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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0945 地盤調査の結果を見せてもらえない。

 相談概要 [氏名] K.J
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[居住住所] 千葉県松戸市
[相談建物所在地] 千葉県松戸市
[職業] 車販売
[年齢] 28
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦   2005 年  1月30  日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 97
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 2390
[設計監理料] 0
[様態] 建売り住宅
[施工者] 地場大手ハウスメーカー;地域的な大手産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 2
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[施工者名] A
[販売会社名] A
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [現象]
1・現場は江戸川のすぐ横で元田んぼの土地なのだが、 「SS方式で調査している、ここはそんなに軟弱じゃないから地盤改良もしないで大丈夫だ」との説明だけで地盤調査の結果を見せてもらえない。
重要説明のときに地盤や、欠陥住宅などを心配している
と話をしたら建築士の機嫌が突然悪くなり険悪ムードに。「うちは一部上場するのでヘタな事は出来ない。建直しをするほうがお金がかかるので大丈夫だ、信用してもらわないとこまる」の一点張りだった。
また、住宅保証制度も自社ブランドの保証があるので付けないとの事。
また、書類に基礎の図面だけ抜けている。

2・うちと隣の分譲地とを2人の職人で交互に進めている為か基礎工事が遅れ気味。
3・基礎に気泡が多くアンカーが一箇所端に寄りすぎている。
4・土台の木を折っかいてしまっている

[業者の見解]
1についてはもし万が一不同沈下してもきちんと保証されます、信用してくださいとのこと。
2今年中に引き渡せると思いますので心配ありません
3許容範囲内です
4本日仕事帰りに現場を見たのでまだ聞いておりません

[相談内容]
江戸川という大きな川のすぐ傍なのに地盤改良の必要が本当になくていいのか?
偏ったアンカーは本当に許容範囲なのか?
土台の木は折れたままでいいのか?また補修するならどのような補修をするのか?

宜しくお願いいたします。






 yorozuの感想 第3者への相談HPはたくさんあるけれど、多人数の専門家が集まっているサイトはココだけです。
また地元の相談機関(こういうようなHPを掲げている建築士の所)はメーカーと若干の癒着?があるらしく協力(返答があいまいだったり他の第3機関に頼んでくれ等)してもらえないので。
最後の砦です。
アドバイザー 
清水 煬二 解説員の清水です。

数年前に建てたケースですが、地盤のトラブルで、大手ハウスメーカーでも逃げていた相談がありました。現在は、必ず地盤調査を行うのが普通ですし、第三者機関の地盤保証をつけることも可能になりました。地盤の第三者保証は、構造体や雨漏れの保証とは完全に別口になります。この場合は、事前に地盤調査のデーターを提出して、地盤改良が必要かどうかを含めて審査してもらうことが必要で費用も掛かります。地盤が良ければ第三者機関の保証が無くても良いと思いますが、必ず地盤調査はすべきですし、購入者がそのデーターを見せてもらう権利は当然あるはずです。実際に地盤調査をしていて、データー公開を拒否されたという話は、初めて聞きました。

本当にデーター的に大丈夫だとしても、業者のコメントはかなり不誠実に思えます。
今後も何かあるごとにそういう態度に出る可能性が高いでしょう。もう契約はされたのでしょうか?もし、まだで、どうしても見せてくれないというなら、そういう業者とは契約しない方が良いと私ならアドバイスします。既に契約したのであれば、「購入する土地と建物についてどういうものか知っておきたいし保存しておきたいので 調査をされたのならコピーを頂いても良いはずです。なぜもらえないのでしょうか?」と担当者の上司にでも電話か書面で問い合わせてみてはいかがでしょうか?アン
カーボルトが1箇所端しに寄り過ぎているというのは、問題のない場合もありますが、問題があれば、ケミカルアンカーを使用して打ち直してもらうことになります。
土台の欠け?でしょうか。これも程度と場所によりますが、いずれにしても地盤が良好かどうかという問題の方が、はるかに重要です。
畔上 廣司 江戸川沿い野田市在住の畔上です。

お応えします。
この建設業者の建物をチェックしたことがありますので。

まず、
この地域周辺は地盤改良工事を伴なったベタ基礎の建売住宅が多いところですね。
ご相談の建物所在地は地盤データを必要とする地域であると思われます。

1.江戸川という大きな川のすぐ傍なのに地盤改良の必要が本当になくていいのか?
  
