相談概要 | [氏名] O.G [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [居住住所] 兵庫県伊丹市 [相談建物所在地] 兵庫県伊丹市 [職業] 会社員 [年齢] 35 [男性] on [構造] 木造(2X4工法) [引渡し年月日] 西暦 2000年 4月 28日 [公庫使用] on [性能保証を使用] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 96.89 [延べ面積坪] [工事請負金額] 4500 [設計監理料] 0 [様態] 建売り住宅 [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 5枚 [打ち合わせ何回] 打合していない。 [施工者名] 株式会社K建設 [販売会社名] 有限会社L [設計者名] N.Y [監理者名] N.Y |
相談内容 | [現象] 建売の輸入住宅を購入しました。ほとんど全ての材料が輸入品で大工さんまでアメリカやオーストラリアの方々だったことには驚きました。国民性の違いか造りがとても雑に感じましたが、あまりに酷い所だけ仲介業者を通し修正してもらい、細かいところは気にせず、納得して購入しました。 住宅性能保証を使っていたため、入居2年後に住宅保証機構より「引渡し2年経過前の住宅点検」を施工業者が行うという内容のハガキが届きましたが、なかなか点検に来てくれず、こちらから何度も問い合わせ、2回程、点検日時を決めましたが2回ともすっぽかされ、何の連絡もありません。 そこで保証機構に連絡したところ、施工業者は自主点検届けを提出していると言われました。保証機構に点検に来ていないと何度も説明すると、「こっちもあんたの為に、やってるんだから!」と逆ギレされてしまいました。 不具合も無く、折角、気に入っている家なのに、あまり文句を言うと、この家が嫌いになりそうだったので、それから連絡はしなくなりました。 しかし、これから長い付き合いとなる家のなので、自分で点検してみることにし、ロフトの壁にあった開かない点検口を無理やり開けて屋根裏に入ってみました。黒ペンで「ムナ受け」と書かれていた2バイ材を5本束ねた柱が2つ有り、、屋根と二階天井を走る柱の間に五寸釘2本で固定されていたのですが、片方は上側、もう一方は下側に10mmの隙間があり、柱の役目である、支えになっていないことに気づきました。 2バイ材は収縮などがあるそうですが、このままの、状態で大丈夫でしょうか? それとも隙間に板を入れ、固定金具で固定するなどしたほうがよいのでしょうか?また点検口の隙間から熱気や冷気が部屋に入ります。点検口の隙間を塞ぐことと、屋根裏自体の簡単な断熱を考えています。 [業者の見解] 最初、施工業者は引渡し2年経過前の住宅点検を「留守中に庭の外からした」と言っていました。 「自主点検チェックリスト兼自主点検届」の用紙を住宅建築総合センターから送付してもらい、チェックリストをみると庭の外から点検できるはずがないと思えましたが、施工業者は「不具合がなければ別に問題は無いのでは」と言っていました。 何度も点検依頼をし、日時を決めても、点検に来ず、その理由や謝罪、連絡さえも無いので、柱の件は、まだ施工業者に伝えていません。 [相談内容] 1.住宅性能保証制度は大きな欠陥が無ければ意味が無いのでしょうか?(とりあえず10年もてばいい?) 2.住宅保証機構は登録業者に対して監視能力や登録を外す等の強制力があるのでしょうか? 3.住宅保証機構の登録業者は年々増えていますが、どのような審査基準があるのですか? 4.柱の隙間に板を入れ、固定金具で固定しようと思いますが、問題ないでしょうか? それともそのままにするか、業者に頼んだ方がよいのでしょうか? 5.点検口のあるロフト付の部屋は夏場とても暑く、また冬は隙間風で寒いのですが屋根裏の天井にグラスウール断熱材を直接何かで(タッカーなど)貼り付けて効果はあるでしょうか? またそのとき軒にある通気口(Φ5mm位の小さな穴がたくさんあいてる)を塞がないようにしなければなりませんか? 6.建売住宅で図面がとても少ないのですが、4年近く経った後で、図面をもらうことはできますか?またその時にお金がかかるのであれば、幾らくらいかかりますか? まとまりのない相談内容ですが宜しくご指導お願いします。 |
