相談概要 | [氏名] H.N [相談内容] 分譲マンションの瑕疵 [居住住所] 埼玉県さいたま市浦和区 [相談建物所在地] 埼玉県さいたま市浦和区 [職業] 会社員 [年齢] 35 [男性] on [構造] 鉄骨鉄筋コンクリート造 [引渡し年月日] 西暦2004年03月21日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 13 [お住まいの階] 9 [延べ面積m2] 63.52 [延べ面積坪] [工事請負金額] 3140 [様態] 分譲マンション [施工者] − [マンションの総戸数] 100戸以下 [施工者名] U [販売会社名] A [設計者名] [監理者名] |
相談内容 | [現象] 結露が酷い状態です。 南北に正対するマンションでして、北側に外廊下・玄関が位置しております。 玄関を入ると左右に5.4畳の洋室と4.9畳のサービスルームがあるのですが、北側に面する玄関ドア・洋室・サービスルームの窓全てに尋常ではないと思われる結露が発生します。 メールにて送りました写真は玄関ドア下部の結露による水溜り、6畳洋室の窓サッシへの結露、窓枠の湿気によると思われるカビの発生状況、床面・巾木周辺へのカビの発生状況です。 実際に結露している部分だけではなく、玄関を中心とした壁自体が非常に冷えており、湿気を含んだ状態になっているように感じられます。 特に冬を迎えて状況が酷くなりました。妻と子供がおりますので平日昼間も締め切りではなく、換気は充分に行っていると思いますし、調理時には換気扇も使用する・入浴時にも換気扇を使用するなど、結露への一般的な注意事項は守ってきたつもりです。 引渡し後の1年点検が先日実施されたのですが、そのときの話では左右・上下の部屋ではこのような結露は発生していない模様です。 [業者の見解] 新築後1年点検が1週間ほど前にあり、施工業者が来訪したので状況を説明すると、『ちょっと考えられないケースであり、壁内部がどのようになっているのか確認したい、社内でチームを組んで調査・補修するつもりです』と言ってくれました。 生活状況なども聞かれましたが『通常の生活を送っている』と言う説明を致しました。 引渡し後1年という時間を考えても、普通ではないと考えているようで、原因について明確なことはまだ言えないが、ぜひ調査したいと言う意向のようです。 但し具体的な話にはまだなっておらず、状況は現在もそのままです。 [相談内容] きちんとした状態の家にしたいと考えています。その上で、 ●この状態は第三者的に見て構造に問題があると考えられるものなのか? ●構造に問題があるとして、考えられる原因はなにか? ●原因を調査する場合、適切な方法はどういう方法か? ●原因調査・補修はどの位の時間が掛かると予想されるか? について、お知恵をお借りしたいと思います。 また、似たような案件があれば、その顛末について教えて頂きたいとも考えています。 |
yorozuの感想 | 不動産の購入は普通の人ならばそんなに数をこなすものではなく経験を積むにも難しいと思います。自分が置かれている状況が普通なのか否か、判らなくなることがあります。そんな中で真摯かつ誠実に対応して頂けるこのようなHPがあることは非常に心強く感じます。 |
アドバイザー | |
堀住 勝雄 | 解説員の堀住です。 写真を拝見すると確かに尋常ではない結露ですね。通常の生活状態で換気もされていてあの状態では水分がどこか別の所から浸入していることが想像されます。 原因として 1、浴室からの排気がされていない。排気管の漏気または未接続 (浴室の点検口から見えるかもしれません。) 2、上階かHN様の給排水管の漏水 3、上階の外廊下からの漏水、などが考えられます。 原因の追究には数回(数日)はかかる可能性もあります、判明したとしても補修工事に数日を要します。壁天井の仕上げ(内装)を剥がすことになると思いますが、コンクリートに含まれた水分が蒸発するまで期間をとってから仕上げを施工することが望ましいと思います。 |