この業者はスウェーデン式サウンディング試験(SS試験)を行なった結果の建物であるとお話ししているようですが、多分、調査内容に関して施工上の対応が適切でない可能性も考えられます。この業者は今まで性能保証制度を常時利用している会社ですが、何らかの理由で敢えて制度を利用しなかった可能性がありますね。
この地域は簡易的な地盤調査が最低限必要な軟弱地盤系統の地層地域であると推察されますが、造成が新しい場合、切り土盛り土の確認、周辺の道路や建物・囲障物これ等の確認チェックも大切です。
なお、分譲規模は分かりませんが、必ず数ヶ所かの地盤調査書類はあると思います。

かといって、大きな川が直ぐ傍だからといって地盤が悪いと決め付けることもできません。我が家も江戸川河川敷より300mほど離れた場所ですが、丈夫なローム層が確認できる場所になっていますので。このようなケースもお考えください。

2.偏ったアンカーは本当に許容範囲なのか?
 土台の木は折れたままでいいのか?また補修するならどのような補修をするのか?

芯ズレアンカーは鉄筋屋さんの組立て方や配置の仕方不手際もさることながら現場の管理、工事監理不足などによって生じることがあります。
すみ柱、管柱、耐力壁で、どの土台位置で芯ズレしているかによって重要性は変わります。さらに、土台材料の品質と基礎緊結との許容範囲に不備があるかどうかは状況を見ないことには判断できません。
以前はケミカルアンカーで補強指示したこともありますが、コンクリート立上り巾120mmの薄巾基礎で、よい結果は得られませんでした。耐力壁付き柱のアンカーでない場 合、また、MSダイライト構法でアンカーピッチが2m以内であれば等々、不都合部位によって補強の重要性について判断されます。

何れにしろ、納得のいくまで話し合い説明を受けることです。現場責任者で対応不能と思われるならば、営業責任者或いは最高責任者に強く問い合わせ異議を申し出ることです。それでもという場合ははじめて、信頼ある第三者の建築士に相談のうえ、協力していただくことでしょうか。頑張ってください。
 コメンテーター 
新垣 正清  地盤調査の結果を見せてもらえないなんて、上場を狙う業者のやることとは思えない。信用できる業者とは考えにくいですね。
 事務局から 
  荻原 幸雄 川の近くでの軟弱地盤の可能性は7割程度は可能性があると思いますが、100%でもありません。蛇行した川の氾濫した場所側は軟弱になります。
過去に何度も氾濫している地盤は要注意です。また、だから言って断言できない場合もあります。高台で氾濫から免れる場所もあり、そこは関東ローム層であるからです。

ですから、SS試験がこのような場所は必須といえます。
その試験結果を見せないのは販売会社として大変不誠実と思われます。
そんな大切なことに説明責任を果たせないのは信頼に足る業者とは思えません。
このような業者とは契約しないことが一番です。

アンカーボルトはここ一箇所だけなら許容範囲としたほうがいいと思います。
わたしが監理した現場は事前に配置を検査しますので、このようなことは起きないのですが、 監理がしっかりされていなかったということになります。
しかし、ここだけならばケミカルアンカーはなるべく避けた方がいいでしょう。
ケミカルは本来は補強など既存に対して使うもので、新築で使うのは手術に失敗してその補修ということなので余り、いいことではありません。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 こんにちは、Kと申します。

こんなにもたくさんのアドバイスをいただけた事感謝いたします。
本当にこれでよいのか?と答えが見つからず、悶々としていました。
ですがご回答を頂き、不明な点はハッキリさせようと決心いたしました。

清水様の言われるとおり、自分の購入する土地がどういうものか知っておきたいですし私達も気になります。
既に契約は済ませてしまっているので来月本ローンの申し込みで呼ばれる予定です。
その時に担当者に聞こうと思います。

畔上様のおっしゃるとおり、建築士の方は「江戸川河川敷より300mほど離れた場所ですが、丈夫なローム層が確認できる場所になっていますので」という事を知っていて必要ない、と言ったのかもしれません。
・・・そうだといいのですが(苦笑)くいを打ったりなどの地盤改良を行ったのかどうか、あわせてもう一度聞きたいと思います。

曲がったアンカーは家の内部に来る部分なのでそんなに重要度の高い場所ではないのかもしれません。
欠けた土台は建物の端、(多分大切な部分かとは思うのですが・・・)の一箇所です。

その後仕事帰りに見に行くと欠けた部分が拾われて釘で打たれてありました。画像添付しておきます。

また来月、進展がありましたらご報告したいと思います。
この度は本当に有難う御座いました。
 その後  
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