yorozuの感想 | このサイトを見て非常に勉強になり、もっと早く知っていればと自分の勉強不足に反省させられます。 これからも頑張ってください。 |
アドバイザー | |
木津田 秀雄 | 相談員の木津田です。 輸入住宅の不具合ですが、メールだけではなんとも判断できませんし、その部分だけなのか、全体的な問題なのかも分かりません。ご指摘の部分は、決して良い状態ではないと思います。 さて、住宅保証機構ですが、これらの保証は基本的に工務店が支払う補修費用を8割まで負担する保険と考えた方が分かりやすいと思います。すなわち10年保証と言っても、10年のうちに何か問題が起きて工務店が補修工事を行う際に、その費用の出所として使える保険です。人間の健康保険に健康診断があるように、工事中に一定の検査があり、その検査に合格しないと、保険会社としては危なっかしくて保険をつけることができません。 またこの保険は、最初の2年までは出ません。すなわち一般的な工務店がいわゆる新築時の不具合についての補修を行う分については、保険は支払われません。そのため、2年を越えるときに、再度、保険会社が、現在の建物の状況を検査するという仕組みになっています。この時に不具合が発見されれば、基本的に工務店で全額負担して補修を行わなければなりません。 住宅保証機構のお客さんは、工務店であり、住宅取得者ではありません。複数の保証会社がある現在、場合によってはO.Gさんのように、本来のお客である住宅取得者をないがしろにするような会社もあるでしょう。本当は、このような会社が淘汰されてゆかなければならないのですが、幸い?品確法の制定で10年間は工務店が構造や防水に関する瑕疵担保保証を必ずつけなくてはならないようになり、工務店はみんな住宅保証機構のような保険に入ることになり、彼らは実際には非常に大きな数の契約を取っています。 しかしながら、品確法が施工されて数年しか経っていませんので、2年以内の物件の瑕疵については一切保険の支払いがありませんし、それ以降についても大きな問題が生じていないと思いますが、地盤の不等沈下など大きな事故は、これ以降に起こる可能性もあり、10年越えるまでなかなか安定しているとも言えないように思います。 (事故率が急上昇する可能性がある) そのような視点から、ご質問を見ますと、保証会社が工務店に対して何か制約的な事を要求するとは思えません。(規定はあるかもしれませんが) その他のご質問ですが、その部分だけの対処でしたら行ってみても良いかと思いますが、もう少し広い視野で建物を見る必要があるように思います。また図面ですが、建売であっても図面を引き渡すように建設省時代に通達が出ています。当たり前の話ですので、何年経っていても図面を渡してもらうように要求することは可能です。当然ですが費用は不要です。(だってご自分の建物の図面ですよね)まあ、コピー代くらいなら検討しても良いかと思いますが。 |
山口 雅克 | 解説員の山口です。 住宅保証機構は、私達のような設計監理専業ではありませんので、頻繁に現場を訪問してチェックしている訳ではありません。住宅保証機構の役目に関して誤解をされているようですので、再度、住宅保証機構のホームページなどを御覧になってください。 1.住宅性能保証制度:工事中現場審査に合格した住宅に保証書が発行され、万が一の修補費用を保険でサポートする制度です。登録業者が最長10年間保証するものです。 不具合があった時に保証するものなので、不具合がなければ保証の対象にはなりません。 2.住宅保証機構は検査をして、合格するかしないかを判断するだけです。勿論、検査に通らなければ保証は効かない訳ですから検査に合格するような工事はします。だからと言って何回も検査する訳ではありません。登録業者と言うよりも、その建物を保証するのですから、誤解のないようにしてください。 3.住宅保証機構の登録業者:基準はありますが期待されるようなモノではありません。前述のように個々の建物が対象です。 4.柱の隙間:現状で特に不具合がなければ、両面から補強材を打ち付けるのがいいでしょう。本来の施工者に無償で補強させるのがいいのですが、今の状況では難しいかもしれませんね。2×4の理屈がわかっている人に補強してもらいましょう。 5.グラスウール断熱材:効果はあります。 軒の通気口は塞がないようにしてください。 6.図面は保存されていれば、コピー代程度でもらうことはできるはずです。 |
