相談概要 | [氏名] G.Y [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [居住住所] 鹿児島県揖宿郡 [相談建物所在地] 同上 [職業] 自衛 [年齢] 32 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2004年4月1日 [公庫使用] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 150 [延べ面積坪] [工事請負金額] 2500 [設計監理料] 100 [様態] 注文建築 [施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業 [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] 自分で選んだ。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。 [18確認申請の為の委任しましたか?] した。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] − [お手持ちの図面は何枚?] 30枚以下 [打ち合わせ何回] 10回以下 [施工者名] K建設 [販売会社名] K建設 [設計者名] MK [監理者名] MK |
相談内容 | [現象] 現在建築中の建物でお伺いします。4月上旬竣工予定です。 在来木造モルタルにジョリパットと言う商品を塗予定ですが、モルタルで中塗りした後養生期間中にクラックが出てきました。幅一ミリも無いようなものですが、場所は東西南北すべての面に縦横無数に走っております。 ほとんどは新しいクラックで、写真のようになってしまいました。 補修跡が目立つのと人目につく立地のため他人様から心配されたり同情されたりしてますが、工務店、設計士とも親身に一生懸命やってくれているのはわかりますので、「仕上げてからこのようなことにならなければいいですよ。しかしジョリパットで自信が無ければ弾性の材料も検討してください」と言っております。左官屋さんもジョリパットは初めてのようですが、最近現場にジョリパットのペールが運ばれてきましたのでこれでいくようです。 施工は室内からいくと=壁-軸組・断熱材-防水紙-ラス板-アスファルトシート-ラス網-軽量モルタル下塗り-モルタル中塗りと、現在なっております。このあと、シーラー-ジョリパット原液塗り-仕上げ塗りとなるようです。 [業者の見解] 工務店、設計士からは「目地処理をしてそこにクラックが逃げるようにしています」と言う説明を受けていましたので、不安に思っています。 1月初旬にモルタル下塗り、中塗りをして、クラックが認められたため2月初旬に専用のボンド?をクラックに染み込ませてモルタルで上塗り補修。 まだ大工工事が入っており中から叩いたりするので大工が出てから上塗りをするということでしたが、その間にさらにクラックが発生し、2月下旬再補修。一度補修したところには9割がたクラックは入っておりません。原因として収縮割れと、ラス板が内部で乾燥して動いていると言われ、落ち着いたところで上塗りに入ると言われました。 [相談内容] 相談内容としましては施工者が言う原因は本当か、モルタル仕上げはこういうものなのか、仕上げ塗り後はクラックが表面に出ることはないか、ジョリパットという材料は向いているか。その他懸案材料など聞かせていただければさいわいです。 |
yorozuの感想 | 貴ホームページの存在は以前から存じ上げております。 過去相談員の方に現地調査をお願いしたこともあり、おかげさまにて当時揉めていた瑕疵の補修案件を解決することも出来たこともありまして、著作はすべて購入して読みましたし、家を建てる友人達にも貴会の著作をプレゼントしたりしております。 そういうわけで自分なりに今度の新築には勉強して臨んだつもりでしたが、まさか再度お世話になるとは思いませんでした(笑)。以前の瑕疵相談の時には精神的にも時間的にも大変な体力と、建築における信頼関係のバランスの絶妙さを感じましたので、もう二度と御免こうむりたく思っております。仕上げに入っていない今ならまだ間に合うと思い相談いたします。 |
アドバイザー | |
堀住 勝雄 | 堀住です。 モルタル塗りの上にジョリパット仕上げは珍しい工法でもありませんし、歴史もそれなりにある仕上げです。今回の原因に該当するか判りませんが一般論として解説します。 モルタル塗りは下塗りの時はある程度のクラックを容認し、仕上げ塗りではクラックは許されません。このような仕上げ塗りにクラックが発生する原因としてモルタルの調合が不適切であろうと察せられます。富調合、簡単に言えば砂とセメントの割合がセメント過多の場合には収縮が大きく写真のようなクラックが発生すると言われています。 また施工時点での気候により早期に乾燥した場合も同じような現象が発生します。この場合は施工場所が南か北面か、風当たりの違いなどによりクラックの発生に差が出ます。もう一つ、ラス網を固定するステープルの間隔が狭すぎる場合もクラックの発生する原因となります。 現在の樹脂による補修の信頼性は何とも申し上げられません。 ジョリパットは私も好きな材料ですが下地の悪さをカバーできる材料ではないと思います。ホームページからでもアイカ工業に問い合わせてみてください。 |
コメンテーター | |
渋川 佳代子 | 何度も、ご相談を受けることはあまりうれしいことではありませんが、よろずの本をすべて読んでくださっているとのこと、ありがとうございます。 さて、クラックの部分的な補修だけでは、クラックの解消は難しいように思えます。浸透性の接着剤を全面的に2度塗りすることで下地を安定させ、その上でカチオンタイトなどで全面的に目つぶしを行うことをご提案します。 (カチオンタイトは高価ですが・・・) 軽くたたいてポコポコしている場合は、アスファルトフェルトとモルタルが剥離してるかもしれませんし、なでるとポロポロ砂が落ちる場合は、モルタルが凍害を受けている可能性があります。 以上2点の現象が見られる場合は、何を施してもクラックは避けられません。 一度、施工者と監理者に、下地モルタルの信頼性を確認していただくとよろしいかと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | クラックの多さからみて、モルタルが富調合だったのだろうと思われます。 この場合はまだ、クラックの発生が止まっているとは限りません。カチオンでやる方法もありますが、カチオンで重さが増すことによって下地が耐えうるのか?確認する必要があります。 また、仕上げは弾性系のものに変えた方がいいと思います。ヘアークラックならば追随するからです。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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