相談概要 | [氏名] HY [ふりがな] [相談内容] 分譲マンションの瑕疵 [居住住所] 埼玉県所沢市 [相談建物所在地] 埼玉県所沢市 [職業] 会社員 [年齢] 41 [女性] on [構造] 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造) [引渡し年月日] 西暦 1997年3月 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 8 [お住まいの階] 8 [延べ面積m2] 69.76 [延べ面積坪] [工事請負金額] 3900 [様態] 分譲マンション [施工者] 建設会社 [マンションの総戸数] 100戸以下 [施工者名] (株)HC [販売会社名] NL [設計者名] (株)TC [監理者名] (株)TC |
相談内容 | [現象] 2年ほど前にリビングの天井部より雨漏りがあり、屋上より補修してもらいました。部屋うちは天井の壁紙がわずかにめくれましたが、小さい物だったのでそのままとしました。この時はたいしたことはないと思い、記録や報告ももらわず、事実を知っているのは管理人さんくらいだったと思います。 平成15年11月18日、二度目の雨漏り。リビングの2カ所から雨粒が落ちてきました。急遽管理会社に連絡し、屋上の調査と補修をしてもらいました。12月18日付けでもらった報告書によると、雨水の浸入箇所は主にパラペットとドレーン周辺であるとのことでした。内装に関してはしばらく様子を見て、4月14日に天井の壁紙を張り替えてもらいました。このときはボードも一部(頭が入るくらい)はがし、乾いていることを確認しました。 平成16年9月27日、三度目の雨漏り。大量の雨水が入ってきたため、ボードを剥がさざるえなくなり、リビングの天井を半分ほど落としました。コンクリートには1メートル以上のクラックが2本入っていました。クラック周辺はたっぷりと水を含んでおり、雨がやんでも24時間以上、水が落ち続けました。 屋上は応急処置をしてくれたそうで(無断で工事されました) 現在は雨の侵入は止まっています。まずは漏水個所(防水の切れた箇所)を特定しようということで、11月11日〜12日にかけて屋上の水張り検査をしました。水張り終了後、約10時間で、2本の内片方(西側)のクラックより、水か入ってきました。11月19日に、パラペットへの散水検査と、ドレーンまわりの水張り検査をしました。水は入ってきませんでした。 室内は仮養生のビニールがぶら下がったままであり、検査の方法も検討中で、どこをどう治すのかもわからない状態です。 [業者の見解] このマンションでは、入居後まもなく部屋内にコンクリートクラックが散発しており(天井高をとるために、最上階以外は居間のみ、コンクリートに壁紙を直張りしてあるのでクラックが見えてしまうのです)その他にもエントランス柱内部の雨水管が未接続だったため、豪雨時に柱の外壁が破裂する瑕疵もあったので、入居者の不安に答えてもらうため、今回の雨漏りの件も含め説明を求めようと、11月27日にゼネコン担当者を理事会に呼び、資料をもらいました。雨漏りに関しては瑕疵であると担当者は言っていましたが、アスファルト防水に関しての保証が10年であるだけで、パラペットの防水は3年、外壁からの雨水の浸入に関しては7年で保証が切れていると言われました。もらった資料によると、雨の侵入したコンクリートのクラックに関しては、鉄筋の錆の心配はない(現状錆び汁が出ていないから)ので、構造的問題はないと推測するそうで、CS−21というコンクリート改質剤を下部より塗ってしまえば問題無いと書いてきました。クラックの発生原因に関しては、収縮クラックであると主張しています。とりあえず防水に関しては、雨漏り調査の専業業者(足立区にあるA社)があるので、そちらへ依頼してくれるよう頼んでみました。これに関しては、来週末に返事をくれるそうです。 [相談内容] ・漏水個所が特定出来た場合、漏水を再発させないようにするために、気をつけなければいけないポイントはありますでしょうか? ・漏水個所が特定できなかった場合、どういった修繕を行えばよいでしょうか?・水が入ってしまったクラックに関して、どういった補修が最適でしょうか? ・いずれにしても各専門家に、しかるべき調査をしていただきたいと思っていますので、ご紹介いただけませんでしょうか。 ゼネコンの対応に関しては、管理組合の理事の方々も不信感でいっぱいで、何を説明されても信じられなくなっています。 (もちろん私もです。) |
