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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0932 設計図もない状態で進めている建築は違法か?

 相談概要 [氏名] S.M
[相談内容:] その他
[居住住所] 宮城県仙台市青葉区
[相談建物所在地] 宮城県本吉郡
[職業] 公務員
[年齢] 32
[女性] on
[構造] 木造(その他)
[引渡し年月日] 西暦2004年9月13日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 55
[工事請負金額] 2200
[設計監理料] 37
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 1
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[床面積] −
[施工者名] HT
[販売会社名]
[設計者名] TA
[監理者名] HT
 相談内容 [現象]
現在建築途中であるが確認申請書に載っている平面図しかなく施工者はその平面図すら見ずずさんな建築をしている状況。

申請書の説明もいっさいなく印鑑を要求されたのみ。サッシの寸法が全然合わず希望の大きさの窓になっておらず合計6本の柱に6カ所の傷が付く状態。今日も階段の作成段階で希望の寸法にならず、全くちがう設計図もない状態で施工者の頭の中だけで建築しているような状態です。

設計士と打ち合わせ相談したいと何度も申し立てるが忙しいからと言うばかりで全く合わせてもらえず柱に傷が付いた段階で打ち合わせも何の説明もされないことからこういう事が起きたんだと強く言い管轄である土木事務所から設計士に電話を入れて貰いやっと10日くらいしてから家にきたが、ことは良くなる状態ではなく全くとして同じ状態が続く。

基礎の図面や仕上げ表もなくどういう事かの説明も私は施工者に依頼された内容でやっているといい放つ。基礎図面は作成するよう要求し作成するとのことだが全くインチキなことばかりやられる状態が続くため相談します。家は早く完成させたいがこのような状態で続けるのはとても心労にもなり大変です。

[業者の見解]
書類の不備や説明不足からこのような状態になったと一筆書くように要求するが全く頑として書かない。施工者も設計士もかなりいい加減にずさんしており長年のつきあいがあるようで2者間で相談し適当に事を済まそうとしている。

また、これ以上何かすれば工事も進まずストップかければ遅れるなど、こちらがきにしていることを餌にし脅しのような言い方もされた。施工者は手抜きはいっさいしないと言いながらも全く当てにならない設計図すらも見ずに頭の中だけで勝手に家を建てている状態です。

[相談内容]
家は早く完成させたいがこのような状態で続けるのはとても心労にもなり大変です。かといって県の建築士会に相談しても親身の相談にはなってくれず、途中までやっていることを引き受けるのはどこも嫌がるんだよねと濁りの返答でたった一回建築士重点検査をするだけで10万近い費用がかかるという。

それよりも依頼したそのインチキ工務店と設計士を変更し早く安心した暮らしができるようになりたいのです。そういう場合費用はかかるのでしょうか?また設計図もない状態で進めている建築は違法にならないのか?こういう状態での国や県からのバックアップフォローは高額でしかないのでしょうか?確認申請書に印鑑を要求されただけで何の説明もない設計士に問題はないのか?

母が主体となり進めておりそういった面でも施工者の悪質さが見えます。現段階でも弁護士に依頼をする事も考えているのですが費用もかさむし家ができなければ何より安心できません。どうしたら良いでしょうか?
 yorozuの感想 ページは検索しやすく良かったと思います。じゅうぶんな回答が得られることを期待します。
アドバイザー 
星 裕之 解説員のほしです。

55坪2200万円、坪40万円ですか?ずいぶん安い金額で施工してくれているのですね。書類の不備や説明不足とのことですが、坪単価や、大工さんに依頼しているというところを考慮するとこんなものではないのかなぁというのが個人的な感想です。

大工さんの場合、竣工までに仕様を上下させることで契約金額に納めようとするから、例えば床材・ドアの細かな仕様を明記しないのです。ハウスメーカーみたいにキチキチしない代わりに、上手い付き合い方をすれば十分お得になるはずです。

 細かい図面を作成せず、施主に直接会わず、打合せも行わないから設計費用が安く済んでいるのです。もし直接打ち合わせしたいのであれば、その費用を貴方が負担しなければなりません。基礎伏図の提出についても同様です。
施工者の大工さんはその業務は契約内容として想定していなかったはずです。また、設計者は貴方の代理人でなく大工さんが抱える職人のうちの一人なのです。大工さんと打合を行い、確認申請に必要な図面を書き、行政庁に申請図面を提出することが今回の業務になります。

