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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0853 任意で特約を結べば瑕疵担保責任は20年?

 相談概要 [氏名] H.K
[居住住所] 千葉県市原市
[相談建物予定地] 市原市
[職業] 公務員
[年齢] 30
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] ハウスメーカーの建築
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 50
[工事請負金額] 2500
[設計監理料] ?
[お手持ちの図面は何枚?] 無い
[打ち合わせ何回] −
[様態] 注文建築
[施工者] 大手ハウスメーカー
 相談内容 [家づくりの相談内容]
我が家を手に入れる〜」読ませていただきまし た。そこで、ん、と思ったことが一つありましたので、教えていただければと思います。

P31に「任意で特約を結べば、基礎構造部分も含め瑕疵 担保責任は20年まで伸張することが出来る」とありますが、「特約」とは何なのでしょう?お金を払えば伸張してくれるのか、それとも、その会社の誠意で伸張してくれる物なのか。また、もしお金を払って伸張する場合、大体いくら程度が妥当なものであるのか。以上についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
*品格法、住宅性能表示制度に関する分かりやすいホームページがあれば紹介していただきたいです。
 yorozuの感想 契約を結ぶ前にここのHPでもっと勉強したかった です。契約してから知らないことがどんどん出てきて……、家が建つ前から 不安です。
アドバイザー 
新垣 正清 解説委員の新垣です。

住宅性能表示制度における特約について、お答えします。「任意で特約を結べば、基礎部分を含めて・・・・・」とありますが基礎部分だけではなく、基本構造部分(柱、梁などの住宅の構造耐力上主要な部分等)以外も含めて、瑕疵担保責任の20年までの伸長が可能となっています。瑕疵担保責任を20年までと制限したのは、50年保障、100年保障を売りにする住宅メーカーの氾濫を抑制するため、保障の常識的な許容範囲を定めたものと言われています。 

 住宅性能表示制度は全ての住宅に義務づけられるものではなく、制度を利用するか否かは、あくまでも住宅取得者や住宅供給者の選択にゆだねられるものであり、制度を利用する多くの住宅供給者(主にメーカー)は、担保責任を20年に設定されていると思います。
住宅性能表示に関するホームページ
 財団法人 ベターリビング http;//www.blhp.org/
 畔上 廣司  解説委員の畔上です。

まず、瑕疵保証の充実に関するという部分で、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の第90条「瑕疵担保責任の期間の伸長等の特例」をご覧ください。ここでは、第87条と第88条の前文を受けて「新築住宅の取得(請負・売買)契約において、瑕疵担保責任を負うべき期間を、注文者又は買主に引き渡した時点から二十年以内にすることができる」と定められています。 これは、瑕疵担保責任期間10年に加え基本構造部分(構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分)以外の「地盤」も対象として含めた20年までの伸長を可能とする内容と解釈されます。

  この頃は、ハウスメーカーなどで「20年保証」がいわれていますが、これ等は、10年経過時に一定の検査やメンテナンスを有償ですることを契約書にもり込んだうえさらに10年を保証するという「10年プラス10年保証」というシステムを商品化しているようです。20年保証だからといって、瑕疵担保期間10年義務付けがそのまま20年義務付けになるわけではありません。

 したがって、費用負担して20年保証にするのかどうかはハウスメーカーなどによって対応は異なると思います。10年経過以後の費用はハウスメーカーなどによる点検や検査、メンテナンスの結果によって、基本構造部分以外の部位に対して修繕費用は別に発生することになるでしょう。 これは、品確法が施行されるまで、新築住宅の瑕疵担保期間は民法上最大でも10年間までとする解釈が一般的でしたが、品確法にもとづき、10年を超える瑕疵担保期間の設定が20年までの範囲が可能になったということであり、これを活用するか否かはあくまで新築住宅の取得契約者による選択であって、義務付けられてはいません。 

詳しくは、品確法だけでなく、住宅性能表示制度、保証制度との関係から財団法人住宅保証機構及び財団法人日本住宅・木材技術センターなど、また、国土交通省のホームページ等をご覧になれば、なお一層理解できると思います。契約済みのご様子ですが、これから建築設計が進展し、建物が施工されて行く過程もさらに大切です。不安がらずに施工者と互いに考え建てるつもりで頑張ってください。
 コメンテーター 
堀住 勝雄  契約先が大手のハウスメーカーとのことですから20年保証は対応可能と思いますが、双方の話し合いにより契約する内容です。

 各社とも印刷された立派な契約書式、契約約款を準備していますが、印刷された内容が全てではありません。会社側と話し合いの上、加筆なり修正なりをして特約事項を決めて契約をすべきでした。保険の契約書のように難解な事項は少ないと思いますのでもう一度契約書を読んで下さい。H.K様のお言葉を借りれば「お金を払えば伸張してくれる」ということです、金額は各社まちまちと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 保証の問題は各社まちまちですので、契約書や保証書の雛形を事前に入手しよく読んでわからない言葉や範囲を直接聞くことです。

保証に大いなる期待を抱くのは間違いです。
われわれの瑕疵調査などでは保証期間であっても瑕疵が起こると分譲マンションでも注文住宅でも、また、特に建売や条件付などは、即刻、瑕疵を認める場合は大変すくなく、「この程度はよくあることです。」「この程度は許容範囲である」「天変地異によるもので、瑕疵範囲ではない」など、たくさん見てきております。

重要なのは瑕疵を起こさないしっかりした家造りの体制こそが、実は隠れた大きな保証そのものなのです。あなたの家をこころをこめて造ってくれる設計者か?工事監理者か?現場監督か?職人達か?その辺をしっかり確認することこそ瑕疵のない安心した家に住めるコツです。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 かなり家造りにつて勉強不足な所がありましたが、丁寧なお返事のおかけでよく分かりました。
ありがとうございました。
今後も又、色々な疑問等があがった場合、相談させていただきたいと思います。
 その後  
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