柱以外で継ぐ場合に、間柱を45×100mmとする規定が有りますが、この場合のかかりしろは45÷2=22.5mmです。 また、ツーバイフォー工法では柱に相当するスタッド巾が38mmですが、この場合は38/2=19mmがかかりしろになります。 詳細もさることながら、それ以前に地震や風害に対してバランス良く十分な耐力を備えた計画である事が大切です。ご不安の向きがありましたら、解説にありますように第三者の建築士のチェックを受けてみられると良いと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 鉄筋の被り厚はコンクリート打設前に言うべきでした。 正確な寸法が確認できていませんので、推定ではお答えはできませんが、基準はあります。 地震に強い建物を望むとのことですね。 大切なことです。ご心配は理解できます。 鉄筋の間隔、径は確認しましたか? 開口補強筋はありましたか? 鉄筋の定着や継手は規定どおりなっていましたか? 底版厚さ、その被りは大丈夫でしたか? 捨てコンクリートや地業は問題なかったですか? アンカーボルトの定着は?径は? 仕口の金物は適切についていましたか? 釘の種類、長さは確認しましたか? 今回は被りの疑問、合板の取り合いが気になりましたが、実は他のことも沢山あります。知れば知るほど怖くなるのが建築です。 これらを一般の方が確認することは不可能といっていいものです。 本当に地震に強い建築を造るのならば、信頼できる建築士に監理を依頼すべきです。 もっと言うならば設計監理を含めて信頼できる建築士に依頼すべきでしょう。 今からでも第三者の建築士に現場を見てもらいましょう。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | ご回答をいただきまして、大変ありがとうございました。 ものすごく重大な問題なのか、それ程気にすることでもないのか、建築の知識がないだけに心配でしたが、ご相談させていただきまして安心しました。 相談の件につきましては、建築会社に以下の対応をお願いしました。 1.基礎のひび割れ かぶり厚さ不足の懸念もあるので、2cm以上モルタルを塗ってもらう。 2.構造用合板の貼り方 そのかかりしろの少ない箇所は釘の打ち損じにより抜いた跡が何箇所かあったり しましたので、柱の内側脇に4.5cmの間柱を柱に打ち付けもらい、その部分にも規定 の間隔で釘を打ってもらう。 また、自分では分からない問題もある可能性もありますので、第三者の検査機関にチェックを依頼する方法を考えております。 大変ありがとうございました。 |
その後 |
〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号
TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107