yorozuの感想 | こういったサイトは大変ありがたい存在です。賛同してくださ る専門家の方々がもっと増えてくれるといいですね。 |
アドバイザー | |
津村 泰夫 | 大阪の津村と申します 1、 漏水個所が特定出来た場合、漏水を再発させないようにするためにですが、適切な補修がされておれば問題ないでしょう。 2、漏水個所が特定できなかった場合、疑わしい箇所すべての補修をおこなうこです。 3、水が入ってしまったクラックに関しも、エポキシ樹脂充填補修などをおこなえば問題はありません。 クラックは巾が0.5ミリ以上ありますと鉄筋を錆びさせますので補修が必要です。また建物の漏水に関する保証は10年ではないでしょうか。いずれにしても専門家に、調査依頼し、その調査報告を住民全員を集めておこないましょう。正しい専門的判断と住民全員の結束があれば解決出来ると思います。 私は大阪でJIA(日本建築家協会)のマンションメンテナンス部会に所属しておりますが「よろず相談」のメンバーも4名が会員です。 マンション全般について、特に共用部、給排水設備から電気設備まですべてに目をとおした方がよいでしょう。 |
本郷 成史 | 解説員の本郷です。 漏水の補修は、必ず原因を見つけなければなりません。医者と同じで、例えば腹痛の薬を処方するには、その原因を見つけなければ出来ません。漏水の補修も同じように、原因を見つけることが大切な事です。時間が掛かっても原因を見つけなければならないと思います。方法は、色々あると思います。 漏水の補償期間は、どこから漏っても10年だと思います。 コンクリートの亀裂は、幅0.1ミリでもコンクリートの中性化が進み劣化します。これにともない鉄筋の爆裂も早まります。今までの裁判の判例では、0.3ミリ以上でないと勝ち目はないようです。 補修方法は、コンクリートの材令が十分で、今後亀裂が大きくならなければ、エポキシ樹脂を注入する事が良いと思います。しかし、そうでなければVカットし、変成シリコン等でシーリングして樹脂モルタルで表面処理する事が良いと思います。 |
コメンテーター | |
堀住 勝雄 | 漏水個所が特定できなかった場合、についてお住まいになっているHYさんにとって気苦労であろうとお察ししますが時間が掛かっても徹底的に調査して漏水箇所を見つけなければなりません。今、我慢をして欠陥を修正しておかないことには何年も後を引くことになってしまいます。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 1の特定できた場合はその部位により注意点は違いますので、一概には応えられるものではありません。 2での特定できないという場合は複数の原因が考えられるわけですから一つ一つつぶすことになります。 3では錆の程度によりますが、乾かせば問題はないと思われます。 4についてはHPに調査フォームがありますから、そこから申し込んでください。 また、依頼は管理組合を通して申込ください。構造体は共用部分ですので管理組合の要請により、対応させていただきます。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 丁寧なお返事をありがとうございます。┏(_ _)┓ 管理組合の方からは、今年度の予備費を使ってでも、第三者機関へ調査を依頼してくれるそうです。 ついでに、建物全般(特に散発するコンクリートクラックは心配なので)に関して、健康診断もしておいた方がいいように思うので、働きかけていきたいと思います。 自宅の漏水に関しては、何故ここの部分だけに起こるのか(最上階の部屋は他にもあるのに)はっきりした原因が見つかれば安心できるのですが、まだなんとも言えませんね・・。 調査費用や修繕費用の支払いなど、ゼネコンに求めていきますが、すんなりいくかどうかはまだわかりませんので、そう言ったことも含め、時間はかかりそうです。 進展や解決がありましたら、またご連絡させて頂きます。 ありがとうございました。 |
その後 |
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