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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No. 0969 階段(外構)が沈下したが・・・。

 相談概要 [氏名] HU
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[居住住所] 愛知県名古屋市
[相談建物所在地] 同上
[職業] 会社員
[年齢] 42
[男性] on
[構造] わからない
[引渡し年月日] 西暦1998年 8月 15日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 211
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 3600
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 大手ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] −
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[18確認申請の為の委任しましたか?] -
[確認申請書お持ちですか?] -
[検査済証は有りますか?] −
[設計図面は何枚もらいましたか?] 5
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] ?
[施工者名] P
[販売会社名] P
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [現象]
30年ぐらい前に土地造成し、その2年後ぐらいに家を建てました。
その後10年〜15年ぐらい経ってから、土地の北側が沈みだし、北側の部屋の戸や窓がきちんとしまらなくなりました。

その土地に6年前に2世帯住宅を建てました。
建築前に、土壌改良が必要といわれ、セメントミルク工法のようなことをしていたと思います。
穴をあけてセメントみたいな基礎みたなものをつくっていたとおもいます。

建てて1年後ぐらいに、勝手口の階段が沈み出し、家との間に隙間が空いてきました。
現在はそれがさらに進み、隣にある温水器も傾き始めました。

写真を送付します。
階段と家の基礎との間はわかりにくいと思いますが、お願いします。

[業者の見解]
勝手口の階段の沈みの原因はわからないが、コンクリートが剥がれているのは、化粧コンクリートだけなので、家の基礎には影響がない。

[相談内容]
表面が剥がれていても、今後、本当に家の基礎に影響がないのか?
土壌改良をしたにもかかわらず、沈んでいる、階段や温水器に対する、修理は業者の責任といえるのか?





 yorozuの感想 突然のことで困っていたところ、ご意見をいただけるところを見つけました。
こういう相談はするところがないので、いいアドバイスをもらえたら嬉しいです。
アドバイザー 
関口 啓介 解説員の関口です。解説いたします。

「穴をあけてセメントみたいな基礎みたいなものをつくっていたとおもいます」
推測するに湿式の柱状改良と思われます。
建物が沈下せずに、周辺が沈下しているのは、柱状改良そのものは有効にはたらいていると考えられますが、地盤については改良時の地盤保証等がついていないかご確認下さい。
周辺部の修補責任や賠償責任については、現行の住宅の品質確保法に照らし合わせても基本的には難しいと思われます。契約時の瑕疵担保条項等に照らし合わせて、該当するものがあれば可能かもしれません。

階段については、どの程度の高低さがある階段なのかわかりませんが、構造的に荷重負担をどこにどのようにもたせてあるのか確認し、その設計及び施工が適当であったのか確認すると良いかと思われます。場合によっては第三者の専門家に見てもらうのも方法です。ただ、写真にある踏み台程度のものですと構造物と言うより外構物なので難しいかもしれません。

温水器の傾きが配管等に影響を及ぼす程度なのかわかりませんが、建物本体と異なる周辺沈下等に対する対策や検討が事前になされていたか確認し、その他周辺設備を含めた今後の対処方法を検討する必要があります。費用負担については双方で良くお話し合い下さい。
山口 雅克 解説員の山口です。

 家本体の下には土壌改良(セメントミルク工法)がされていて、勝手口や温水器の基礎にはしてないのでこのような現象が出てきたと思われます。一般的にこのような家本体の基礎を施工して上部の工事を進め、最後に家の廻りの工事をしますのでこのようになります。

 サッシの下がめくれているのは仕上げ塗りのモルタルです。本体の基礎の後に勝手口の基礎を工事して、その後に本体側のモルタルを塗ったので階段にくっついていた部分が一緒に引っ張られてこのようになっています。仕事の手順や納りを考えて施工するとこのような不安はなかったと思いますが、家の構造にとっては重要なことではないと思って良いでしょう。

 業者の責任を問うのは難しいところです。
 コメンテーター 
清水 煬二 今回の原因は、家周辺の沈下によることは間違いないでしょう。
大丈夫かどうかは、現地で傾きを測定してみなければわかりまんが、文面と写真からすると解説員のコメントにありますように、ご指摘の現象は、地盤改良の効果が有効に働いてのことで、家の構造体には重要な問題を生じさせていないようです。

心配なのは、温水器を含めた外部の給排水管と排水桝、ガス管が家周辺の沈下が進行することにより将来不具合を生じる可能性が高いことです。
既に生じているかもしれません。

この点についての補修は有償になるかもしれませんが、解説員のコメントを参考にして、業者と話し合ってみて下さい。
業者の対応がいい加減で対策が不明確であれば、第三者の建築士に現地を見てもらいアドバイスを受けた方が良いでしょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄 沈下しやすい土地だということはハウスメーカーにはお話していると思いますので、結果建物は柱状改良で建物の沈下を阻止しております。
その廻りはこの場合には柱状改良は必要はありませんが、沈下することは十分に解りますので、設計の段階で、地業の計画を入念に設計者はすべきだったと思います。しない場合のリスクは説明責任はあろうかと考えます。
しかし、これに対応する保証は難しいかもしれませんが、温水器などの設備に不具合が出る可能性は高いので、これは対応してくれると思います。

今回、勝手口の階段基礎、温水器の基礎は設計段階で地業の方法を検討し、建築主に説明するべきでした。この段階での説明責任は果たしていないということだと思います。通常はこの補修は簡単に施工し直すことが出来ますので、対応を依頼してみてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 丁寧な解説ありがとうございました。
パソコンの調子が悪くてお礼が遅れ申し訳ありませんでした。

建物基礎には影響ないとのことでちょっと安心しました。
しかしながら周辺部の修補責任や賠償責任については、問えないとのことで、設計時のチェックの甘さを痛感しておりますが、周辺部も責任を持ってもらえるように法改正がされることを望みます。

ただ、階段は踏み台程度のものですが、その階段の横に2台温水器が並んでおり、階段の近くの方の温水器が傾きが大きいので、階段が大きすぎたのでは?と、考えています。

ご指摘のあった「周辺沈下等に対する対策や検討」についてハウスメーカに確認し、その他周辺設備を含めた今後の対処方法を検討したいと思います。

「費用負担については双方で」とのことですが、このような場合は、どれくらいハウスメーカに請求できるのでしょうか?
概算の割合を教えていただければ幸いです。
 その後  
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