相談概要 | [氏名] I.J [相談内容:] 注文住宅の瑕疵 [居住住所] 名古屋市名東区 [相談建物所在地] 桑名市 [職業] 自営業 [年齢] 39 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2003年12月18日(予定) [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 130 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1750 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 地場大手ハウスメーカー;地域的な大手産業 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下 [打ち合わせ何回] 15回以下 [床面積] 130m2以下 [施工者名] S住宅株式会社 [販売会社名] S住宅株式会社 [設計者名] S環境建築設計 [監理者名] S住宅株式会社 |
相談内容 | [現象] 今年5月末に建築条件付土地を購入し、8月中旬に着工し、12月初めには完成予定でした。家は北玄関で南側に南境界線から4.5mの位置から家が立ち上がるように設計図面には書かれていました。しかし、11月初めに実際に計測したところ、50cm南側にずれた南境界線から4mの位置から家が立ち上がっていました。すぐに住宅メーカー側に確認を取ったところ、こちらがわから言われるまで気付いていなかった様子です。現在は、11月7日から工事がストップした状況です。 [業者の見解] 南側の建築位置に関しては、4.5mになっているが、2階のバルコニーを支える柱が2本南側に50cmでており、その柱の位置が南側境界線より4mになっていたため、それと勘違いしてこのような状態になったとのこと。建築位置に関しては、8月10日の地鎮祭時に住宅メーカーと建築会社の担当者が確認。8月19日に基礎位置を建築会社が確認。8月25日には基礎部分を住宅メーカーが確認した。この3回の確認時すべてにおいて全員が勘違いしたまま確認をしてしまったとのこと。責任100%住宅メーカー側にあるので、対応したいとのこと。 [相談内容] このような場合の対応として、どうしたら良いのでしょうか?現在私どもが考えていることは、 1.図面通りの位置に建築してもらう。その選択肢としては、初めから建て直してもらう、またはジャッキアップして基礎を図面位置にずらす。 2.図面通りに建築されていないことに関して、損害賠償を請求する。ということを考えています。 このような場合、初めから建て直してもらうことを要求できるのでしょうか?また、ジャッキアップする場合は、建物への影響はどの程度あるのでしょうか? いずれにしても、どのような対応をしたらよいか良いアドバイスをお願いいたします。 |
yorozuの感想 | このようなHPを見つけられて本当に助かった気持ちになりました。専門家の方々の意見が身近に聴けることはたいへん助かります。ぜひ、今後も続けていただきたいと思います。 |
アドバイザー | |
関口 啓介 | 関口と申します。 地鎮祭の時に建築主を交えて立会いの上確認をされなかったのが残念です。 その土地のどこに建物を建てるかは重要な事ですから、このような事がないように我々も気をつけなければならないと読ませて頂きました。 まず図面とおりに直してもらうと考え、建て直してもらう事を考えると、時間的損失、環境負荷、地盤の損傷などを考えても得策とは思えません。 ジャッキアップでの移動も、建物への移動衝撃による損傷、基礎を造り直すため地盤の損傷などを考えてもあまり良いとは思えません。 災い転じて福となすと言う事もあるように、起きた事に対して、全否定やマイナスで考えるだけでなく、それによって良い事はないかまず考えてみましょう。 暮らしの上で、その方が良かったなんて事もあるかもしれません。 間違った事に対する憤りはごもっともです。明らかにメーカーや、施工会社のミスではあります。 しかし、このような時こそ、落ち着いてよく話し合ってみて下さい。 損害賠償請求は建築士がどうこう言う立場ではありませんので、弁護士にご相談頂くと良いでしょう。 時間的にもかなり経過されてみえる事から、かなり悩んでみえる事と思われます。 ご家族にとって、良い方向に向かわれる事を願っております。 |
新垣 正清 | 沖縄の解説員 新垣です。 建物の敷地への配置が、50センチ南側に寄ったことで、今後の生活に大きな影響があると判断されるなら、将来後悔しないためにも、基礎の段階で作り直させた方がいいのでは、さほど支障がないと判断されるのなら、損害賠償なり、それに変わる何らかのサービスうけるなり、ご相談されてはいかがでしょうか、いずれにしても、ご自分の考えをまとめた上、交渉し、後日問題が生じないよう、文書で取り交わすことをお勧めします。 |
コメンテーター | |
畔上 廣司 | なるほど、トラブル時期を察するにお悩みのご様子が分かります。配置図面に相当の不備があったと考えられますが、ただ単に3回位置確認した結果の結末とは到底思えません。位置確認のための縄張り(建物位置出し)は通常、工事のはじめ建築主に建物位置確認を促し確定しますので1回で十分のはずです。したがって、指摘されるまで気が付かなかったのか、気が付いていたが決断できなかっただけのお粗末と思われます。しっかりした設計監理者が存在すればこのような事態は避けられたと考えられますし、この辺りは設計施工契約システム制度上の問題点が少なからず表れた例でしょうか。 今後の選択肢については、業者が責任の一切を感じていることから、関口解説委員が懇切丁寧にお話しているように、解決方法について業者と十分協議を行なったうえ、全否定せず、ご自身にとって現在より将来的な最善策は何なのかを考えるなどで良い方向性を求めることが望ましいと思いますが、如何でしょうか。 なお、賠償問題については弁護士にご相談してください。今後の確実な対応と交渉の進展を願っています。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 業者側の3回とも誤解した。というのはナンセンスな話です。 それが事実ならばあまりに低次元の業者といえるでしょうが、下請け業者も間違うということはそうないと思いますので、担当者の思い間違いでの指示ミスと思われます。 今回はずれたことによる損害ということですが、もし、これで支障がなければ損害賠償で金銭で解決することになると思いますが、どうしても図面通りでないと納得できないのであれば、建替えは要求できます。 通常は地鎮祭の時に位置を確認するのが、工事監理者なのですが、それを思い込みで間違ったようです。 今回の場合はミスであることが明らかなので(図面に記載されていて証拠があります。図面とはこのように大切な根拠になります。)対応してくれると思います。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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