相談概要 | [氏名] Y.S [相談内容] 売建住宅(建築条件付建売住宅)の瑕疵 [居住住所] 大阪府富田林市 [相談建物所在地] 大阪府富田林市 [職業] 会社員 [年齢] 33 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2004年 3月頃 [公庫は使わない] on [性能保証を使用] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 99 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1600 [設計監理料] 0 [様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅) [施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] した。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 5枚 [打ち合わせ何回] 3回 [施工者名] nk [販売会社名] I建築設計 [設計者名] nd [監理者名] わからない |
相談内容 | [現象] 初めて投稿いたします。新築で一戸建てを建築してもらっていて棟上げまで終わっているのですが、そこで2、3気になるところを発見いたしました。素人目にも工事が雑なような気がします。 1.基礎の部分に亀裂が角の部分からかなり延びています。 強度に問題はないのでしょうか? 2.二階の床から釘が巾木を通らずに、横から飛び出ているところが多々あります。 床が浮く原因になるのではないでしょうか? 3.外壁の防水紙が破れている部分が数箇所あり、それを留めている当て木も 付け方が雑なような気がするのですが、問題はないでしょうか? [業者の見解] これから相談するつもりです。 [相談内容] 以上なのですが、一度工事をストップさせて業者と話し合ったほうがいいのでしょうか?とにかくわからないことだらけなので困っています。何か良いアドバイスをいただければ有難いです。よろしくお願いします。今からでも間に合うような対策を(工事と業者に対して)教えていただきたいです。 |
yorozuの感想 | 一つ一つの相談に丁寧に対応してるのが、非常に好感を持ちました。 |
アドバイザー | |
長谷川 明弘 | 解説員の長谷川です。 1番に関しては、写真で見る限り、亀裂ではなく、コンクリートの表面のジャンカ(砂利の凝集)に見えます。構造的に大きな影響はありませんが、中性化が早くなり鉄筋に影響を与える可能性もありますので、モルタルで補修はしてもらった方が良いでしょう。 2番に関しては、ちょっと雑な工事に見えます。この箇所だけであればそんなに問題はないと思いますが、こう言った施工をする業者さんの場合、他にもこんな箇所がある可能性はありますので、他もチェックすることをお薦めします。 3番も工事が雑ですね、できれば張り替えてもらう方が良いと思います。ただ、防水紙の表側に横胴縁を施工しているので、業者さんが嫌がる可能性はありますので、最悪もう1枚その部分だけでも防水紙を張ってもらうと少しは良くなるのではないでしょうか? 写真だけの判断になりますが、少し雑な施工業者さんとは思いますので、できるだけ要望を聞いてもらえるよう頑張ってみてください。それでダメなら第3者の建築士に相談してみることをお薦めします。 |
橋本 頼幸 | 相談員の橋本@大阪、です。 すでに長谷川さんが解説されておられますが、1〜3のいずれもY.Sさんが心配されているようなことは少なそうです。確かに工事はあまり丁寧ではありませんが、見せて頂いた写真だけから判断する限り修正の方法はあります。 ただ、一つ。建て売り住宅と言うことですから、設計・監理者が十分に機能していない可能性があります。つまり、Y.Sさんが思い描いている通り図面が作成されていて、その図面通り現場が進行しているかどうかをチェックすることが十分になされていない可能性があります。それは間取りやデザインだけではなく、構造や設備なども含まれます。 一般的に施工者と建築主の間では建築主の方が圧倒的に弱い立場です。建築の知識や技術に乏しいものです。その溝を埋めてくれるのが設計・監理者の役割です。このことは当よろず相談でも何度も言われています。 建物には目に見える見えないにかかわらず、技術的な判断を求められることが多くあります。Y.Sさんが心配に思われるならば、設計・監理者にきちんとその旨を伝えるか、第三者の専門家に間に入ってもらうなどのことを検討されてはどうでしょうか? 確認申請書類が手元にあるならば、監理者は第1面に記載されているはずです。納得のいく家造りをして下さい。 |
畔上 廣司 | 解説委員の畔上です。 1.は、写真からうかがえる現象は亀裂ではなく、コンクリート打設時の事前に、型枠の中をよく掃除してなかったか、打ち継ぎ部分に浮沈物やゴミが付着したものと思われます。直接構造強度に影響があるものと考えられません。しかし、見た目に良いものではありませんし、放置した場合、要因さえあれば工事期間中での劣化も考えられます。早めにモルタル埋めなどの処置がしておきましょう。 2.は、2階のどの部位だかはっきりしません。床下地の捨て板が根太を外れているのか?下屋部分の垂木を外れているのか?何れにしても釘を打ち直している筈ですので心配ないと思われます。作業の進捗状況に応じて釘を抜くなり、カットをお願いしたら如何でしょうか。 3.の透湿防水シートの破れは、外装材を仕上げる前に補修用のテーピングをするなどしてしっかり塞いでもらってください。 外装は外壁内通気構法の縦張りサイディング張り仕上だと思いますが、下地ジョイント部分の巾広縦胴縁材への釘打ち間隔及び開口部廻りの受け材の組み方が甘いようです。受け材をしっかり配置し、釘打ち止めをしっかりしてもらいましょう。また、縦張りサイディング張り横胴縁下地の場合は、できるだけ空気の流れをスムーズにするため、910間隔で通気できるように1.8mの胴縁を千鳥に配置するのが理想的です。 添付写真だけでは断言できませんが、まだ施工業者と話し合えば分かる状況でしょう。業者に相談した結果、どうしても納得行かない場合は、第三者の専門家にアドバイスを受けるなどの対応を考えたら如何でしょうか。 |
コメンテーター | |
堀住 勝雄 | 上記の解説のとおり褒められた施工ではありませんが写真の範囲では重大な欠陥とも思えません。釘が根太(ねだ)から外れている所も上からその部分を確かめて見て下さい。外れた釘を補うように隣に打ってあれば問題はありません。 私たちの本「我が家を手に入れる前に読むQ&A80」是非ともご一読下さい、建築部材の名前など、業者と話をする場合にもお役に立つものと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 丁重な工事ではありませんが、手直しできる、よくあるものですので、直せば全く問題はありませんので、ご指摘して直してもらってください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | こんにちは、解説をお願いしたY.Sです。 このたびはまことに丁寧な解説をいただきまして、ありがとうございました。 仲介の不動産業者を介して、建設会社に連絡を取ってもらい設計者立会いの下、現場検証を致しました。 基礎の部分は、専用の補修剤で補修してもらえるとのことでした。 二階の釘のところは、解説者の方のおっしゃっていたとおり、釘を打ち直してあるとのことでした。 防水紙は、きちんとテープで補修してありました。 工事が雑なんじゃないかとも言っておきました。 かなり不安がありましたが、それほどの欠陥ではないことがわかり少しほっとしています。とりあえず、家が完成するまできちんとチェックして行きたいと思います。 |
その後 |
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