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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0959 業者に不信感、第三者の監理は可能か?

 相談概要 [氏名] E.N
[相談内容:] 売建住宅(建築条件付建売住宅)の瑕疵
[居住住所] 千葉県千葉市稲毛区
[相談建物所在地] 千葉県千葉市稲毛区
[職業] 医師
[年齢] 44
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦 未定  年  月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 100
[延べ面積坪] 30
[工事請負金額] 1650
[設計監理料] 0
[様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅)
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] −
[設計図面は何枚もらいましたか?] 10
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10
[床面積] 110m2以下
[施工者名] C・H
[販売会社名] T住宅販売
[設計者名] K
[監理者名] K
 相談内容 [現象]
  自宅の隣接地が更地となり売り出され、夫の母が田舎から移り住む土地を探ていました。隣居は条件にかなうため、本年6月27日に工務店所有の土地に対し建築条件付宅地の売買契約と、その工務店と建築工事請負契約を行い各手付金を支払いました。工期の着手は土地決済後90日以内と記載されていました。いわゆる売建住宅の契約を行い自由設計で坪いくらの設定でした。

仲介した不動産屋の営業の方が作った図面に幻滅したのと、自分である程度プランを考えたかったため友人の一級建築士のところへ足を運び相談にのってもらいながら間取りの図面を自分で書きました。友人の設計士には設計を依頼し たわけではなくアドバイザーあるいはオブザーバーの立場でかかわっていただきました。

 プランの作成に少し時間がかかり、業者に図面を渡せたのは9月上旬になってしまいました。それから業者側の二級建築士の方と一度きりお会いして自分が考えたプランをCADにしていただきました。CADの図面もなかなかできず催促してやっと一ヶ月後にはじめてのCAD図面をもらいました。

業者側も家ができるのは来年の3月は過ぎますねと言っていたのでそれほどあせっていないものと考えていました。図面を訂正し営業に渡しCAD図面の訂正をしてもらうといった作業を2〜3度ほどやっていただきました。しかし営業に言った事が図面にすぐ反映することはなく、かなり遅れてやっと訂正図面が催促して届くといった具合で した。以前自宅を大手ハウスメーカーで建てた際、かなり打ち合わせを詳細にやっていたため、今回の建築に関してもまだ図面がかなり不完全であり構造体に関してもまだ打ち合わせを続ける必要があると思っており、業者も確認申請のことや着工の予定を口にしないため、まだまだ構造体について細かく詰めていく必要を感じていました。 

ところが10月31日に打ち合わせに行ったところ業者側から確認申請をしたこと、基礎が低く特殊であるため(母が足が悪いため段差を最小限にするため少し基礎の立ち上がりが低く設定されてい ました)住宅保証機構は使えないとのことでした。

確認申請を出すことを聞いていないと問うたところ笑って流されてしまいました。またこれは形式であるためこれとは違うものを建てても平気であること、世の中の建物はほとんど確認申請どうりには建っておらず違うものを建ててもチェックされることはないと豪語していました。その時は確認申請書のコピーをもらうのを忘れて帰ってしまいましたが、その際着工の話しは全くでませんでした。まだ図面上位置の確認や間取りの詳細が詰めてなかったので、これからも打ち合わせが何度か続くものと思っておりました。

ところが11月5日に仕事から夜自宅に戻ってみたところ隣接の宅地にいきなり杭打ち掘削などの基礎工事が全く予告なく始まっており、着工については全く一言も聞いていないため、業者に工事の中止を申し入れました。老人のための家ですのに地鎮祭や縄はりなども一切やっていません。翌日業者が言うには着工すると言ってあると(まったく聞いていません)、地鎮祭など基礎が終わってからできるだろうと、さらに着工の開始はだれが決めるのかを問うたところ自分たち業者だとの答えでした。まだ設計承認をしておらず最終図面もできてないため着工などもっての他だと言うと、最終図面など存在しないし、では設計の変更(設計の詳細については特に何回までなどと取り決めはありません)をするのかと逆に怒った口調で言われました。また確認申請のコピー要求したところ、驚いたことに建築主は私ではなく工務店になっており建売住宅の確認申請書でした。どうりで委任状も取りに来ないしいろんな疑問が少し解けた気がします。現在勝手に始めた基礎工事はここ2週間中断しています。 

