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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0953 中古住宅を購入しましたが、あちこち欠陥だらけ

 相談概要 [氏名] T,T
[相談内容:] その他
[居住住所] 大阪府枚方市
[相談建物所在地] 大阪府枚方市
[職業] 自営業
[年齢] 38
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦  2004年 8月 26日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 81.14
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 1780
[設計監理料] 0
[様態] 建売り住宅
[施工者] −
[設計者を選んだのは] −
[監理者を選んだのは] −
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[確認申請の為の委任しましたか?] -
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[設計図面は何枚もらいましたか?]
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?]
[床面積] 90m2以下
[施工者名]
[販売会社名] F株式会社S
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [現象]
中古住宅(店舗つき住宅)を購入しましたが、あちこち欠陥だらけで困っています。

@浴室周りのシロアリ被害・洗面所の床もブカブカしている(洗面所の床に関しては購入前に確認済み)
A雨漏り

デジカメを持っておりませんので、写真を添付することが出来ませんでした。申し訳ありません。

[業者の見解]
@水周り隣室のフローリング工事を売主が施工したらしく、購入前に「シロアリの被害はなかった」ときいておりましたのに、柱はほとんどスカスカ状態でしたので、物件購入の不動産業者に相談し、業者を紹介して いただき点検をしたところ
 「現在シロアリはいないが、数本の柱に被害が見られる。洗面所・浴室・トイレ・水周りの隣室のみ売主の負担でシロアリ駆除を要する」と言われました。

 他の部分は、私の方の負担でシロアリ駆除をしたほうが良いと言われており、その費用は6万円と言われています。
 部分的なシロアリ駆除では、まったく保障がきかず、全体のシロアリ駆除をした時のみ5年の保障がつくとのことでした。

 浴室も使用していないということでしたが、浴槽周囲のコーキングは転居後2〜3回の入浴で剥がれ落ち、浴槽にお湯を張るとミシミシ音を立てます。
 湯沸かし器もかなり古い状態で元コックを手前に引っ張るとガス漏れが起こります。
 危険ですので、浴室のリフォームもシロアリ駆除と並行して行いたいと思っています。

A先日、階段部分に雨漏りを発見し、翌日屋根裏に上がってみたところ、別の箇所に洗面器が放置してあり水が溜まっておりました。
 階段下にまで水がしみており、階段下の物置にはカビが生えていました。
 それだけでなく屋根裏にはあちこちに雨漏りのシミがあり、外の光がプラネタリウムのようにあちこち差し込んでいて防水シートはあちこち破損が見られ、屋根裏側から直接瓦に触れることが可能な状態になっています。

 即、物件購入の不動産業者に相談したところ、売主が「以前雨漏りの際、頼んだ業者の保障の問題もあるので、その業者に見に行かせる」とのことで、見に来ていただきましたが、屋根裏はほとんど見ずに屋根の上に登っての点検をしていましたが、その場でポラロイドを見せていただくこともなく屋根に上がらせてももらえませんでした。
 約1週間後に見積もりを出すとのことです。
 以前、引っ越し前に住んでいた家の屋根工事をするにあたって、実際私が屋根に登らせていただき現状を把握したことやその場でのポラロイド撮影写真を見せていただきながらの説明でしたので、納得がいきましたが、今回の場合納得できません。

 売主側の業者が信頼できず(名刺も不動産業者が受け取りもらえなかった)引っ越し前の家の屋根工事を施工していただいた業者(T社)に連絡を取ると、屋根の瓦自体は綺麗だが、屋根裏の状態が最悪で防水シートの破損がひどいため、防水シートの交換とふき替え(瓦を一旦降ろして下地をやり直してもう一度瓦をのせると高価になるとのこと)を提案されました。
 
[相談内容]
@売主はこの家で生活をしてはおらず、事務所として使用しており気がつかなかったといいますが、事実隠蔽ということにはならないのでしょうか?
 部分的なシロアリ駆除では、保障がきかないものなんでしょうか?
 売主の負担は、部分的なものでよいのでしょうか?
 浴室のリフォーム時、現在コーキングが剥がれていて、シロアリの被害の可能性のある浴室内の柱の点検補修費(浴室の壁を壊さないと確認できないのでその工事費)は売主の負担にはならないのでしょうか?
 