 相場より安いといっても2千万を超える契約です。契約書・契約約款はありますか?そこにお互いに不信感が生まれた際の契約解除方法が明記されているはずです。確認してください。一般的には工事出来高に合わせた金額を精算し、契約解除となるはずです。
出来高の調査に関する第三者の費用は貴方の負担となると思います。調査に関しては、建築士の人件費を考慮すると一日5万円程度は仕方のない金額かと思います。調停立会い・報告書作成にはさらに費用が加算されるでしょう。

 また、確認申請を行っていますから、最低限の設計図書はあります。それに準じて施工が行われていれば建築基準法上充分適法です。また、建築基準法の範囲内で変更を行い、追加申請をだせば適法です。それは、竣工後に行政庁の完了検査(有料)を行えばわかります。

解決にあたり主な方法は二つです。
 ひとつめは、第三者の検査を行い工事が適正に進められているか判断していただく事。ただし、これは前述した日当・技術手当が必要で、貴方の負担になります。
契約内容・仕様が明確でない場合、基準法を遵守しているかどうかだけの検査となります。仕様もはっきり決めたいのであれば、図面再作成・再見積・再契約になるでしょう。

 ふたつめは、精算し契約解除とすること。次の施工者はなかなかみつからないと思います。
金額もあがるでしょうし、次の施工者も充分な対応ができるとは限りません。次の施工者選定の際には、貴方の代理人になる設計監理者を必ずつけてください。そうすれば同様のトラブルは防げます。

どちらにしてもそれ相応の費用はかかります。
必要な費用はしっかり捻出してください。
善養寺 幸子 そもそもの進め方が間違っていましたね。安物買いの銭失いとなろうとしているところでしょうか。55坪で2200万円と言うのは地域差考慮しても、その建築工事費は極端に安い。良いサービスを施される金額とは思えません。確かに確認申請図も見ないのはずさんですが、安すぎて注文など聞いていられないと言うところではないでしょうか。

設計監理費と思われているものに至っては、確認代行費用と言って、それは設計監理費ではなく、役所に建築のための申請書類を作るだけの代行費用で、設計監理をして貰うには金額の桁が一桁違います。ですから、確認代行費用で設計を行って貰うことは出来ないでしょう。設計者が話を聞けないのはそのためです。

 本当の設計をして建築をしたいのなら、設計費を用意しなくてはなりません。
 現場をチェックして貰いたいのなら、監理費用を払わなくてはなりません。
 今の段階では、その業務を要求する費用を支払っていないのだから、それを求めることが出来ないのは当然の事です。

 知らなかったから仕方ないことかも知れませんが、サービスを受けるには、それ相当の対価を支払わなければ得ることは出来ないのです。
 今の業者さんを切ったとしても、対価を支払わなければ結果はそう変わりません。
 いずれにせよ、注文を聞いて貰い図面に反映させるという本来の設計業務を望み、それを現場でちゃんと作らせると言う監理業務を望むのであれば、工事費の10〜20%(設計事務所によって多少異なる)の費用を用意し、設計監理業務を設計事務所に委託しなければなりません。

 この業者を切ることで今以上の金が掛かると勘違いしないでください。本来支払うべき費用を支払っていないから、望むサービスを受けられないのです。今度は掛けるものを掛けて仕切り直してみてはいかがでしょうか。希望を聞いてもらえるという意味では損はないと思います。
 コメンテーター 
樽 一弥 随分、厳しい解説がでましたね。
SMさんにとっては思い当たることもあるでしょうか?耳の痛い解説でした。
さて、坪いくらということで良く工事費の算段をすることが施主も請負業者もします。ところがお互いの価格と品質の捉え方が違うために今回のような問題になります。施主の安く建てたいと言う事と希望は必ずしも一致しません。それは一つにはお互いの説明不足でしょう。一般に説明(理解)を重ねれば、その分だけ満足度は高くなりますが、一方ではより詳細になり手間暇が嵩むことが多いわけで、施主とすれば手間=金をかけずに品質だけ希望通りにと淡い期待を抱くわけです。

勿論、SMさんには初めての経験で一概に責められるものではありませんが、淡い期待はお任せの上にたった期待値でもあります。
今となっては傷を付けるや打ち合わせと異なるサイズなど基本的な事は別としても、信用という丼勘定を見直し、所定の費用も負担する姿勢の中で、あなたの希望をしっかり伝えるべきでしょう。
人が創るもので信頼関係が無くなれば満足のいくものとはなりません。
それは他の方に代行されても、SMさんの理解の仕方が変わらなければ同じだと思います。
反証し敵対することではなくて、設計施工のいい面を探しながらなぜ希望に添えないのか?を話し合ってみて下さい。きっとお互いの落しどころが見つかるはずです。
 事務局から 
  荻原 幸雄 民間連合協定工事請負契約約款(旧四会連合協定約款)を契約時に使用すべきでした。
これは工事監理者が明確になり、建築基準法だけでなく民法上の責任も明確になるからです。また、これは監理者の指示なしに施工者は勝手に工事ができないようになっているもので、まともな設計事務所ならばこれを薦めるものです。