[業者の見解] 
何事も、普通はこうですとの言い方で押し切る傾向にあります。最終図面もまだで設計承認していないとの当方の言い分に対し、2週間も前に図面の訂正を指示したCAD図面を持参しましたが、訂正が不完全で間違いがたくさんあり、とても最終図面などとは言えず設計承認などできそうにありません。工事を勝手に着工したことに対しては、確認申請は出してあるから当然とのことで、当方にも着工すると言ったと言い張りますが全く聞いておりません。確認申請書の建築主が工務店になっており建売で申請されていたこと、建売住宅売買契約などしていない、契約が違うと言う当方の言い分に対しては解答なしです。当初なんでこんなことにクレームが出るんだと少しけげんそうでしたので、いつもこのやり方でやってきて登記の際に名義を私にすれば特に問題ないと考えていたようです。

[相談内容]  
業者に対する信頼の回復は望めませんが、母の住む予定の隣家でもありこのまま業者の出方をみていろいろと訂正しながら続行を考えていますが、場合によっては契約の業者による義務不履行に当たれば契約の解除も考えております。できれば話し合いにより穏便に話しを進めたいと考えています。まず確認申請は変更という形で私を建築主として出し直してもらったほうがよろしいでしょうか?

これから建築が進めば見ても素人にはどんどんわからないことが増えてきますが、こういった業者が相手の場合監理に第三者として友人の建築士や別の監理会社の方を要請しに入っていただくことも考えていますが、それについてはいかがでしょうか?
またこのような売り建ての世界ではきちんとした最終図面や設計の承認などは存在しないのでしょうか?

またこれ以上業者に対する信頼がさらに落ちていった場合、上記の契約を業者の義務不履行として解除を申し入れることが可能でしょうか?
もしそこまでいった場合簡易裁判所の調停もやむを得ないと思っています。お忙しいところ恐縮ですが、先生方のご意見をお聞かせ願えましたら幸いです。
 yorozuの感想 親身なご相談内容に感嘆しきりです。早くにこのHPをみつけていればよかったと思います。
アドバイザー 
新垣 正清 解説員の新垣です。  

ご相談の件ですが、結論から言って、契約関係が成立しているとも思えないし、このような業者と発注者の関係が今後改善するとも思えない。現場監理に第三者を採用したとしても、大方の場合、現場に常駐とはいかず、相手に受け入れようという気持ちがなければ、指導も困難であり、発注者の希望する建物を作り上げるのは期待できない。 

幸い、基礎工事の段階で工事が中止されているとのことでもあるし、業者には発注者の了解なしで工事を開始したものであれば、建築工事契約を解除し、無償で現状復帰させることも可能と思われます。条件にかなった土地とのことですが、あせらず探せば土地は見つかるものです。このような法を無視し強引な販売方法をとる業者にはかかわらないのが一番です。早めに、弁護士にご相談されることをお勧めします。
 コメンテーター 
藤井 修 建築条件付きの宅地販売の実態は建売住宅と同じで、いくら自由設計だと言っても 決まった間取り、仕様から大きく変わることはありません。 自分の思い通りの住宅を建てるには無理があるようです。 誠意の無い業者に対してはどこで折り合いを付けるかは難しい判断になります。 

契約に関しては、宅地の売買契約と、その工務店と建築工事請負契約をしたが 確認申請書の建築主は工務店になっており建売住宅の様式になているあたりで、建築工事請負契約の解除などの見直しが出来るかもしれません。
 事務局から 
  荻原 幸雄 条件付でも設計が確認できないで請負契約を結ぶのは無謀なことです。
しかし、このような不動産業者が多いのが実態です。
宅地建物取引業者の質を高めていただきたいものですね。
少ないですが、まじめに誠意を持って対応している業者がこのような目で見られるのが悔しいくらい多いという事実はこのような場で公開していかないといけませんね。

さて、この業者は工事請負契約を結びながら、確認申請の建築主は業者名であったことはとんでもないことです。
また、確認申請と違った建物を建てるという無法的な発言にはこの業者のレベルが低いことに他なりません。ましてや工事着工も知らせないとはとんでもない業者です。
このようなレベルは第三者監理を入れても無駄でしょう。監理者の指示に従うというモラルが欠けているからです。

お隣という絶好機の土地だとは思いますが、契約解除が最善の選択しのように思えます。

解除まえに努力してみる点は、
設計図が作成できていない点、確認申請がその図面の基に提出し直すこと、設計監理は第三者の建築士に依頼すること。その上で基礎工事解体撤去を依頼し、それが飲み込めてもらえるならば解除よりも一から出直すことも可能です。
先ずは、その交渉から初めてみてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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