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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0897 鋼管杭の影響か?亀裂が・・・

 相談概要 [氏名] M.K
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 神奈川県鎌倉市
[相談建物所在地] 神奈川県鎌倉市
[職業] 会社員
[年齢] 36
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦2004年8月初旬日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 88.81
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 1770
[設計監理料] 0(請負に込み)
[様態] 注文建築
[施工者] 中堅ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] −
[お手持ちの図面は何枚?] 5枚
[打ち合わせ何回] 10回以下
[施工者名] K工務店住宅販売
[販売会社名] K工務店住宅販売
[設計者名] M・S
[監理者名] S・T
 相談内容 [現象]
今年3月末より着工し、事前の地盤調査を踏まえ、地盤には6M鋼管杭を20本以上打ち込んでいます。
その上に、鉄筋スラブコンクリート(150mm)をうち、その後、立ち上がり部コンクリート基礎部分を打ち、現在(4月12日)は、その型枠を取った状況です。
問題はその鉄筋スラブコンクリートの一部にある1M以上のクラックです。細い乾燥によるものと思われるクラックとは明らかに異っており(1mmはあり、クラック部分は少し盛り上がりがあります)、構造クラック(応力ひび)ではないかと疑っております。

[業者の見解]
4月10日に報告を依頼し、本日(4月12日)、電話による回答があり、理由を述べておりましたが、内容理解できず、最後に自信なさそうに「構造クラックでは無いと思われます」と言っていたので、「施主として、電話回答では納得できず、本当に影響の無いものかどうか、第三者に依頼して調査したいので貴社の承諾を得たい」と伝え、現在回答待ち状態です。

[相談内容]
見た目上、明らかに乾燥クラックとは異なる、このクラックが「なぜ」発生したものなのか、構造クラックではないのか?構造クラックなら対応はどうすべきなのか、(修復?修復の方法は?または基礎やりなおし?)、施工業者の確認を得た上で、建て方工事の前に、やはり第3者期間へ調査を依頼すべきか、ご相談をさせていただきたくよろしくお願い致します。
 yorozuの感想 はじめてなので、もう少し時間下さい。よろしくお願い致します。
アドバイザー 
山口 雅克 解説員の山口です。

 延べ面積が約90m2で2階建てなので、1階の面積は45m2位とするとおよそ2m2に1本位の割合で鋼管杭が打たれていることになります。これから大まかですが、杭1本当りに5トン程を負担させているのではないでしょうか。
 などと設計を想像する訳ですが・・・実際には基礎の設計方針と鋼管杭の形状や打込み方法の種類が適正に選択されているのか、又、設計の意図に沿った現場施工がなされたのかどうかを調べてみる必要があります。

 例えば、地盤の上部5m位が柔らかくて圧密沈下しやすくて、6m付近が硬い時に、支持杭6mで建物を支えると土間のコンクリートと表層地盤の間に隙間が生じて、そこで土間が折れることがあります。

 ほかにも色々と想像するのですが、基礎立上がりと杭の配置などもあわせて調べてみる必要があります。第三者の木造の構造に詳しい専門家に調査を依頼した方がいいでしょう。
関口 啓介 関口と申します。

写真ではよくわからないと言うのが本音ですが、基礎の重量しかかかっていない状態で、もう構造クラックが入っているとしたらまずは、工事を中断してしっかり調査される事をお勧めします。

まず、クラック位置と杭位置との関係をご確認下さい。
杭位置が設計図とあっているかご確認下さい。(立上り下になっていないか?)杭位置が設計図に相違なければ、杭の設計支持力を基礎スラブがきちんと受けきれるようになっているのかご確認下さい。
杭径及び仕様を確認の上、杭頭レベル及び処理が適切であるかどうかご確認下さい。
基礎スラブ下の転圧締め固めが充分であるかご確認下さい。

以上の確認と説明を施工業者に求めて、納得のいく回答が得られないようであれば、第三者の専門家にみて頂くのが良いでしょう。
今からであれば、まだどのようにでもできると思います。
 清水 煬二 解説員の清水です。

鋼管杭は、柱状地盤改良と異なり、杭の施工不良の心配がなくて良いのですが、杭径が小さく支持地盤からの突き上げによる影響を考えておかなければなりません。

地盤調査を行い、地盤の状況から鋼管杭を選択されたのでしょうから、地盤調査会社から地盤改良に関して提案があったのでしょうか?

また、万一の場合は、本体施工業者ではなく地盤に関して第三者が保証しているかどうかも確認して下さい。
地盤改良を行った場合、損保会社が5000万円まで保証しているケースは珍しくありません。

写真のクラックの入り方を見て、その部分が盛り上がっているということを考えると、ちょっと嫌な感じがします。
工事を前に進めるのではなく、現段階で原因を含めて納得できるようハッキリさせておくべきです。 
 コメンテーター 
今井 優子 写真だけでは結論を出すことは難しいですが、各解説員の言うとおり、少なくとも調査の必要なクラックであるということは言えると思います。
関口解説員の上げているチェック項目を参考に、施工業者にしっかりした報告を求めてください。
その上で第三者の専門家による調査を検討してみてください。
このまま、工事を進めることは、将来に不安を残すことになります。
 事務局から 
  荻原 幸雄 構造クラックと判断するのは時期尚早です。
鋼管杭の位置、深さ、間隔、支持層確認調査報告書、底版の下の土質の状況、砕石の厚み、転圧状況、配筋のかぶり、間隔、の確保の監理の状況、コンクリートの品質確保の計画書、など、確認することがたくさんあります。これらを全て確認して、判断できますが、現在の情報では正確な解答に対しての情報がたりません。

私的には地業が適切にされていないでコンクリート荷重で沈下したのではないか?という判断もできますが、推測の域をでません。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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