すべて人々が良心的ならばいいのですが、なかなか世の中そのような人だけではないので、そのような時に契約が重要になります。

さて、ご質問ですが、建築基準法は確認申請時に確認されていますが、変更していれば行政指導が入ります。当然、、対応しなければ違法として行政処分を受けることになりますが、問題は工事途中なので、放置もできませんし、つらいところですね。

確認申請図面は基準法をチェックするだけのしろものなので、実施設計図ではありません。
見積や現場ができる仕事を表すには実施設計料を支払って作成してもらうことになります。
これがないようですが、これ自体は基準法上は違法ではありませんが、民法上での契約違反の可能性はありますが、口頭だけだとその事実関係を明確にすることは難しいかもしれません。特に工事中でそんな時間もないでしょう。

立場としては大変不利な状況にあると思います。

本来は支払って間違いない家造りになるのですから、費用を払っても、建築士に設計や監理を依頼してみて納得できる家づくり目指してください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 ご返事有り難うございました。おかげさまで、工事は完成予定日より遅れましたが、無事に終わりました。また、今回の訂正ですが55坪ではなく43,7坪の誤りでした。この坪数が工事負債金額として妥当であるかどうか解りませんが、私も今回初めてのことで全く経験がないことや、知識がないことでどこを頼りに進めてよいものかが解らず、そちらにメールを送らせていただいたのですが、その後、自分でも本を買い勉強をしたり、現場に一日中居て疑問に思う点や一日の出来具合いなど、徹底的に納得いくまで話し合いを持つようにしたり、友人の父からアドバイスを貰いながら進めました。今回、皆さんには厳しい意見を頂きましたが、安物買いの銭失いまさに、あのままいけばその通りになりかねませんでしたが、幸いそれは免れたと思います。

 実際問題どうなのでしょうか?今回私が感じたことは、価値に見合う金額を充分支払ったしても、価値より少ない金額だったとしても大切な買い物は信頼の於けるクリアな人物より買えと言うことです。いくらお金を出したとしても信頼もできなければ技術も能力も無いのでは、価値に値しないということです。

今回ひとつ事例をあげれば24時間換気をつけなければならい意味を説明もせず付ければ22〜24万くらいはかかるだろうと言われほとんどの家はつけていない状況でここ2〜3年でできた法律で余り意味がない。お宅は公庫を使わないし付けなくても大丈夫。こんな調子で全て当初始まっていた状況です。こんな馬鹿な話ありますか?こんな話を60近くの田舎の専業主婦しか解らない人が聞いたら、じゃー付けなくてもよいと殆どが言うと思います。結局、それは完了検査を受けるという気が大工にはなく検査されればまずい展開になることを恐れてのことだったようです。調べてみると同じ町内でそこの工務店が建てた家では検査でひっかかり指導を受けたという事実がありした。

また、断熱材が入っていないような箇所があり開けてみるようこちら側が申し立てると、入っていますから大丈夫と言う。結果開けてみれば案の定、断熱材が入っていませんでした。入れるように言ったのにな〜・・・と、とぼける始末。階段を造るのに造れず4〜5日も材料と寸法計測で格闘したあげく、人ひとりがやっと通れる急斜面の崖か?というような階段を仕上げました。さすがにこの段階では私も呆れ怒るに怒れない状況でしたが、取り壊しをさせました。その後も造れずじまいで、結局よそから大工さんを呼んだらしくその大工さんは1週間ほどで階段を見事に仕上げていってくれました。他にも多々問題はもちろんありましたが、欠陥住宅には絶対させない!という思いと、もう騙されまいという思いとこれ以上馬鹿にされてなるものかという思いが、家族の団結力を強めなんとか乗り越えられたように思います。

筋交いやひうちも良かろうと思うところには入っていましたが、ただあの技術で造られた家はいったい何年持つのか???と思う節もあります。。。。。。今回の経験で厳しい状況でしたが、私自身の雑学も増えた感じです。何とか乗り越えたとは思いますが。。。。。いかがな見解でしょうか?

 今回みなさまのHPを活用することでどこにもぶつけようのない疑問や不安が軽減されました。お返事をいただけるとは思ってもいませんでしたので、感謝いたします。有り難うございました。
 その後  
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