A見積もりはまだ出ていませんが、売主が設計事務所を営んでいること、水周り隣室を含む数箇所のリフォーム部分のずさんな工事などを見ていると、今回も簡単な部分工事で済まされるのではないかと不安です。
 できればこの家で、長く住みたいと思っていることもあって何度も雨漏り工事をしたくはないと考えているので、どうすればいいでしょうか?
 また、T社と一緒に屋根裏を見た時、柱などにもひび割れや隙間が多数あり(宙に浮いたツカもあり)耐震面でもかなり問題があるとのことでした。 
 どこまでが売主の負担で補修していただけるのでしょうか?(TωT)
 yorozuの感想 今回、本当に困っています。
母子家庭ですので、購入価格はかなり無理をした状況です。それなのにこんな欠陥住宅だったなんてとてもショックでした。
相談するにもどこに相談したらよいかわからず途方にくれておりましたが、「建築よろず相談」を見つけることができ、とても嬉しく思っております。
これからもぜひ続けていっていただきたいHPであり、紹介するに値するHPだと思っています。
無料で相談にのっていただけるのは本当に有難い事だと思います。
アドバイザー 
長谷川 明弘 まずは、購入された時の契約書と保証書等をご確認ください。中古住宅に対してどのような保証がされているのかが確認されなければ相手に対して、修理の要求を出すにも裏付けになるものがないのでは、要求が通りづらくなると思われます。

よく中古住宅の売買の時に、土地だけの価値で販売しているので、建物には全く保証がないと言うパターンが見受けられますので、契約書、保証書関係はしっかりご確認ください。

 後、色んな欠陥があるようなので、元々の売り主側に調査や修理を依頼しても、出来るだけ金額がかからないように売り主側の有利な方向へ持って行こうとするのは当然のことだと思いますので、第三者の建築士に調査を依頼し、平等な立場で現状を調査してもらい、T.Tさんが状況を把握することをお薦めします。それからどのような状況で改善して行かれるのかをご検討されてはいかがでしょうか?

 このまま放っておくと、建物自体もどんどん悪くなりますし、少しでも早く取り返しのつかないことにならないように対応されることをお薦めします。
清水 煬二 不誠実な売主と仲介業者のような気がします。
売主は、建築の設計事務所ということでしょうか?

しかしながら最初にお伝えしておきたいのは、いつ建てたかもわからない古い?中古住宅を購入するにあたり、みなさんあまりに簡単に購入しすぎです。

なぜ購入前に床下や小屋裏を見るくらいのことをしないのか、素人でわからないというなら、なぜ第三者の専門家に観てもらわないのか残念で仕方がありません。
ご指摘の内容は、少し調べれば簡単にわかったはずです。

建物を紹介するだけで、今回何の役にも立たない仲介業者には3%以上もの支払いを何の疑問ももたず行いながら、ご自身の財産を守ってくれるはずの第三者検査への僅かな費用と手間を惜しむ気持ちがわかりません。

新築時などに工事を行っていない第三者としての設計や監理の必要性を建築よろず相談では知って頂きたいわけですが、新築、特に中古購入時には、やはり第三者の専門家に見てもらえば、
今回の内容もTVなどに出てくるひどい内容の瑕疵も事前にわかったはずです。契約前なら簡単だったのにという相談が多すぎます。

さて、今回購入にあたりこの建物に関してどのような契約だったのでしょうか?

もしかして、「古家あり」で、建物の価値はなく、解体費用の分を土地代から差し引いた価格というような内容での購入ではありませんよね。
文面からするとそうではないような気がしますが、念のため。

万一そうであれば、売主の不誠実な態度もわかるような気がしますが、文面からすると、シロアリの被害も雨漏りも知っていたうえで隠していた可能性が非常に高く、売主の言葉を信じて購入したあなたは、どうどうと手直しを主張すべきです。

瑕疵保証の期間は引渡しからいつまでとなっていますか?
今回の雨漏れやシロアリは文面からすると瑕疵になるはずです。
小屋裏などの構造も瑕疵の対象になります。

大手の仲介業者であれば、この瑕疵を保証してくれるところもありますが、今回はなさそうですね。売主が不動産業者であれば、瑕疵保証の期間は長くなりますが、そうでなければ保証期間が短いので、至急現状の瑕疵を書面で手直し要求をしておいて下さい。

