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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0861 別途工事の機器設置工事で・・・。

 相談概要 [氏名] I.Y
[相談内容:] その他
[居住住所] 千葉県市川市
[相談建物所在地] 千葉県船橋市
[職業] 会社員
[年齢] 29
[男性] on
[構造] 鉄骨造(ラーメン構造)
[引渡し年月日] 西暦    年  月  日
[何階建て] 1
[延べ面積m2] 588
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 6000
[設計監理料]
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] −
[監理者を選んだのは] −
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[確認申請の為の委任しましたか?] -
[確認申請書お持ちですか?] -
[検査済証は有りますか?] −
[お手持ちの図面は何枚?] −
[打ち合わせ何回] −
[床面積] −
[施工者名] S建設
[販売会社名]
[設計者名]
[監理者名] M本部長
 相談内容 [現象]
現在自動車車体整備工場を建築中です。私は自動車車体整備の機械メーカーなのですが、建築中に施主様より発注を受けました。機械はフロアー埋設型で出来上がったフロアーを4400×8000の大きさで解体し機械据付後は200ピッチで配筋後同フロアーレベルで埋め戻すといったものです。

フロアーを解体するにあたり現在の施工業者S建設が【フロアーは構造躯体の重要なポイントだから解体してはならない】と施主様の意見を真っ向から否定しました。緻密な計算の元設計された躯体なので1ミリも解体してはならないということでしたが先週になって、S建設が対策案をもってまいりました。

A・解体するのではなく機械を現フロアーレベルより組み立てフロアーレベルをかさ上げする。
B・4400×8000で解体し更に200ミリ掘り下げ100ミリ厚でコンクリを打設その上に機械据付後埋設というものでした。

A案は理解できるのですが、B案は1ミリも解体してはならないという割には思い切った方法だと感じました。
私サイドで施工した場合躯体保障は私に移管しますので一筆書いてくださいとS建設。
そこで不信感が沸きました。その後工場内をくまなく見ていくと、そこかしこに問題が・・

先月27日にフロアーを打設し
・フロアーコンクリート断面に巣穴が多く10ミリ台の巣穴も多数確認。
・配筋はFLマイナス15ミリ程度の位置にある事を確認。
・カラークリートを施した割には表面強度がなく角張ったところはすでに
 欠けているところも
・コンクリートフロアー表面はボソボソ感があり霜が降りた跡が汚い。
・フロアーには部分的にトンネル状のピットもありピット内部のコンクリー
 トにはすでに亀裂を確認。後日モルタルで補修した模様。
・柱が設計図面の柱と300ミリ違う。(言った言わないの話に現在なっ
 ている模様。)
・ピットの深さが30ミリすでに違う。手直しをしたがそこには4tの加
 重が今後かかる。(大丈夫なのか)
・アスファルトの上に躯体を施工している。(大丈夫なのか)地中梁部は
 アスファルト解体
・柱とフロアーの接点に最大5ミリの隙間(本来隙間を埋めボルトを締め
 るのでは)等の不具合が確認されております。

施主様はこれらを全て確認はしておりません。当然素人ですからごまかされてしまっています。
これらの不具合はS建設に提示しましたが改善の意思は無い模様。(指摘するとキレる為)話になりません。
言っていることがころころ変わり、ヒビなどの不具合を指摘すると作業者にモルタルで適当にやっとけと指示しているのを私は聞きました。
今まであらゆる施工を見てきましたが、こういうことは初めてです。

[業者の見解]
これまで300を超える現場の中でこういう例は初めてです。
フロアーを一時解体しても配筋補強、既存コンクリートフロアーとの連結が取れていれば問題無いのでは。
掘り下げることによっての弊害は無いのか?(アスファルト上に施工している為)

・ピットの深さが30ミリすでに違う。手直しをしたがそこには4tの加
 重が今後かかる。
 対応状況→4tの加重がかかるのに30ミリ厚でコンクリ追加打設
・コンクリートフロアー表面はボソボソ感があり霜が降りた跡が汚い。

 対応状況→『見えるとこだけやっとけ。フロアーを解体する箇所はやらなくていいどうせ解体するんだから』【まだ施工してません】
見えるところは上っ面だけ直せばいいという感覚。どうにもならないような柱の高さなどの不具合は言った言わないの押し問答。

[相談内容
] 躯体保障を我々に移管するのは結構なことですが、現時点でこれだけの問題。
またこの問題は建築物的には問題ではないのでしょうか?
また我々の行うことは問題なのでしょうか?
また調べていただく際の費用も知りたいです。
 yorozuの感想 検索エンジンですぐ引っかかり誠に感謝しています。
アドバイザー 
山口 雅克 解説員の山口です。

 自動車整備工場の設計は、着手する前に概略の整備方針やそれに伴うおおまかな整備機器の確認をしておかないといけません。場合によっては整備機器を決定してからでなければ床の設計ができないことがあります。その辺りを理解して設計を進めていけばよかったのでしょうけれど、今回のように、ある程度建物が出来始めてから機械の打合せに入る事が多いことも聞いています。