清水 煬二 | 解説員の清水です。 家の中がカビだらけというマンションに、カビの対策の相談を受けてお伺いしたことがありますが、 入った瞬間に蒸し風呂状態の湿気を感じました。 石油ストーブを暖房に使い、日常の換気を全くされていないお宅でした。 これは家族以外の人が入ればすぐにわかります。 他の隣接した住居では生じていない、 換気も通常に正常になされている、 生活上の水蒸気の発生も他と比べて差がない、 他に水や水蒸気の浸入がない、 という前提で考えると北側の壁に断熱材が入っていないか入っていても不具合や不足があるということが考えられます。 他の住居や他の外壁面には入っていても、施工不良などで入っていない、剥がしてしまったということもあります。 業者が実際に剥がしてみれば、この断熱材の問題などはすぐ判明します。 壁を剥がしてみるということは、そういうことも考えてのことでしょう。 もちろん、断熱材が入っていても、玄関ドア―やサッシ枠、ガラス面での結露は結露の量はともかく生じてもおかしくはありませんが、他と比較して著しいと業者も判断しているのですから、剥がしてもらって、原因を特定してもらうべきです。 上記が原因であれば、剥がしたその日に原因がわかります。 乾燥させてから断熱材の施工と、石膏ボード、クロス仕上を行いますが、乾燥させる期間を除けば、数日で完了します。 断熱材の問題ではない、原因がはっきりしない、ということになれば壁を塞ぐ前に第三者の専門家にも見てもらい原因を調べてもらうべきでしょう。 |
コメンテーター | |
古賀 保彦 | 解説にありますように様々な結露の原因が考えられますが、特にサッシ等の金属・ガラス部分に結露が多いという事であれば、空気中の湿気の多さが大きな原因となっているように思えます。 換気もキチンと行っているとの事ですが、各解説にありますように換気経路の問題や、石油ストーブ等、水蒸気を多量に発生させる機器を使用している場合には特に注意が必要です。 調査の際には、断熱施工状況の他、下記を目安に換気が正しく機能しているかどうかもご確認下さい。 ・各室の吸気口が開放されているか、また、家具等で塞がれていないか ・換気ダクトの接続に不具合はないか ・各室のドア下隙間(アンダーカット)が確保されているか ・常時換気扇を作動させているか ・換気扇作動時に外部フードからの排気が認められるか また、水蒸気の発生を極力抑える事も大切です。下記のような水蒸気を発生させるものの取り扱いにもご注意下さい。 ・加湿器 ・石油、ガス等の燃焼系ストーブ ・植物 ・水槽 結露は建物の性能だけでなく住まい方にも大きな関わりがあります。調査と平行してご自身でも検証を行って下さいね。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 写真での結露は尋常ではない状況にあります。 これではカビの大量発生につながり、健康にもよくないでしょう。 マンションは高気密の状況にあります。 それを防ぐ為に換気口の開放は必須になります。 開放すると寒いのですが、これを冬場に塞ぐとキッチンのフードを入れてもお風呂の換気をしても排気量が著しく落ちます。 また、このような状況下で加湿器・石油、ガス等の燃焼系ストーブを利用した場合はこのような状況に陥ることになると思います。 しかし、今回の相談の内容を見ますと換気はまめにしているということですから 瑕疵の可能性も考えなければなりません。 換気ダクトが未接続若しくは不完全である・・・・。 断熱材が未施工である可能性もあります。 上階の屋根若しくは設備からの漏水も考えられます。 壁などの漏水も考えられます。 構造的な問題もあるでしょう。 施工者に調査を依頼することになりますが、一般的に突っ込んでの対応はしない場合もあります。できれば第三者の調査が必要だと思われます。 調査は先ず事前調査になります。 建築士が出向いて目視調査をメインにします。(温度、湿度計測もこの場合はできるでしょう)そして図面と現状を見える範囲で確認します。 この時点で何らかの瑕疵の可能性がある場合は必要な調査をするために本調査に別途で対応することになります。この場合は管理組合の関係もあるかもしれませんが、含水率、気流計測、空気温度、表面温度、を多面的に調査することになります。 マンションの高気密は実は最近の高気密高断熱も同じ状況になる場合もあります。 この場合は木造の場合は構造体に影響がありますので、建物の寿命を短くする場合もあり、注意が必要ですが、本件はコンクリート造なのでその点は心配は要りません。 対処方法がありますので、前向きに取り組んでください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | こんばんは、お返事遅くなりまして申し訳ありません。 詳細な解説を頂きまして誠にありがとうございました。 部屋の調査はこれからですが、解説頂いた部分を頭に留めて問題の改善がうまく出来るよう頑張って行きたいと思っています。 結果が出ましたらまたご連絡させて頂きます。 それでは。 |
その後 |
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