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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 0843 基礎を叩いて壊した?

 相談概要 [氏名] H.M
[相談内容] 売建住宅(建築条件付建売住宅)の瑕疵
[居住住所] 京都府京田辺市
[相談建物所在地] 京都府京田辺市
[職業] 会社員
[年齢] 36
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦 2003年 1月中旬頃
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 105
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 3480
[設計監理料] 0
[様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅)
[施工者] 地場大手ハウスメーカー;地域的な大手産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] −
[お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下
[打ち合わせ何回] 10回以下
[施工者名] C株式会社
[販売会社名] 株式会社T
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [現象]
基礎位置を誤って作ってしまったため、土台がちゃんと基礎にのらず、外にはみ出した形で建築されています。さらに基礎と基礎の間の間隔が狭かったため、ドアが入らず、基礎を叩いて割って無理矢理ドアをいれた形になっています。(外にはみ出ているのは2cm程度、ドアを入れるために割った部分の一番細くなった基礎幅は7cm程度)この部分がちょうど通し柱の入っている部分であるため強度・耐久性・耐震性に心配です。

[業者の見解]
施工業者は基礎の施工ミスについては認めていますが、住宅性能保証機構による検査に通ったということで強度的には問題ないとし、現時点では(強度的な処理について)なんら対処しないと言う見解です。
欠陥自体は施工側が発見説明したわけでなく、こちらが質問(何故コンクリをわるのか?何故基礎から土台がはみ出ているか?)したところ施工ミスであると説明がありました。

[相談内容]
そもそも通し柱直下というのは一番荷重のかかる部分だと思うのですが、この程度のズレは問題のないものなのでしょうか?業者は耐久性耐震性において全く問題がないといっているのですが心配です。

 yorozuの感想 家を建てるにあたり、もっともっと簡単なことなんだとタカを括っていました。実際このHPについても施工ミスが有って初めてみつけたものでしたので、もっと早くからみていれば良かったと思っています。
内容についてもわかりやすく解説してあるので一般人にとってはすごくありがたいページだと痛感致しました。
アドバイザー 
大内 彰 解説員の大内です。

基礎をハツッているので明らかに欠陥となります。初めからハツルつもりであればその旨説明がされているはずですがそれも無いようですから。
住宅性能保証機構の検査機関に直接これでいいのかと問い合わせてみたら如何でしょうか。
また、その回答は文書で明確にして貰ってください。
第3者に立ち会って貰い交渉する方が誤魔化されずに進められると思います。
 橋本 頼幸 大阪の相談員の橋本です。

まず、施工としてあまり望ましい状態ではないということはわかりますが、ご質問の内容と写真だけでは構造上に問題があるかどうかの判断はできません。
建物は基礎・柱・梁・筋違いなどのすべてのものが複合的に絡み合って強度をだすものです。部分的に基礎を削る、土台と基礎がずれているということが、強度に対してどの程度影響するのかは、建物全体を見ないと判断できません。

もうすでに引き渡しを受けてすべて仕上がっている状態で構造を確認することは容易ではありませんが、ちゃんとした専門家であればきちんと相談に乗ってくれるはずです。場合によっては床下に潜ったり天井裏に上ったりしながらできる限り確認し、ある程度の判断はできると思います。
もし、H.Mさんがどうしても構造上の不安があるようでしたら、第三者の専門家に調査を依頼する等をされてはどうでしょうか?今後何十年と住んでいく住宅ですから、不安であればとことんその不安を解消するように行動することをおすすめします。

住宅性能保証機構による検査や市役所等の中間検査・完了検査も、本来は設計・監理者がきちんと機能して、申請された図面通りつくることが前提で行っているものです。つまり、機構や役所が設計・監理者の代わりをしてくれるわけではありませんので、隅々まで問題がないかどうか確認することはありません。私の経験でも、ひどいところでは現場に検査にきて、5分もしないうちに「問題ないですねぇ〜。」と言って帰っていってしまったところまであります。

決して脅すわけではありませんが、自分の家を守るのは自分しかありません。そのための時間や費用を惜しむと後々ずーっと後悔することになりかねません。
H.Mさんが納得する方法を探して下さい。 
 阿部 重幸 阿部です。

