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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0884 部屋の亀裂と収納の結露

 相談概要 [氏名] S.K
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 兵庫県西宮市
[相談建物所在地] 兵庫県西宮市
[職業] 会社員
[年齢] 42
[男性] on
[構造] 鉄骨造(ラーメン構造)
[引渡し年月日] 西暦 2002年12月中旬頃
[公庫使用] on
[何階建て] 3
[延べ面積m2] 243
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 4600
[設計監理料] 180
[様態] 注文建築
[施工者] 中堅ハウスメーカー;S×L等
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[お手持ちの図面は何枚?] 5枚
[打ち合わせ何回] 10回以下
[施工者名] T
[販売会社名] T
[設計者名] B
[監理者名]
 相談内容 [現象]
困っているのは、部屋の壁の亀裂と収納内の結露なのですが・・・入居した時点で沢山の不備がありました。
例えば、

・居室ドアの枠(というのでしょうか)が付けられていない。
・和室のたれ壁が付けられていない。3階ベランダの水道が付けられていない。
・2階玄関のタイルが違う。

28等々あまりにも多くの個所に不備があったため、検査のやり直しを依頼し、平成13年3月24日付けで「完成検査チェック書」というものを提出してもらいました。

しかし、最初2から3階に行く階段の壁に横一直線に亀裂が入りました。
そして、この修理に修理中暮らせないのでその保証ということで金銭を頂いて修理して頂きました。
しかし、今度は3階の部屋や1階の部屋、トイレの壁、廊下の壁など各所に亀裂が出てきました。

内容を問いただしても一向に回答が無いため、T社の親会社のようなT自動車(保証人でもあります)に連絡し、そこの技術者が同伴で来られて、壁紙と壁に貼ったパネルの伸縮の率が異なるために生じたモノと説明を受けました。

そんなことって有り得るのですか?  では、このT社で建てた家は殆どがこんな事態になるのでしょうか
説明に納得は行かないものの素人なので、まずは修理第一ですので、修理してもらいしたが、その後何度も他に亀裂が生じ、今回は収納内部の壁にある亀裂であり人目につかないので修理しないと弁護士を介して言ってきました。
収納内の結露、結露といっても服にカビがはえたり、収納している布団がビショビショになるくらいのモノなのですがこれもサービスで対応するので時期は不明と弁護士が電話で答えました。
これらの最後の対応に関しては弁護士の電話での回答でしたので、今「内容証明」の郵便で確認を取っています。

地震で倒壊(全壊)した家を建て直して新築しましたので、ヒビには家族全員人一倍気になるのですが、こんなに各所にヒビがはいるのは、大きな原因が他にあるのではないのでしょうか?
アドバイス方、宜しくお願い申し上げます。
写真はメールにて送信させて頂きます。

[業者の見解]
最初は対応していましたが、上記の通り、今、最悪です。

[相談内容]
阪神淡路大震災の地震で倒壊(全壊)したために家新築しましたので、ヒビには家族全員人一倍気になります。
こんなに各所にヒビがはいるのは、大きな原因が他にあるのではないのでしょうか?
また、結露は1階の収納内だけなのですが、こんなに激しい結露はあるのですか?
雨漏りではないようなのですが・・・
アドバイス方、宜しくお願い申し上げます。


 yorozuの感想 こんなところがあってよかった
これが本音です。もっともっと判り易いよう人目につくように検索エンジン等への登録を継続していって頂きたいです。
アドバイザー 
橋本 頼幸 解説委員の大阪の橋本と申します。

引き渡しを受けてからもう3年以上もずっとお悩みで精神的にも大変ご苦労されているのではないでしょうか?
いただいた写真ではどの部分に何カ所ひびが入っているのかよくわかりませんでした。しかし、ご相談の内容からすると、何箇所もひび割れがあるとのことで、そうであれば築年数の浅さからも通常ではあまり考えられないことです。しかも、3年数ヶ月の間に何度も発生していることから考えても、正常ではないようです。

さて、「壁紙と壁に貼ったパネルの伸縮の率が異なるために生じたモノ」との業者の見解ですが、全く可能性がないとはいえませんが、その可能性はきわめて低いです。通常壁紙とその下地はのりでしっかりと接着されています。また、写真を拝見した限りでは、亀裂は壁紙と壁下地の間ではなく、壁下地そのものの亀裂のように見えます。つまり、壁下地が動いて発生した亀裂ではないでしょうか?