屋根裏の写真、特に洗面器があって水が溜まっているところなどはご自身でも撮れるなら、デジカメではなく、フィルムカメラ、使い捨てカメラでもOKですから日付入りで撮っておいて下さい。

また、具体的な内容を第三者の専門家に検査してもらい現状の報告書を作成してもらって、先方に手直し要求すべきです。

T社には屋根の手直し工事の内容と見積もりをもらって、その内容で工事を行うことを要求してみてください。それが通るかどうかは、話し合い次第ですが、こちらから具体的に突きつけていかないと先方の曖昧な対応で終わってしまい後悔だけが残ります。

シロアリについてですが、現在本当にいなければ、シロアリの駆除工事を以前フローリング工事のときに気づいて行ったかもしれません。それであれば、わざわざもうしなくても良いかもしれませんが、シロアリの工事を住まいながらなさるときには、少なくとも工事の時間帯は家にいないようにしておいた方が健康上良いかと思います。もちろん、貴重品などの管理は忘れないで下さい。
工事後は、臭いが無くなるまでは、毎日換気に気をつけて生活してください。

6万円分のシロアリ工事費用を負担すべきかどうかですが、瑕疵としてのシロアリ被害が存在していた。しかも、フローリング工事のときに気づいていてもおかしくない。こんなことなら購入はしなかった。保証を受けるには全部工事をしないといけないが、その分の費用は当然負担して欲しい。そうでなければ、この家の契約は無効だから全額返せくらいのことを口頭で仲介業者に言ってみてください。仲介業者がその程度の費用は負担しても良いはずです。

大変だと思いますが、がんばってください。
 津村 泰夫 津村解説委員

長谷川解説員、清水解説員の説明で十分だと思いますが、たまたま枚方市内で改修工事の監理をしておりますのでひとこと。

 築年数がわかりませんが、売買契約書にはどのように書かれていますか、契約時に重要事項説明書を読み上げて説明をしてもらったと思いますが、瑕疵についてはどのように書かれていたのでしょう。契約の形態は中古住宅の売買でしょうか、それとも土地の売買で古家付きというものでしょうか。古家付き土地売買で、古家は現状有姿であっても雨漏れがない場合は雨漏れに関しては3ヶ月の保証を求めることが一般的です。

 賃貸住宅ですと入居時にはすぐに住めるように管理されておりますが、中古住宅を購入された場合には、すぐにそのまま住めるというケースはほとんど無いと思います。特に現状有姿としている場合には現況をよく調査し、具合の悪いところを確認し、場合によっては売り主に負担を要求し、価格交渉します。住める状態にリフォームするための費用もあらかじめ見積をとっておくのが普通でしょう。

 ただこれからのすすめ方としては清水解説員が述べられたように、できる限りの保証を求めていくのがよいと思いのではないでしょうか。 
 コメンテーター 
関口 啓介 各解説委員が言われる通り、契約内容の確認から進めて下さい。シロアリ駆除及び防蟻は、一部分だけではその場から逃げて別の場所に移動するだけですので、保証はできないと思われます。その性質からも蟻害のあったところだけ売主がするのではなく、全体の駆除及び防蟻をして頂くべきと考えます。売主が設計事務所であるならばなお更でしょう。

雨漏り箇所に洗面器が置いてあったと言う事は、雨漏りの認識があったと思われます。瑕疵担保責任及び保証項目を確認の上、交渉を進めて下さい。
清水解説委員が言われる通り、契約前に第三者の検査を受けられると良かったと思います。今からでも、きちんと調査するべきなのかもしれません。
 事務局から 
  荻原 幸雄 新築よりも中古住宅は購入には慎重であるべきだと思っております。
何故なら、中古の場合は『欠陥住宅』も多く存在するからです。

欠陥の建物の場合は売主が倒産したり、逃げたりする場合もあり、また、訴訟には多額の費用と期間が必要で、その状況から脱する為に、道徳観を捨てても瑕疵や欠陥を隠し(通常は気が付かなかった。知らなかった。瑕疵、欠陥とは思わなかった。などの言い訳をします。)

また、仲介業者の一部にはこれらを調べる業務があるのですが、それもしない場合も多々見受けられます。業務といっても自ら調べることはせず(瑕疵や欠陥を指摘した場合は業務にならないという事情もあるのでしょうが・・・)物件状況等報告書を売主に記載させてそれを確認もしないで、仲介することは多くあります。(確認しないのは先程の理由で報告書を記載させるのは責任が売主にあるという証拠にもなります。