 細かい内容の現場状況が記載されていますが、業者見解と相談内容が入り混じっていて解説を差し上げ難くなっております。

 「フロアーを一時解体しても配筋補強、既存コンクリートフロアーとの連結が取れていれば問題無いのでは。」などの構造的な事、掘り下げる事の弊害などは、現地で設計図と床下の地質調査などの資料を見てみないとなんとも言えません。
 雑な施工がなされているような印象を受けますが、それもとても重要な部分なのか、構造的にたいした事がないところなのかは現地での判断になります。

 元々の設計者は監理をしていないのでしょうか。建主さんに聞いてみて下さい。本来はその方の仕事です。
 そちらに相談できなければ、第三者の専門家に相談するしかないでしょう。その時の費用についてお尋ねですが、1日の調査で終われば1日分なのですが、工事進行中でもあり構造に関しての事ですので構造設計家の力を借りなければ解決しない場合もあります。状況により費用は変わりますので、まずは現状を把握して方針を決めるのに1日分の日当を予定されたらいかがでしょうか。
 畔上 廣司 野田の畔上です。

貴兄の機械メーカーでのお立場が分かりませんが、ご自分で納得できる確かな工事施工を行なって欲しいと思います。

さて、貴社にとって、建設工事途中で機械設置工事を行なうわけですから、本来、建築工事会社との連携協力は必須でしょう。
しかし、現実は否もの、今般の施工業者に品質性能や施工精度の非を唱え、理解を得て、構造体の補修を計ることは難しそうです。特に、機器据付専門分野で相当数の現場を経験してきた方が問題点を指摘しているに関わらず、本体工事会社の了解を得られず、好転しない現場事情は大変だと思います。

施主である事業主に説明しても解って貰えない、上司に相談しても解決が難しい?しからば、自衛策が必要である。と考えて試行錯誤のご相談でしょう。
プラントや工場の建設では、事業主ご指名の別途機械据付・プラント工事など発注先と建築本体工事請負会社関係のトラブルは、珍しくありません。
また、その殆んどは事業主の発注時期遅滞や本体工事との基本計画や取合いの実施計画上の擦合せ等、事前の打合せ不足・不備が原因と思われます。

画像から、機器類が如何ほどの精度を要求しているかは定かでありません。
本当に機器類が安全で安心できる構造体にセットされることを願うならば、事業主に対して、下地に構造的な問題があることを再度認識してもらわねばなりません。施工状況についても実際に現場を確認してみないと判断できませんが、コンクリートのジャンカや土間直仕上げの状態、鉄筋の被り厚さ、鉄骨柱の寸足らず等、工事施工不良が事実であれば、施工業者の手抜き、設計・監理者の不在責任が問われるでしょう。

各工事保証に関して、工事施工範囲の責任を明確にし、事業主と書面で約束交換しておくべきとも考えますが、先ずは正しい施工が優先されるべきであり、施工修正や補修方法等を論ずる機会を辛抱強く進言しましょう。
良識ある事業主・依頼者であるならば、きっと動じてくれると思いますよ。

また、第三者専門家の協力も必要かもしれません。しかし、その前に、お互いの会社事情や立場を理解し合い、技術的な話し合いができる状態にすることが先決ではないでしょうか。現場責任者の交代等による現状修復も考えられます。何事も難しい状況に対して、突破口はあるものです。お互い会社間で納得したうえでの三位一体良質な工事施工を目指してください。その他いろいろ問題点がおありでしょうが、ここは、心機一転新たな努力に期待したいと思います。 
 コメンテーター 
大内 彰 元請がしっかりしていないとその協力者は辛い状況に陥ってしまいますが、二人の解説員が言うように施主も交えて協議して諦めずに前向きに進められることをお奨めします。勇気のいることでしょうけれど.....
 事務局から 
  荻原 幸雄 別途工事と建築主は聞かされていると思うので、本体工事を進めたが、別途工事の内容や希望などは別途だから聞かないで進めて、別途工事のあなたの仕事の段になったら、いろいろ本体工事の別途工事の調整不足を棚に上げて別途工事に無理をさせるのは、よくあることですが残念なことでもあります。

本来は別途工事でもどのような工事なのか?本体工事の設計者は確認を取るべきだと思いますが、そこまでの設計者はいなかったということだろうと思います。

この場合でも工事監理者がしっかりしていれば、調整してくれるのですが、これも機能不全ということなのでしょう。

別途工事になる場合の問題点をまとめて、その上で建築主のそのリスクを確認していただき。建築主が理解不能であれば、第三者の建築士の調査の依頼をお勧めください。
客観的な観点から、建築主の理解を促すことができると思われます。
立場上大変ではありますが、がんばってください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 このたびは貴重なご意見の数々参考になりました。
結局、完成引渡し後に設置することになりましたが、施主のクレームにより大幅値引きとなった模様です。
実際は施主が工場のオーナーで工場の経営が別会社ということもあり建築に真剣さが足りていなかったのでしょう。
私個人として、これから家を立てる計画もあり今回の件はとてもいい勉強になりました。ありがとうございました。
 その後  
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