相談概要 | [氏名] S.N [相談内容:] その他 [居住住所] 東京都大田区 [相談建物所在地] 東京都大田区 [職業] 主婦 [年齢] 42 [女性] on [構造] 木造(その他) [引渡し年月日] 西暦 2002年11月17日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 113 [延べ面積坪] [工事請負金額] [設計監理料] [様態] 建売り住宅 [施工者] 大工(工務店) [設計者を選んだのは] − [監理者を選んだのは] − [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] - [確認申請の為の委任しましたか?] - [確認申請書お持ちですか?] - [検査済証は有りますか?] − [お手持ちの図面は何枚?] − [打ち合わせ何回] − [床面積] − [施工者名] Y木材 [販売会社名] Oホームズ [設計者名] [監理者名] |
相談内容 | [現象] 建売り住宅を購入して、一年余り。隣のブロック塀が崩れてきて、うちの車がほぼ全損しました。隣家は空家状態。 責任者と話し合いを進めるうちに、建売り業者がその危険性を知っていて放置したまま、うちに販売したことがわかりました。 (1)建売り業者は土地の境界などの立会いのときに、そのブロック塀が触れただけで大きく振動する、危険な状態であることを隣家の代理人に伝えている。つまり危険性を充分承知していた。 (2)以前は7段程度だったブロック塀だが、業者が道路まで土地を掘り下げて建築したため、そのブロック塀の相対的高さが増し、手の届かない位置になり、今回の事故のように頭上から約270kgのブロックが降って来るほど、危険が増した。 (3)それなのに、その危険性を放置したまま、私たちに売った。私たちに注意を促すこともない。 (4)購入後、塀に囲まれた通路、地震のときとか大丈夫でしょうか、と尋ねたときも、その危険性を教えてくれなかった。わずかの時間差で子供たちが通っていました。 だんだんいきさつが見えてくると、売ってさえしまえば、その後私たちが死んでも良かったのかと、その業者の良心を疑います。 説明責任とか、ないのでしょうか?そういった業者が作った家に、住み続けるのも不安です。 私たちに出来ることは、どういったことでしょうか。どうぞ、よろしくお願い致します。 [業者の見解] 他人の土地に立っている塀だから、どうしようもない。 [相談内容] ひどいと思いますが、どういったことが私たちにできるのでしょうか? より危険が増すように建築して、何の手もうたず、販売するのは許されることとは思えないのですが。 最善を尽くして、安全な住宅にしようと努力してもだめだった場合でも、私たちに注意を促す等の義務がないでしょうか? 隣の持ち主に責任があるのは勿論でしょうが、黙ったまま、売ってしまえばよいという業者に何の責任もないとは思えません。 裁判?は、費用も、時間も、とてもかかるのでしょうか?既にこの件で、隣家責任者と話し合ったりして、もうぼろぼろですが、放っておけないと思います。 |
yorozuの感想 | 初めての一戸建てでのトラブル、途方にくれていたので、とても助かります。 |
アドバイザー | |
古賀 保彦 | 古賀です。 危うく人命に関わるところでした。現行の建築基準法では鉄筋入りのコンクリートブロック塀で控壁のないものは1.2m以下とされています。 既存塀が現行法規以前のものであったのかどうか分かりませんし、触って揺れるのがどの程度であったのかも分かりませんので、明確には言えませんが、既存塀の下部を掘削しているようですから、掘削によって塀の基礎がゆるみ、また、掘削側の土の圧力が無くなって、既存塀がより不安定な状態に至ったのではないかと思います。 売り主側(施工者含む)で既存塀の危険性を認識していたのであれば、掘削を行う前に、補強方法や費用負担について、隣地所有者と話しあうべきでした。そのような過程を抜きにして工事を行ったのであれば、そちらの都合で行った工事が原因である、という思いが隣地所有者に生じてもおかしくはないでしょうし、事故の原因が、売り主側の過失によるものではないかとも思えるのですが、工事前に隣地所有者側に危険な旨を伝えており、その後のやりとりが不明ですので、責任の所在については当方では判断しきれません。 ところで、塀が隣地所有者のものであれば、その所有者が維持管理・改善するのが妥当ではないかという考え方もできますが、塀がある事によって通常は双方に利益があるため、維持管理も双方が負担するという考え方があってもおかしくはありません。 今回はS・Nさん側の地盤を掘削する際、既存塀に何らかの補強が必要だったと思われますが、その費用負担を全て先方に要求したのでは、筋が通らない話だったでしょう。また、先方と話がつかなければ、S・Nさん側の方で、対策を考える事も必要だったでしょう。 いずれにしても、建売りですから、買い主が決まっていない段階であれば、売り主側が対処し、買い主が決まっていたのであれば、買い主に相談すべき内容だったと思います。しかし、酷な話かもしれませんが、不安を抱きながらも引き渡しから1年以上経ていますから、今回の事故が起こる前に、S・Nさんから隣地所有者に協議を申し入れる事もできたとも思えます。 今回の事故に至るまでの経緯、事故の損害補償や新規塀の設置等について、もう一度三者で良く話し合いをしてください。今迄の、売り主側の対応が良く分かりませんが、余り感情的になりすぎると話し合う事もできなくなってしまうかもしれません。ご不安でしたら、弁護士に入ってもらうなど、第三者の協力を仰ぐ事もお考え下さい。相隣関係が絡んだお話ですので、建築士よりも弁護士の方が適任かと思われます。頑張って下さい。 |
