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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0961 換気口に位置間違いがあったが・・・。

 相談概要 [氏名] S.M
[相談内容:] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 北海道旭川市
[相談建物所在地] 北海道旭川市
[職業] 主婦
[年齢] 27
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦  2004  年 11 月26  日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 163.96
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 19355700
[設計監理料] 50
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 3
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10
[床面積] 200m2以下
[施工者名]
[販売会社名]
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [現象]
ただいま新築の家を建てています。(集中換気、オール電化)
11月26日に引渡し予定でしたが、設計の段階に予め現在使用の家具が置ける様にと設計してもらいました。しかし、寸法を測ってみると家具が置けないことが分かりました。設計図にはない換気口がついていたのです。

一箇所は居間で収納のドアが食器棚を置くと開かない、置く予定の場所に換気口がついている。換気口の位置をずらせば何とか収納が使いづらいが何とか置ける。

2箇所目は寝室でこれも置く場所に換気口がついている。置くためには窓下の電気ヒーターを壁側に移動しなければいけません。

設計監理の事務所 (工務店とは別)に頼んだのですが、工務店とつながりがある様で業者と同じ事しか言いません。

[業者の見解]
ミスは認めるのですが、他の床の所に換気口をつける事は出来るとは言うのですが既存の換気口は撤去できなく、フローリングなどの基盤にスッポリ穴が開いたままで家具を配置するしかないと言われました。他に換気口を作ることは問題なく既存の換気口のうえに家具を置いても何一つ問題ない。窓の下に暖房を置かなくても何にも影響はない。

[相談内容]
集中換気を採用してるようなのですがこのようにシステム化された換気口を簡単に付け替えることで長い目で見たら家の寿命を縮めたりする要因にならないのでしょうか?基礎なども換気口用に作っているのではないのでしょうか?換気量などは影響がでるのでは?いまいち集中換気の仕組みを理解出来ないでいます。オール電化の暖房なのですがストーブの位置を窓の下からはずしたりしても結露やカビたりすることはありますか?
 yorozuの感想 こうゆう場はとてもありがたいと思います。
アドバイザー 
今井 優子 解説員の今井です。

文章から察するに、取付いている換気システムは、機械本体を1階天井裏に設置し、1階の換気口は天井に、2階の換気口は床に付くタイプのものでしょうか。その2階の床に付いた換気口が、家具を置く予定であったところに設置され、邪魔になっているということですね。その前提で、解説いたします。

換気口を移動すること自体が、直接その換気システムの能力や家の寿命に影響を及ぼすことはないでしょう。そもそも、どこでも自由に換気口を設置出来るシステムだからです。点検口などを利用して、新しく作った換気口に本体からのダクトを繋げば良いのですから、比較的簡単に出来ます。(移設距離が長いと、梁など、思わぬ障害が出る場合もありますが・・・。)ただ、使わない換気口は何かで塞いでもらった方が良いでしょう。

換気口を取り外して、フローリングを張り替えるのは少々大掛かりな工事になるので、工務店が嫌がっているのかもしれません。家具の下に隠れてしまうからといっても、穴が空いたままでは、天井裏の空気が室内に流入する可能性もあります。換気口グリルをそのまま残し、キャップを取り付けて塞ぐという方法もあります。

暖房器具の設置位置についてですが、最近の高気密住宅、24 時間換気を実施していれば、室内は過乾燥状態になりますから、 窓下に暖房器具が無いからといって、即、カビを発生させるような結露が起こることはないでしょう。ただ、旭川ですから、一冬に何度か、ひどく冷え込んだときには一時的な結露は起こるかもしれません。暖房器具を窓下に配置するのは、窓からのコールドドラフトを抑え、室温を一定に保つのに一番効率の良い方法だからです。ですから、窓下に置くことが出来なくても、なるべく窓の近くに置くようにしたほうが良いでしょう。人間の体感温度は実際の室温だけでなく、気流や床と天井の温度差、床、壁の表面温度など色々なものが作用します。詳しくは長くなるので割愛しますが、そういう意味では、窓下に暖房器具を配置するのが、一番理にかなった効率の良い置き方といえます。

居住空間に求めるものの優先順位は人によって多少の差があります。暖房や換気の効率とインテリアの見た目や使い勝手など ・・。多少の効率性を犠牲にしても見た目や使い勝手を優先する方もいますし、その逆の場合もあります。

 私たちのような設計事務所の仕事では、設計の段階からそのような細かいところまで、施主と打合せをしながら詰めて検討しますが、そのような経費を見込んでいない設計施工では、そこまで求めるのは難しいでしょう。大抵の場合、換気は換気メーカーが、暖房は暖房メーカーがそれぞれ別々に一番効率の良いように計画します。トータルに調整する人は存在していません。監理だけを設計事務所に頼んだということですが、監理のみの業務の場合、渡された図面に基づいて、図面どおりに施工されているかを確認するものですから、そのような設計にかかわる内容の調整を望むのも無理があります。

何故その位置に換気口があるのか、工務店から説明してもらい、家具の置場所の再検討も含めS,Mさんにとって最善の策を検討してください。
 コメンテーター 
堀住 勝雄  私達が主張している「第3者の設計監理」の大切さが現れたケースですね。使用される家具の一覧表を作り、正確な寸法で図面に記入することは多くの事務所では当然のこととして行われていることです。03年より施行されている換気設備も未だ業者さんの理解が不足しているようです。心配されている構造的な影響はほとんど無いものと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 本来、設計では搬入する家具の形状や配置を図面で落とし、いろいろなことを検討します。ドアの開き勝手、窓、給気口、排気口、コンセント、スイッチ、照明、空調、使い勝手などです。図面化してこそ、それらが使える位置にキチント機能します。

今回の問題は設計自体に問題があるのですが、下請けの設計事務所ではこんなものです。他でも同じようなことを起こしているのです。この人達は反省はしません。金額なりの設計をしていると自負しているからです。

確かに50万では確認申請程度の内容の図面しか描きませんから、このような問題は多くなります。また、他でもありませんでしたか?
問題は50万円でこの程度の設計です。と説明しない点です。彼らは実はそこまでの設計はしたことがないというのも事実でしょうし、また、監理などなお更できません。図面が描けない事務所は監理もできないものです。

さて、今回の問題は他の換気口を設けることで空調には問題がないといえますが、元の換気口は塞ぐとしたら、傷物と同じですね。また、本来は窓下で機能が発揮されるものがその移動も直ぐに問題にならないと言っても気分的には素直に了承は出傷来ものもありますね。
即ち、精神的な面でのフォローをしてもらうことがいい解決方法かもしれません。
ただ、その内容にもよりますが、それでも癒されない場合は全てやり直してもらうしかありませんが、簡単に応じる業者は少ないでしょう。
検討してみてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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