勿論、誠実な仲介業者はこの物件状況等報告書記載以外に調べて、それ以外に問題がある場合はこの書類に売主に記載させておりますが、そのような業者に比率は決して高くないのではないか?と感じております。

さて、ここでは物件状況等報告書は記載されていないようですので、売主も仲介業者も問題があります。告知義務違反である可能性が高いと思われます。

物件状況等報告書には雨漏り、シロアリの害、腐蝕、建物の傾き、火災等の被害、給排水設備の故障、配管等の状況、地盤の沈下、敷地内残存物等が告知されております。

中古を購入するときは必ず第三者の建築士に調査を依頼して欲しいものです。

このような状況の中では第三者の建築士と弁護士と今後を協議したほうが得策です。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
 その後  ご無沙汰しております。
11月2日にメールを頂いておりましたのに、お返事が遅くなり、申し訳ありませんでした。

各解説委員の方のご意見を拝見し、まず自分が一番反省せねばならないのだと思いました。
欠陥のある中古住宅を安易に購入してしまった自分のミスでもあるからです。
売主とは、今回の売買契約以前から、少しお付き合いがありましたので、売主の言葉を安易に信用しすぎておりましたことを反省しております。

その後、購入時の契約書を再三読み直し、仲介業者・売主・各業者(シロアリ業者・屋根工事業者・仲介業者紹介のリフォーム業者)とよく話し合いました。

契約書の内容には、シロアリ・雨漏り・配水管の詰まりのみに関して、瑕疵担保責任があるとされており、各業者の見解を参考にそれぞれの負担額を決定いたしました。

シロアリに関しては、業者の見解により水周りのみ売主負担ということになりましたが、それでは全く保証がつかないそうで・・・。
業者が見つけきらなかった部分にも、私自身家のあちこちを解体し、シロアリを発見したのですが、駆除の対象ではない程度の被害と言うことで、売主負担にするのは難しいと言われましたので、水周り以外のところは私の負担で駆除していただくこととなりました。6万円です。補償は5年間つきました。
偶然、シロアリ業者の方の一人が、私の店のお客様の息子さんであったこともあり、年に何度か様子を見に来ていただけることになりました。

浴室の方は、瑕疵担保責任の範囲以外だったので、私の負担で仲介業者紹介の建築業者にリフォームをお願いいたしました。100万円強。
他社でも数社見積もりを取りましたが、この物件を紹介した仲介業者の紹介の業者を使うことで、仲介業者もいくらかリベートを取るはずですし・・・と思い、その中からテレビのアンテナを立ててもらうことにしました。仲介業者負担6万円強(アンテナがなくテレビの端子がなかったので)
今後、以前住んでいた家を売るに際し、仲介をお願いしてることもあり、売り物件の内装も仲介業者負担で少し直していただけることになりました。現在はまだ施工しておりませんが・・・。

雨漏りに関しては、屋根の一部のみの補修が売主負担となっておりましたが、この補修でもまた保証がつきませんし、ボロボロの防水紙もそのままの状態になってしまうので、結局、瓦屋根からカラーベストに、防水も1からやり直すことになりました。売主は25万円私は45万円の負担です。

結局、自分の反省ということもあり、リフォームにはかなりお金がかかりましたが、部分的なリフォームで全く保証がつかないよりも、屋根・浴室・シロアリ駆除のように完全なリフォームで保証のつく方が得策だと思い、自分でできるところはコツコツ自分でリフォームしながら・・・と言う現状です。
カビの生えていた階段下の部分も、自分で壁を取り払い階段も作り直そうと考えています。

屋根裏の柱が、耐震性に欠けると言われておりますが、もうこれ以上お金はかけられませんし、この家にはまだ愛着もわきませんので、倒壊した時は倒壊した時とややあきらめの気持ちも強いことは事実です。
今後は、ヒビだらけで水の染みてくる外壁を塗っていかねばなりませんが、これも瑕疵担保責任以外ですので、何とか自分で頑張って塗っていこうと思っています。

運営事務局の荻原様、解説委員の長谷川様、清水様、津村様、コメンテータ関口様には、貴重なご意見を頂きありがとうございました。
頂いたメールは保存し、自分でリフォームする時の励みにしていきたいと思っています。

ありがとうございました。
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