コメンテーター | |
清水 煬二 | この業者と住宅保証機構の態度には、本当に腹が立ちますね。 写真で見ますと、この隙間は明らかに保証対象となるべきものです。 既にもらっていると思いますが、住宅保証機構の保証基準を良くお読み下さい。 木工事は、床、壁、天井、屋根、階段等の木造部分について2年間の短期保証で「木造部分は、木材の変形、変質により著しいそり、すきま、割れ、きしみ等の事象が生じてはならない。なお、木材は年月の経過により収縮するものであり、羽目板、縁甲板、巾木等に多少のすきまができるのはやむをえないことであり、住宅の品質又は性能を損なうものではありません。」と記載してあります。 写真では、ここでのすきまに相当しています。 また、ロフトといえども外気に対しては断熱材で囲われていなくてはいけません。 これが正しくなされていないようです。業者に手直しを要求できます。 但し、軒の換気孔は、決してふさいではいけません。 また、保証機構や業者の見解に不満があれば、保証事故審査会の審査を受けることもできます。 「住宅性能保証制度上の保証責任について、保証者と被保証者の間に意見の不一致が生じた場合には、保証者又は被保証者は住宅保証機構が設置する保証事故審査会(以下「審査会」といいます。)による審査を受けることができます。 審査会の構成は住宅保証機構の発行する保証内容について審査するもので、委員の構成は建築に関する学識経験者及び法律に関する学識経験者より住宅保証機構の理事長より任命された方々です。審査には、審査料52,500円(消費税込み)が必要です。」 工事業者が住宅保証機構に登録してもらうには、お金を払い、審査書類を出し、審査して登録が認められます。 解説員が述べているように、業者がお客さんになってしまいます。 完成後の当初2年間は、保証機構は責任をもたず、業者に費用責任を持たせます。 そのために2年後に検査させて、問題点は手直しさせておくのです。 いずれにしても、業者や保証機構がこの態度では、素人が訴えてもなかなかうまくいかないでしょうし、保証事故審査会でもどこまで味方になってくれるかわかりませんので、できれば第三者の建築士に間に入ってもらうべきです。 保証機構が今回のような失礼な対応であれば、その担当者の名前をはっきり聞いておいて、後でクレームを付けると対応も変わるかもしれません。 がんばってください。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | よく一般の方が誤解しているのは「住宅保証機構の保証があるから安心だ」「登録業者だから安心だ」という誤解です。瑕疵に対して保証する第一順位は登録業者にあります。登録業者が直したといったら瑕疵は隠されてしまいます。 隠されたものは壊してまで保証機構は確認しません。また、登録はただの手続です。一定の条件が当てはまればだれでも登録できます。保証機構が成立するためにはやはり一定の登録会社が登録料を支払ってくれなければ成り立ちませんから・・・・。過信は禁物です。お客さんは登録業者ということです。そこに住まう方ではないのです。 方法として第三者の建築士に調査を依頼し、その結果を施工業者ならびに保証機構に送って反応をみることがいいと思います。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 先日、御相談させていただきましたO.Gと申します。 お忙しい中、多くの先生方に丁寧で的確なアドバイスをしていただき、誠に感謝しております。 以前は施工者に直接連絡をしていたのですが、後日、誠実そうだった仲介業者を通してもう一度連絡を取ろうと思います。(連絡前にもっと勉強し、頭を整理しておきます・・・)入居3年が過ぎ、今更という気持ちで、一人悩んでいたのですが、相談することで、気持ちも楽になりました。本当に有難う御座いました。 |
その後 |
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