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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0917 プランの進め方、合い見積もりのチェックは?

 相談概要 [氏名] T.N
[居住住所] 北海道苫小牧市
[相談建物予定地] 北海道苫小牧市
[職業] 主婦
[年齢] 26
[女性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦 2004   年  月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 50
[工事請負金額] 2500
[設計監理料] 検討中
[様態] 注文建築
 相談内容 [家づくりの相談内容]
基本的な相談で申し訳ないのですが、プランの進め方、また、合い見積もりのチェックの仕方についてご教授願いたいのです。
土地と現金があるのでローンを組まずに・・・と考えています。
なので予算は増額するつもりはありません。

現在3つの業者と打ち合わせしています。1つは小さい工務店(A工務店)、もうひとつは大きいものも手がける工務店(B工務店)、もうひとつは地元では名の知れているハウスメーカー(Cハウスメーカー)です。
(B工務店・Cハウスメーカーは、これから第一回目の間取りの提案をしてもらう段階です)
私は最初から合い見積もりをとるつもりでしたが、主人は「気に入ったところをひとつずつでいい!」と言っています。個人の考え方の違いかもしれませんが、私はひとつだけだと不安です。合い見積もりはとったほうがいいのでしょうか?

また、A工務店は規模が小さいので、私達の希望のデザインが不得意のような気がしてやめようと思っていますが、A工務店からの第一回目の間取り提案の際に、大体の見積もりも一緒に提示されました。
その後、Cハウスメーカーに聞いてみたところ、「見積もりは材料を選んでからなのでまだまだです」と言われました。
その間取りごとに多少の増減はあるとは思いますが、予算が決まっているのに、ハウスメーカーではそんなに時間の掛かるのが一般的なのでしょうか?また、それは有料の段階での話になりますか?

最後に、これから3社の見積もりが出ますが、見積もりを比べる際のチェックポイントなどありましたら是非教えていただきたいです。
ちなみにコストを抑えるために、部分的に施主支給でやっていきたいのですが、それによって手間賃が多くとられたりする危険もあるのでしょうか?

まだ家作りが始まったばかりです。どうかよろしくお願いします。
 yorozuの感想 トラブルの相談がたくさん載っていて、とても参考になります。
また、相談にのっていただく方も一人ではないので、考えが偏ることなく、信頼できます。
もっと早くに知っていれば・・・と思いました。
ただ、スクロールバーが白で使いにくいので変えて欲しいのと、相談概要などが見づらいので、考慮していただきたいと思いました。
アドバイザー 
津村 泰夫 大阪の津村と申します

 私たちのホームページでは、施主の立場に立った設計者が設計・工事監理をおこない、施主の意図する家づくりをしましょう。ということを説明しています。ただそのような設計者に巡り会うことが出来なく、設計施工ですすめざるを得ない場合でも設計と施工を区分してすすめられることをおすすめします。

 プランづくりはあなたの希望する間取りや仕上げ材料などを述べ、設計担当者に図面化してもらいます。仕上げ表や仕様書も書いてもらいましょう。そのなかに希望する使用材料や設備機器がもれなく記載されているか丹念にチェックします。その上でその図面や仕様書の内容を反映した見積書をもらいます。その見積書の金額でOKであれば請負契約をおこない、ただちに工事に取りかかることが出来るでしょう。

 しかしながら予算をオーバーしているようであれば、見積書の中から項目を削ったり、仕様を下げて安い材料を使ったりして予算内におさまる見積書にしていただき、それをもって請負契約となります。
 Cハウスが言うように「見積もりは材料を選んでからなのでまだまだです」と言うのは当然でしょう。図面をチェックしたり、見積書を見るのは専門知識も必要です。

 予算を提示して各社がその予算に合わせた見積をもってきたとしても、その中身はバラバラで、どこで安くあげているのか中身を比較するのは大変な作業です。何が本当に安い材料なのか、材料の相場はどのくらいか、数量は適切か、仕様は妥当か、健康材料を使い丈夫で長持ちさせるには・・・・しっかりチェックをして1社にしぼりましょう!!
畔上 廣司 解説委員の畔上です。

 家づくりの見積では、はじめから一社のみを指名し特命で見積を取って確認し工事請負契約する場合、又は数社の建設会社を指名し相見積もりを依頼したうえ、その見積内容や額面、引合い価額のチェックによって競争見積させる場合があります。当建築士事務所の建築設計・工事監理では設計図書完成後、建築主に図面内容等の確認を取り、できるだけ一社指名を避け3社の相見積としているのが実情です。

