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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0885 マンションリフォームを依頼したが・・・

 相談概要 [氏名] T.T
[相談内容:] その他
[居住住所] 東京都大田区
[相談建物所在地] 東京都大田区
[職業] 医師
[年齢] 44
[構造] 鉄骨鉄筋コンクリート造
[引渡し年月日] 西暦    年  月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 5
[延べ面積m2] 220
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 3200
[設計監理料] 240
[様態] 分譲マンション
[施工者] リフォーム会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[お手持ちの図面は何枚?] 無い
[打ち合わせ何回] 3回
[床面積] 250m2以下
[施工者名] 有限会社C
[販売会社名] 有限会社C
[設計者名] N.T
[監理者名] N.T
 相談内容 [現象] 前略
Tと申します。このたび築20年のマンションをリフォームしました。
しかし、出来上がりは想像していたものとは程遠くガッカリしています。

1.名刺に1級建築士事務所とありましたが、建築士ではありませんでした。
2、スケールの入っていない図面を3〜4枚見ましたが、設計料240万支払
  ったのに設計図はありません。
3、9月30日から12月20日までの約束でリフォーム終了のはずですが、
  3月7日現在も細々したところは終わっていません。
4.特に注意してリフォームして欲しかった所(トイレのタイル、床暖房、な
  ど)は相談なしに、勝手に変更されていました。
5、リフォームする前よりも、全ての材質、グレードが安っぽくなりました。
6.当社の職人が直接やってるから費用は安いです。と言ってましたが、結局
  下請けに仕事を任せており、業者の話では1週間に一度現場に来るか来な
  いかという状態で、N氏自身1週間に1度くらいしか、現場に来なかっ
  たと言ってます。
7.私は夫婦共々仮住まいしながら、仕事場の人が仕事しやすいようにと気を
  使い、現場へはほとんど行きませんでした。(これがかえって仇となった
  のかも知れません)

[業者の見解]
誠意ある対応をするとは言ってますが、こちらから連絡しないと、向こうから能動的に今後の予定など聞けない状態です。

[相談内容]
今回のリフォームは去年の6月くらいから考えて、結局テレビで見た業者にお願いしたのですが、2重見積もり、工事の遅延等もあった為、未だ残金600万円を支払っておりません。

私は今回のリフォーム失敗を教訓にする為、一度専門家の方に今回のリフォームが本当は一体いくらかかったのか知りたく思います。(200円の砂利が7500円で請求されていたり、120円のドアの取っ手が2000円だったり、見積もりとは違った粗悪な材料が多く目立ちます。)

それから、今後リフォームを有限会社Cに依頼される方が私のように後悔されないようにできればと思っており、その為には、弁護士を通して法的判断も仰ぎたいと思っております。
 yorozuの感想 イロイロ悩んでいた時このホームページがあって嬉かったです。
ありがとうございます。
ただ私のように、終了しかけてるマンションのリフォームの場合どの項目で相談すれば良いのか迷います。ここで相談するのは、何か間違ってるような気がしますがよろしくお願いします。 
アドバイザー 
新垣 正清 解説員の新垣です。

 設計図なしで240万とは、ぼったぐりもいいとこですね。
名刺に一級建築士事務所とあっても、担当者も一級建築士とは限らないものです。しかしながら、全責任は監理建築士にあります。

工期が大幅に遅れているようですが、大きな変更がなければ、有り得ない期間ですね。
設計図書と言われるものがないとのことですが、何を根拠に打ち合わせ、見積もりが行われたのでしょうか?
打ち合わせ記録、契約書等に明記されたものと明らかに工事内容が違う場合、工事のやり直しを要求することも可能です。

一般的に改装工事の場合、特に既存のグレードより良くなると期待されますがグレードは設計図書、契約書で約束されるものです。しかしながらよっぽどのことがない限り、20年前のグレードより安っぽくなることはないと思います。

施主側の誤解の一つに、自前の職人を抱えている会社の方が工事費が安くなると、考えられていますが、全ての職種に渡って職人を抱えている会社は皆無と言って良いでしょう。外注(下請け)の方が専門職としての適切な技術が得られ、結果的に安く付くことが多いと言えます。

設計図書による打ち合わせが十分機能していれば、監理建築士自ら毎日現場に出向くことは必ずしも必要とは思われません。
しかしながら、問題が発生した以上、監理が十分なされたとは言えず監理建築士は誠意を持って、対処すべきですが、信頼関係が構築できてない状態では、第三者に調査を依頼し、法的解決の場合の資料を作成して頂く事をお勧めします。
 コメンテーター 
畔上 廣司 ラフスケッチ図面が3〜4枚で3回の打合せ。240万の設計監理料で本図面なしの現場。依頼者に相談なしで勝手に設計変更、工期を守らず下請け任せで工事進行。見積書はあるが現場と仕様が相違している・・・等々。

明らかに設計工事監理不在のリフォームと思われますね。それでなくても新築よりもリフォームのほうが工事や工期と予算面で何かと面倒なのです。今回の出来事は本当にお気の毒でとしかいえません。

契約書類や見積書の内容が分からず、現場も確認してませんので明言できませんが、仕様やグレードが相当品や同等品でなく、明らかに粗悪な材料であった場合は今後維持管理などに影響を与える可能性もあります。
新垣さんの解説にありますように、先ずはリフォーム工事全体状況の把握、本当の見積価額の概要把握のための第三者建築専門家による調査が必要になるでしょう。さらに、法的手段とするための準備資料として、工事中の証拠写真や各職人さんの出面(人工数)と仕事量、変更、駄目手直し工事等との整合性などの資料が必要になるかも知れません。

また、長期に及ぶ工事期間によって経緯、経過が忘れて怪しくなっている部分を整理しておくこともお勧めします。
気付いた点をコメントしました。法的手続きになる前に工事関係者の正しい対応を願っています。頑張ってください。
 事務局から 
  荻原 幸雄 リフォームや新築をする場合は1700円で買える建築よろず相談の本を読んでください。
それを読むだけで今回の業者選定の失敗はなかったはずですので、大変に残念に思われます。今後の対処方法のためにもリフォーム編はお読みください。

さて、TVで見たとのことですが、TVに出ている人たちが必ずしもまともな仕事をしているとは限りません。特にリフォーム番組での単価は現実とかけ離れています。
やすくするために「TVで広告費を考えたら安いもの」と原価で支給したりするメーカーや工務店も多く、そうでなければあれほどの金額にはなりません。また、木造のリフォームなどは構造補強や耐震補強の話などもしません。古い柱や梁だけ残して全部解体して何がリフォームかわかりませんね。それなら全部解体したほうがよっぽど親切なはず。見る人に誤解を与えるのが必須な番組に出る建築家の気がしれません。

話はそれましたが、本件のリフォームは最悪だと思われます。
こんなひどい設計者をTVで放映するTV局の視聴率重視の対応にはあきれるばかりですね。
もし、TVで図面はこのようなものをこれくらい描いている。見積はこのような明細があり、図面と見積書は一体の関係にある。これくらいのことを流していれば、このような設計者を出演させないはずですが、TV局も一般の方なので、わからないのが実情かもしれません。

第三者の建築士に図面、見積、実際のリフォームを見てもらい、妥当性を客観的に判断してください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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