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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0964 中古住宅購入したが思ったより傾きが気になる・・・

 相談概要 [氏名] I.Y
[相談内容:] その他
[居住住所] 埼玉県上尾市
[相談建物所在地] 埼玉県上尾市
[職業] 自営業
[年齢] 26
[男性] on
[構造] その他の構造
[引渡し年月日] 西暦2004年10月27日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 178.18
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 2800
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 大手ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 0
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[床面積] 200m2以下
[施工者名] DWH
[販売会社名] SHS
[設計者名] 不明
[監理者名] 不明
 相談内容 [現象]
建物は築18年軽量鉄骨、Dハウスの注文住宅。Sの仲介で購入。購入前に3度ほど見に行ったのですが、以前の住人(売主)が相当荷物などを乱雑においていたので十分な下見とは言えなかった感はあります。

1度目に見に行った際には、普通に広さや間取りを見て帰ったのですが、その後Sの担当者より『家に傾きがあるらしい』との話があり、もう1度見に行きました。(この際、『埼玉は地盤が悪いからどこも10年ちょっとで多少の傾きはでる』とも言っていた)物が多かった所為か、あまり傾きは感じなかったし、土台のコンクリートにひび割れなどもほとんどなかったものの、不安を伝えると、『こちらとしても住めない物件を勧める訳にはいかないので、建物診断をして建物が大丈夫かどうかをきちんと調べるので一ヶ月時間が欲しい』とのことで、1ヶ月待ちました。

ちなみにこの物件、最終的には2800万で購入しましたが、最初の価格は2890万円でした。Sの担当者は最初から『2800万くらいに出来ると思います』と言っていました。
そして一月ほど経ち、『確認の結果、東と西でおよそ2センチの傾きがありますが、均一に傾いているので建物自体は問題ありません』との連絡があって、もう1度見に行く。その際、売主さんが『建物診断で大丈夫だったんだから値引きする必要ないだろ』と言っていると、Sの担当者から伝えられました。しかしその後、『売主さんは“建物診断で10万かけて90万値引きしたら100万の損だろ”と言っていましたが、きちんと説得して値引きしてきました』とSの担当者に伝えられて2800万円で仮契約。

いろいろな事情があって、つい先日引っ越したばかりなのですが、物がなくて広い所為か、あるいは自分が家の中で生活するようになった所為か、かなりの傾きがあるように感じています。
風邪かな?とも思いましたが、ここ数日頭痛もあります。気にしすぎとの指摘もありますが、気になったのでSの担当者に電話し、
『建物診断の結果が本当に大丈夫だったのか?』と聞く と、『建物診断はしてません。Dの定期診断で大丈夫だったって言いましたよね?』と言い出す。
さらに、私『建物の欠陥ではないということですよね?』S担当者『Dの方で基礎工事の期間が少し短かったんですよね』私『それはDの責任ですか?』
S担当者『いえ、Iさん(売主)さんの都合で急いだそうです』
などと、今になって手抜き工事を示唆するような発言。

私が『どうにもならないのか?』と聞くと、同じSのリフォーム担当者をこちらによこし、『詳しい話はそっちに』とのこと。
しかし、実際に家を見せていろいろ話を聞くと煮え切らない回答。まず床の傾きは、天井も傾いているので床だけ水平にすると部屋全体がおかしくなるからオススメしない。雨戸がうまくロックできないことは、『サッシなどもゆがんでいるので、新しい雨戸をつけるにはゆがんだサッシを作るか、外から見てちょっと傾いたいびつなサッシになってもよければ』とのこと。

整理すると、
1.建物診断は実際には行っていないこと
2.第3者が診断したと判断したから購入に踏み切ったが、それが嘘であったこと。
3.中古の物件を購入して(ましてや傾きなどの劣化?がある家ならなおさら)リフォームを考えるのは当然だと思うが、家の傾きがそれにどれほどの障害になるかの説明がなかったこと。
4.最初は地盤の所為にしておきながら、契約後に施工時の手抜きを示唆する発言があったこと

[業者の見解]
え〜、イマイチ頭がよくないので上記にまとめてしまいました。
契約書に傾きの記載はあります。まだあまり日がたっていないこともあり、その後の対応はありませんが、リフォーム担当者も『御用があったらお呼び下さい』くらいのことしか言っていないので、特に対応は期待できない状態です。