 T.Nさんは後者をお望みのようですが、工事費用の確認チェックがご自分で可能とお考えでしょうか。正規の見積書作成は建築完成図面を基に使用材料やその仕様が提示されはじめて可能になります。見積書の中身は、全20工事項目前後の内訳・数量・単位・単価などが連なり積算の上、工事金額が決定されて行くわけですが、直接仮設や共通仮設工事、構造材・造作材価格のピンキリ、大工さんの手間代、比較的費用比重の多いシステムキッチンやバスユニットなど住宅設備の市場価格と掛値の確認、外構工事の詳細区分、工事経費の割合なども査定する必要が有りますね。さらに詳細を知りたければ、建設物価版や建築積算資料等の冊子を書店で購入しての概略チェックも可能でしょう。建築プロでさえ相見積り適正価額の把握には戸惑うことが多いものですが、はじめから出精値引きの多い見積書は理由が確かでない限り当てにしないことです。

 業者の選定について、今般は当初から工法が決まっていますので、先ずは2X4工法住宅に実績があり、地域で比較的評判の良い、また、知りたい建築情報を隠さず提供してくれる業者であり、規模の大小はあまり気にする必要はないと思います。
さらに、ご自分達の住まいの機能や色形デザイン等について親身に相談に乗ってくれ且つその実現に前向きで工事予算にマッチした業者が相応しいと思いますが・・・。

 なお、建築主による部分的な材料支給は、適切な工事管理や設計監理も難しくなりますし、その程度にもよりますが建物の品質や性能維持の点から微妙な影響を与えるものです。建築のイロハに相当自信と経験がある建築主以外はお薦めできません。
「転ばぬ先の杖」良い業者を選定のうえ、楽しく納得できる家づくりを目指してください。
 山口 雅克 解説員の山口です。

 相見積りと言いますが、その前に受注のための見積りにも色々あることを理解して下さい。A工務店の間取りと共に提案するる家づくりの予算把握のためのもの。C工務店のお客に材料を聞いてからとりあえず見積りとプランを出すもの。どちらも営業のための手順がやや違うだけで、今の時点では最重要事項ではありません。

 相見積りの重要な点は、各社に同じ内容の要望を伝えて、金額とプランを提案してもらい納得のいくような説明を受けることです。これができないと適格な判断は難しくなります。
 今回は設計施工を選択されていますので、冷静に3者の話を聞くことができるようにT.Nさんの気持ちを整理することが大切なチェックポイントです。又、予算が確定していますので金額を提示して、その中でどこまでできるかのを競争させるのも良い方法です。

 施主支給については、支給する側の手間と責任を把握しておいて下さい。どの時点まで誰が責任を持つのかを明確にする必要があります。現場に運び込んだ時に業者とあなたで検品して引渡すことになりますのでその手間も自分で負担することになります。
 家の価格は坪幾らではなく、材料費と手間代+現場管理費(保険や租税公課、通信費などなど)の積み上げですから簡単には算出できませんが、全体で予算に納めていく考えで工事が進められることも多いのです。 
 コメンテーター 
久米 能子  工事業者を選択するのは本当に難しい問題です。設計事務所である私達でさえ、苦労します。
 素人の方が、プレゼンテーションの見場のよさ、営業マンの人当たりのよさ、などで選んでも、いざ工事に入ると態度が一変…という相談も、実際によろずに寄せられています。

 本来、「合い見積」は詳細な設計図無くしてはありえません。ですから、そうした設計を抜きにしたまま施工業者を選ばれるのならば、その業者の手がけている建物に対する「好み」と単なる「勘」で、というようなものと思って置いてください。仕事の質と金額のバランスで選ぶことは、おひとりではまず難しいと思ってください。

 しかし、それが一概に悪いことばかりとも言い切れないと思います。好きな相手とはうまくコミュニケーションが取れていくからです。工事ではこれはとても大切なことです。

 ただ、明確な比較基準(詳細な設計図)のないまま、あちこちのメーカーや工務店と相談を続けると大概の方は、結局疲れ果ててどこが良いのか判断できなくなるようですので、気をつけてください。何をもって判断するかということをご自身ではっきりと決めて置かれることです。
 事務局から 
  荻原 幸雄 誤解があります。
合い見積とは同じ図面と仕様で見積を複数から取る場合です。
これで金額の差ができるのです。
図面もない、業者からの見積では比較しようがありません。無意味です。

また、無料の範囲では営業的なラフな図面数枚のみで、これでも意味がありません。
ご主人が言う一社でいいということと変わりはないと思います。
予算が決まっていても相談者の要望はありますよね。
それを図面に反映してからでないと見積はいくら時間があっても上がってきません。
A社のように上がってきる場合は見積の根拠はありません。
トラブルの元です。だって見積からどのような家ができるか、イメージできますか?
我々でも不可能です。

見積の心配と同様に工事監理の心配もしたほうがいいですよ。
監理も見積と同様に大切なことですから・・・。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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