相談概要 | [氏名] I.A [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [居住住所] 埼玉県所沢市 [相談建物所在地] 埼玉県所沢市 [職業] 会社員 [年齢] 43 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦1995年8月末日 [公庫使用] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 88.60 [延べ面積坪] [工事請負金額] 4,800 [設計監理料] 0 [様態] 建売り住宅 [施工者] 大工(工務店) [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] − [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] - [18確認申請の為の委任しましたか?] - [確認申請書お持ちですか?] - [検査済証は有りますか?] − [お手持ちの図面は何枚?] − [打ち合わせ何回] − [施工者名] S [販売会社名] T [設計者名] O [監理者名] |
相談内容 | [現象] リビングの戸に隙間が発生しています(図面の@と対角線のAの部分)。 徐々にひどくなってきていますが、今まではどうにかサッシの調整で吸収できていました。 しかし、とうとう調整の範囲を超えてしまいました。隙間から風が入る、虫が入るなどの不快な症状が出ているうえに、強引に力をいれてロックしなければならず、今にも破損しそうな状態です。 周囲を確認してみると以下のようなことがわかりました。 ・戸の下の基礎に大きなひびが発生しています(工務店は化粧の部分だけと言っています)(図面の番号Bの部分、写真A参照)。 ・戸の左上の内壁にずれが見られて隙間が生じて壁紙がよじれています(図面の番号Cの部分、写真B参照)。 ・工務店が持ってきた水準器で水平を確認したところ図面の矢印の方向に大きく傾斜しているのがわかりました。 以上の症状から基礎が沈み、傾斜し、その結果サッシにゆがみが生じたものと思われます。 [業者の見解] たしかに傾斜しており調整がきかないほどまでになっている。ただし、床下から見る限りでは基礎に亀裂等はなく、基礎の化粧の亀裂のみであると言っております。隙間が開いていては困るだろうから施工した大工と一緒に見て処置を考えるとのことです。負担の話はまだしておりません。 [相談内容] ・外壁などの劣化などは当然発生する経時変化ですが、購入後10年近く経過していますが、調整の範囲を超えたゆがみの発生は欠陥と考えています。私の理解はおかしいでしょうか?また、無償修正修理を工務店に要求できるものでしょうか? ・サッシのゆがみに対してどのような改善修理方法を推薦されますでしょうか? ・改善修理方法として、ゆがみの直接原因である傾斜を修正するため基礎の上の骨組みを持ち上げるなどは可能でしょうか? ・およその修理費用を教えてください。 写真説明: I.Aと申します。下記の相談をHPで送信させていただきました。相談内容で記載している写真を送付いたします。よろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | 相談先がなく困っているところにこのHPに出会いました。正直言って感動しました。時代時代で技術レベル、保証レベルが異なるのは理解しているつもりです。ただ自分だけで悩んでいるのではなく第三者の専門家の見解を聞けることに大きな意味を感じます。できれば、HPにのらないにしても全ての相談に応じていただけると助かります。 |
アドバイザー | |
古賀 保彦 | 解説員の古賀です。 相談写真を拝見する限りでは、地盤沈下によって基礎が変形し、ひび割れが生じているように思われます。また、上部本体にゆがみが生じているのかもしれません。 サッシの不具合が進行しているようですから、前記の変形・ゆがみも未だ治まっておらず進行中と考えた方が良さそうです。建物の変形が進行するとサッシだけの問題では済まなくなってしまいますので、ご相談にもありますように直接原因に対する対策を考えなくてはならないでしょう。 沈下している場合、対策として基礎下部に杭を後打ちする方法がありますが、沈下している範囲やその度合い、地層の固い部分迄の深さ等によって施工内容が変わってきます。また、既存の基礎、その他の補修も絡んできますので、今の段階では費用までは出せません。調査→対策検討→費用算出という流れで計画しなければならないと思います。 建売住宅の様ですが、瑕疵については売買契約であれば売り主、請負契約であれば施工会社との交渉になります。売買契約書または工事請負契約書に瑕疵保証の内容と期間が記載されていると思いますのでご確認下さい。 保証期間を過ぎているようであれば、9年近く経過している様ですから難しい交渉になるかもしれません。最初にサッシの不具合を指摘された時期がいつだったのかもポイントになるでしょう。 売り主・施工会社は費用の問題から、積極的に対策を講じようという形にはなりにくいものです。第三者の専門家に依頼して、現状把握とその対策を検討される事をお勧め致します。 |
コメンテーター | |
笠原 歩 | 元々の地盤の状態はどうだったのでしょうか?軟弱な地盤には適切な基礎を設計しなければいけません。古賀解説員の指摘の通り、沈下が進行しているものと考えられます。出来るだけ早期に第三者の建築士に現場を調査してもらうことをお勧めします。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 調整の範囲を超えたものは欠陥という認識は正しいかもしれません。 以前調査した建物も同じようにサッシの調整を暫くしていたのですが、これ以上調整ができないとサッシ屋さんに言われ、よろずでの調査依頼があり、わたしが担当したものですが、その原因は含水率の高い材料を使用し、また、梁のかけ方も無理があることが原因でした。 その後補修設計監理を依頼されて、すべて直しましたが、その工務店は調査報告を全面的に認めて、全て、こちらの指示通りに直しました。 梁のたわみか、不同沈下が原因と思われますが、この場合は先ず、第三者の建築士に調査していただいたらと思います。 建築士会、建築事務所協会、建築家協会でも紹介してくれるとおもいますので、連絡してみてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 荻原様、古賀様、笠原様 アドバイスをいただき大変ありがとうございました。これからアクションとなりますが、ご提案に従って第三者建築士に調査をお願いしようと思います。時間がかかると思いますが、進展がありましたら報告をさせて頂きたいと思っております。 あらためてご親切なアドバイスに対しましてお礼を申し上げます。 |
その後 |
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