コメンテーター | |
今井 優子 | まずは、お子さんが無事で何よりでした。 隣家の既存塀が健全な状態で建っていて、こちらの地盤を掘り下げることでその安全性が失われたというのであれば、話は簡単です。 その場合は、通常こちら側が費用負担をして、しかるべき補強工事を行うべきです。 それを行わず、その事実を一切告げずに第3者に売ったとすれば、瑕疵責任を問えるでしょう。 しかし今回のケースの場合、既存塀がこちらの工事以前から危険な状態であったということで、少々複雑で、隣家、販売会社、ともに責任転嫁しかねないケースです。 弁護士に相談して動いていただいた方が良いかもしれません。 頑張ってください。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 子供に被害がなかったことは何よりです。 隣地の塀は所有権は隣地にあり、それを触れることができないという抗弁は確かなことでしょうが、危険性を掘り下げによって予知できる状況できすので、本敷地内にコンクリートの塀や擁壁でそれを避けることができることですので、それを適切にしなかった責任はあると思われます。弁護士を通して敷地を安全な状況に確保してください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | ご親切な回答、ありがとうございます。 現実に受けた物質的・金銭的被害よりも、命の危険があることは充分熟知していたはずなのに、放置して私たちに売って、そのまま知らん顔、ということへの不信感にまいってしまっていますので、お忙しい中、親身になって回答いただけたこと、本当に救われたように感じています。 古賀様、 具体的で、専門的なアドバイス、ありがとうございました。 >掘削によって塀の基礎 がゆるみ、また、掘削側の土の圧力が無くなって、既存塀がより不安定な > 状態に至った ということを立証するのは難しいのでしょうか?業者は、無震動の工事を行い、全く隣の家のブロック塀にダメージを与えていない、と断言していますので…。 アドバイスいただくまでは、工事によってより不安定になった可能性があることを疑うことさえなかったので、貴重なポイントを教えていただきました。 うち側のコンクリートの擁壁、接道するところで高さ228cmくらいあるのですが、そこは隣の家の道路にでる階段にあたるところです。隣の家の地面が始まるところは、こちらの擁壁の高さ198cmで、ぎりぎり崖にならないように作っているようです。 そういった点を見ても、きっと不法ではない建て方をしているように想像され、法的に争うのは難しいそうで、途方にくれています。 > いずれにしても、建売りですから、買い主が決まっていない段階であれ > ば、売り主側が対処し、買い主が決まっていたのであれば、買い主に相談 > すべき内容だったと思います。しかし、酷な話かもしれませんが、不安を > 抱きながらも引き渡しから1年以上経ていますから、今回の事故が起こる > 前に、S・Nさんから隣地所有者に協議を申し入れる事もできたとも思えま > す。 驚かれると思いますが、今回のことが起きるまで、私たちは危険性を全く知らず、不安を抱くこともなかったのです。両側を塀に囲まれた通路なので、地震のとき大丈夫と尋ねたことがありますが、そのときも、漠然とした質問で、隣のブロック塀が危なさそうとは夢にも思っていなかったのです。こちらの擁壁より更に1.2メートルほどの高さ、視野よりかなり高い位置にあり、危険じゃないように作っているはず、と信じていることもあって…。 大丈夫といわれたので、専門的な対策は万全と安心していました。 少し気になる、危ないと教えてくれていれば、注意して通ることも、隣の所有者に何かしら申し入れることも出来たと思います。 心のこもった適切なアドバイス、ありがとうございます。頑張りたいと思います。 今井様 > まずは、お子さんが無事で何よりでした。 暖かいお言葉、ありがとうございます。 あれ以来、子供が外にひとりで出ると、不安にかられます。 >少々複雑で、隣家、販売会社、ともに責任転嫁しかねないケースです。 やはり、弁護士さんに相談してみることを検討してみます。 事務局 おぎわら様 質問、取り上げていただいてありがとうございます。 大変心強く思いました。 > 隣地の塀は所有権は隣地にあり、それを触れることができないという抗弁は確かな > ことでしょうが、危険性を掘り下げによって予知できる状況できすので、本敷地内に > コンクリートの塀や擁壁でそれを避けることができることですので、それを適切にしなかった > 責任はあると思われます。弁護士を通して敷地を安全な状況に確保してください。 掘り下げ部分のみ擁壁があり、ブロック塀に対しては無処置でした。 弁護士に頼む費用が気がかりでしたが、皆さんのアドバイスをいただいて、それが一番というのがよくわかりました。 どうぞ、私たちの感謝の気持ち、よろしくお伝え下さい。 |
その後 |
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