その原因ですが、いくつも原因が考えられます。
最初に疑うのは構造上の問題です。構造体力が不足したり、地盤が沈下するなどの原因で、建物が感じない範囲で傾いてきたり揺れていたりすると、壁下地に亀裂が入ることがあります。
また、壁下地が十分に固定されておらずずれた、ということも考えられます。
一方、亀裂が建具周りにおこっている場合などは、敷居・鴨居などの固定が不十分で建具がずれてきて、それに伴って壁下地もずれた、ということなども考えられます。

ひび割れは美観上(見栄え)の問題だけではなく、建物が発する何らかのサインだととらえて下さい。たとえて言うと”咳”のようなものです。単にのどに何かが詰まっただけなのか、風邪なのか、肺炎なのか、もっと深刻な病気なのか、といった様々な原因があるということです。全く問題がないこともありますが、何らかの問題を抱えていることも多いです。もし不安であるようならば、病院に行くのと同じように、建物の専門家に判断を仰いだ方がいいと思います。

また、収納内の”結露”ですが、それは寒い時期や梅雨の時期だけにおこるのか、年中おこるのかによって原因が異なります。寒い時期や湿度の高い時期だけおこるのであれば断熱材不足や換気不足などによる”結露”の可能性が高いですが、外壁に亀裂が入っているなどの原因で壁などから雨水などが”漏水”している可能性もあります。

1階などでは配管がはずれていたり、水がわき出たり、雨水が侵入してきたりといった原因で基礎の下に水がたまっている、などの事も考えられます。いずれにして布団がびしょびしょになるほどの水分量は単純な”結露”ということでもなさそうです。現状を確認していませんので、想像ばかりの話になりますので、これ以上は差し控えますが、正常ではありません。

また、ご相談頂いたメールの内容から勝手な判断ですが、いまSKさんは相手のハウスメーカーといい関係を保っていないように思われます。こういった場合は特にそうですが、SKさんが信頼できる第三者の専門家に相談されることをおすすめします。当事者同士でこじれた場合はあまりいい解決が望めなくなります。

不必要に不安をあおるつもりはありませんが、疑心暗鬼になってしまう前にご自身が納得するために必要な処置をとるようにして下さい。
 コメンテーター 
畔上 廣司 送付写真から壁亀裂の程度の良し悪しを確認することはできません。しかし、写真のような亀裂が、壁紙補修工事後にあちらこちらに再度発生している事実は何か異常です。1階と2階の壁や開口などの位置ズレ、オーバーハング部の荷重オーバーの存在や何か重量オーバーのものが置いてあるなど無理な構造設計が見えませんか?そのほか壁下地の影響など数々の予想される亀裂原因については橋本解説委員のお話のとおりですが、現状を確認してみないことには分かりません。

結露についても何らかの原因によって発生しているわけですが、これら全て推測の域をでません。
業者側では代理人をたてていることから、不具合の修補要請に対し、打つ手なしの感がありそうです。トラブってしまった場合は、どうしても当事者同士の感情が先走り和解が難しくなるのが通常のようです。
そこで冷静に今後の話し合い進展を望む場合の順序としては、やはり、第三者の建築専門家に相談することがよろしいかと思います。

壁亀裂や結露の現状と現象に対し技術的判断を得たうえ、新たに折衝していく方法も考えられるのではないでしょうか。
ご自分の納得いくよう頑張って対処してください。
 事務局から 
  荻原 幸雄 このメーカーがどのような壁下地にしているかは不明ですので、断言はできませんが、木製下地である場合は偶にこのようなことが起こります。
この場合は木の収縮や変形によるものなので、壁の下地パテ処理で対応はできます。
この場合は構造的な問題ではないので、これにて対応、補修はできます。

もし、下地がスチールの場合はこのようなことが起きるとは思えないのですが、起きる場合は構造的な問題も考えられます。
このメールだけでは即断はできませんので、第三者の建築士に依頼し、客観的な判断を煽った方がよろしいかと思われます。

このメーカーが顧問弁護士を通して話をしてきている点からみて、メーカーはやるべきことはやったという意思表示ですから、御不満が解消されない場合の次の手は第三者の客観性によることになります。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 本当に有り難うございました。

我々素人は、新築の壁にヒビが・・・なんて考えられず、また、老年の両親も震災で受けた心的影響で「ヒビ」にはとても敏感な状況にあるのですが、「何もない」と修理をして頂き、修理個所が多くなってくると「後は知らない」のような対応をされると、修理した部分は今後は大丈夫なの? と不安を感じ得ずにはいられません。

何をどのようにしていけばようのかも創造もつかない中で、インターネットという便利な情報網を活用してこのような手助け、助言を頂けることは建築よろず相談に携わる皆様と現代の情報処理の進歩のお陰です。
本当に有り難うございました。

本来なら、お目にかかって御礼申し上げるべきところ、書中をもって失礼ですが、改めて深謝申し上げます。

皆様のご健康とご健闘をお祈り申し上げます。
 その後  
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