写真の状況からの判断ですがかなり杜撰な工事とみうけられます。
まず、玄関扉横の布基礎は本来ならば土台の部分まででいいのではないか。
又、防腐土台の下に割材で厚み3センチ程のかさあげが見られるがレベル調整の為のものか、レベル調整であれば本来モルタルで施工するのではないか、写真からは、基礎の天端付けの施工がみうけられない。
等々がありますが、1枚の写真からは建物全体は把握できませんので建物の強度・耐久性・耐震性については判断ができません、一度、構造全体が見られる時に専門家に見てもらい判断を仰ぐ事をおすすめします。 
 畔上 廣司 解説委員の畔上です。

引渡し期日から察するに去年の写真となりますが、これはただ今建築中の建物ですね。添付写真はいつ頃の写真でしょう?工事進捗状況によっては引渡し日が気になります。

この写真だけでは何とも断定できません。見た目の解説となります。写真では、基礎コンクリート(ベタ基礎か布基礎か判断?)15cmの立上り厚を5cm〜程度斫っていますので、内部側の鉄筋かぶり厚さ不良、土台アンカーと通し柱接合部分の納まり具合も何とも心配です。

いわゆる工事監理者不在の現場と言っても過言ではありませんし、手直し或いは補強工事は必須の状況と判断されます。
施工ミスを認めながら、是正工事を行なわない業者ですから、他工事部分も信頼できませんし、誠意を期待することが無理かもしれません。

なお、保証機構の審査制度は、「一般現場審査」と「特定団体現場審査」があります。
審査書式はほぼ同様ですが、一般現場審査では、基礎の検査と軸組構造部分の2回について機構検査員が審査し、特定団体現場審査では、基礎検査は業者内の団体検査員が行ない、軸組構造部分は機構検査員が審査します。これに合格した場合、機構に住宅登録し、住宅性能保証制度「保証書」が発行され、保証約款に従って保証されることになっています。

財団法人住宅性能保証機構の現場審査をクリアしたとのお話、この点、基礎を半分近く斫るなどはもってのほか、保証機構の審査で到底通用する施工内容ではありません。
本件の施工業者は地場大手ハウスメーカーとのこと、「特定団体現場審査」の場合、自社内検査員が行ないますので、甘い検査の手抜きも有り得ます。

何れにしましても、この際しっかり業者に是正を要請すること、これがダメな場合は、登録予定の保証機構事務機関(多分、(社)京都府建築士会)に連絡するか、第三者の専門家に相談するなど、ご自分で納得できる対処方法を考えてください。 
 コメンテーター 
関口 啓介 基礎から土台がはみ出ている事に関して、アンカーボルトの土台緊結位置も気になります。
解説にもあるように、全体の中でどのような部位であるのかがわかりませんが、基礎の断面欠損、鉄筋のかぶり不良が発生していると思われます。また、土台下のネコ土台に使われているものは、専用の製品でもなければ、堅木でもなさそうです。全てにこのような木が使われているのでしょうか。樹種によっては問題です。

業者が言う、「耐久性・耐震性について全く問題が無い」との見解ですが、書面にて根拠を提出頂くと良いでしょう。根拠について第三者の専門家に確認して頂くとともに、写真のような状況では、その他にも問題があるかもしれませんので、チェックして頂くと良いでしょう。

住宅保証機構が検査したとの事ですが、検査後に基礎をはつった可能性も高いです。
工程的には基礎・軸組構造検査の後で玄関ドアを取り付けるのは通常です。また、仕上材で覆ってしまえばわからなくなってしまいますので、住宅保証機構に連絡して、現状を確認頂く事が必要かと思われます。
 事務局から 
  荻原 幸雄 構造的な点は1枚の写真では断言ができませんが、はっきりしていることはあなたの家は設計、工事監理、工事管理(監督)の3つが一体になっていたというは確かです。

残念ながらこのような工事になったとはいえ対処方法が大切です。
それにはこの部分の強度的な検討をし、その上で補強方法を考えることが大切です。基礎を壊した以上、「大丈夫です。」という言葉だけでなくその根拠を施工者は示すべきものです。

再度、ご確認して大丈夫という根拠を文章でもらってください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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