[相談内容]
不動産屋の負担で改めて建物診断をさせることは可能でしょうか?またその結果、家の傾きが健康被害を与えるほど大きなものであったり、家の強度自体に問題があった場合、契約の取り消しができるでしょうか?また、上記の発言は録音している訳ではなく、実際に聞いているのも私だけか、私と嫁だけです。
(ざっとメモはしてあります)
 yorozuの感想 非常にいいページだと思います。泣き寝入りの人が非常に多いことが考えられますので、こういった存在をもっと知らせるべきだと強く感じます。質の向上は正しいクレームの管理からだと思いますので、住宅業界、特に品質を重視されると公言しているところは、こういうページに積極的に肩入れするべきだと思います。
アドバイザー 
笠原 歩 解説員の笠原です。

築18年の軽量鉄骨造で傾きがみられるというのは、少し施工がお粗末のような感じがします。文中にもあるように地盤や基礎に問題があるかもしれません。

さてご質問の建物診断ですが、交渉次第で行ってもらう事は可能と思います。ですがその結果がI.Yさんにとって有効かどうかは疑問です。「建物診断がなかった」事を理由に、購入後すでに居住している物件の契約解除は難しいと思います。そもそも建物診断を行うのならば、ご自身で調査者を選びその費用を負担するべきでした。売主側の調査ではやはり甘い所があっても仕方ありません。また状況がどうであれ何度か下見をして、傾きについても確認した後の契約であれば有効とみなされると思います。契約前の説明に嘘や誤りがあったとすれば法的な判断を求めるしかありません。

リフォームを考えていらっしゃる様子ですが、現況をよく調べてから改修改善の計画を進めて下さい。
木津田 秀雄 解説員の木津田です。

 同様の相談(傾きの調査だけですが)を受けた事があります。
それは築年数がだいぶ経っていましたが、その後訴訟になり売り主を含めた仲介業者の責任(ちゃんと確認して告知する必要がある)を認めました。民事法研究会発行の「消費者のための欠陥住宅判例 第3集」p172に収録されています。ただ契約解除は難しいかと思います。この事件でも補修費用(アンダーピニング工事)の費用請求としていました。
 コメンテーター 
堀住 勝雄  最初に不動産担当者が言ったように軟質地盤における不同沈下でしょう。ここで問題は口頭で「傾きがある」と告げられたのにそれを承知して(許容して)購入されたことです。構造上危険な状態であれば話は別ですが傾きが生活上支障がない程度なのかは買い主が判断すべきです。売り主側は欠陥は無いと主張しているところに反論するためには自費で調査するしかありません。さしあたり契約書に記載されている不動産業者の団体(鳩のマークとか兎のマークなど)を調べて相談窓口を訪ねてみて下さい。交渉経緯をまとめて文書にしておくことをお勧めします。
 事務局から 
  荻原 幸雄 建物診断を重要事項に記載してもらいましたか?
できれば、そのようにすると仲介業者の説明義務違反は明らかになりました。してない場合でも責任は免れないと思います。
しかし、建物診断という曖昧な診断がどのようなものか?という点が争いとなるでしょう。精密耐震診断をして欲しいと伝えたらよかったと思います。
また、第三者に依頼することも付け加えていただければ尚、効果的だったでしょう。

確かに傾きはあったと聞かされて見に行ってこの程度ならとお感じになったと思います。しかし、この時点で第三者の建築士に建物の現況調査を依頼すればその傾きも明らかになるでしょう。その程度を事実上は確認できていないという点があります。

不動産業者は見猿、言わ猿、聞か猿と同様にそれになるべく徹しようとします。
瑕疵は以外と多いという現実から、よく調査もしないで仲介契約を結び、それを売ることで手数料を取得します。大手不動産には建物調査を有償(今回はこれだと思います。)で依頼するシステムがあります。この存在はほとんど説明しないと思います。
何故か?そんなことしたら、瑕疵が顕わになるからです。

ですので、中古住宅を購入するときは自分で見つけた第三者の建築士に建物調査を依頼することです。(この場合は床や柱の傾きを概略計測します。)
これを報告書にまとめてもらえばなお更よいでしょう。
この場合は不動屋業者に伝えればどこでも応じてくれるはずです。
応じない場合はまさしく怪しいということになります。

通常は住んでいるので、遠慮してじっくり見れないものです。
しかし、第三者ならば遠慮はないわけです。

重要事項に値するとわたしはおもいますので、話し合いの中で解決して ください。

床傾斜による平衡感覚麻痺による精神的なダメージは起こる可能性があるかもしれませんが、これの証明は成されていないと思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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