相談概要 | [氏名] N.T [相談内容:] その他 [居住住所] 千葉県 [相談建物所在地] 千葉県 [職業] 公務員 [年齢] 35 [男性] on [構造] 木造(2X4工法) [引渡し年月日] 西暦 年 月 日 [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] [工事請負金額] [設計監理料] [様態] 注文建築 [施工者] − [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んだ。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。 [確認申請の為の委任しましたか?] - [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [お手持ちの図面は何枚?] − [打ち合わせ何回] − [床面積] − [施工者名] [販売会社名] [設計者名] [監理者名] |
相談内容 | [現象] 私の建築中の話ではなく、知り合いから聞いたはなしです。設計事務所に設計をしてもらい、工事管理も同設計事務所にお願いし、必要な業種別に業者をその設計事務所に手配してもらい、工事は建築、設備、電気等に分けて分離発注の契約をしました。 工事が進行し始め、材料なども届いて来ていますが、設計事務所が遠方でもあるためかこれ以上管理が出来ないので止めさせてと言ってきました。設計事務所には設計料だけでなく手配もしてもらう約束で600万払っているのですが、工事の完成を見ずに、手を引くのだから、過払いの料金を返してほしいと言うのです。 また、残工事は別の設計事務所に管理をお願いするとの事ですが、確認通知書を前事務所があづかったまま、申請者本人の所へ届いていないというのです。管理者だけを変えて、着工時の設計を生かして残工事を完成させることは、問題ないでしょうか。届いている資材もそのまま使用して良いでしょうか。残工事を管理する事務所へは、どのくらい管理料を払ったら良いのでしょうか。 [業者の見解] 前業者(設計事務所)は一方的に止めたいと言うばかりで話がつかず、会社(設計事務所)の存続も危ない状態なのではないかと推測されます。代金600万は全額返してもらえそうになく、確認通知書も申請者本人には返らず、困っていると言う状態だそうです。 残工事の管理をお願いした事務所は好意的で、各分離発注した業者の持っている図面を元に工事を進めるつもりだが、確認通知を受けた内容と異ならないように、市の申請書(正本)と照合したいと言っています。 [相談内容] 設計および工事監理、業者の手配などの費用として払った600万円は工事が完了しなくても、全く返してもらえないのでしょうか。確認通知書も渡してもらえないような状態の中で前の設計をそのまま使って、残工事を進めることには問題ないのでしょうか。届いている材料費の一部は前管理者に渡った600万から一部支払われているらしいのですが、今後の工事で使用して問題にならないのでしょうか。 600万は前工事管理者の行った仕事内容からすると、十分過ぎると建築主は考えているようです。 |
yorozuの感想 | 無料で相談にのっていただけると言うだけで、非常にありがたいです。今後も続けてほしいです。 |
アドバイザー | |
樽 一弥 | 樽解説員の解説です。 契約が輻輳しているようですね。 @設計監理の委託契約 A分離発注での工事請負契約(建築、設備、電気) --- @の中身は設計業務と監理業務ですが、建物全体の工事管理はどこが行うのでしょうか?手配もするとの文面から想像するに、管理も含まれているようにも受け取れます。 設計監理の委託契約 @の委託契約では申請業務と設計業務が完了しており、本人が監理を続けることが出来ないので別の監理者に再委託した。 これについては、施主がa.再委託を認めるか b.契約解除をするか の何れかです。 aの場合は新しい監理者に業務を継続してもらうことになり、費用も責任も当初の設計事務所が負担すべきです。勿論、当初契約の費用清算は業務継続中ですから現時点ではありません。 次にbの場合は当初事務所との清算と新事務所との監理契約を行う必要があります。 文面からですと、bというように想像できますので、当初事務所は確認通知書は勿論、設計図書等の成果品を施主に引き渡す義務があり、費用も清算する必要があります。 少なくとも監理費用については未成がありますので既にお支払いの場合は返金されるべき費用です。もし、清算されず紛争となった場合は業務の不完全履行・・賠償請求ということになり、弁護士さんの出番という事になります。 工事管理契約 材料費の一部が支払われていることからすると、当初事務所に施主の代理として材料の分離発注を委託されたか、工事管理若しくは請負そのものを受託したものと考えられます。前者の場合は材料が現場に到着したことで業務完了したと考えられ、材料は施主が自由に使って構いません。 後者の場合は業務の継続ができませんので、設計監理と同様にa,bの選択肢と結果が生じます。 様々な契約が設計事務所に重複していますので、まず委託された内容について設計監理と工事契約について各々検証するのが先決だと感じます。 明確でない段階で、しかも行政への申請内容すら分からない状態では工事を進めることは止めるべきです。 また、届いた材料についても施主の分離発注か請負かによって所有が異なりますので、契約内容を明確にした上でないと使用すべきでないでしょう。 新しい事務所も協力的とのことですので、今後完成に向けてキチンとした仕事の進め方を構築するためにも、一つ一つ順番に解決された後に再開されたら如何でしょうか。 |
コメンテーター | |
津村 泰夫 | 途中で工事を引き継ぐ場合には、各工事種別ごとに出来高を評価し、それぞれの見積書から精算する必要があります。工事の管理費用についても同様です。 私たちは、設計事務所が業者に分離発注をおこない工事管理をおこなうことは、本来工務店がおこなうことであり、設計事務所の業務ではないと考えております。設計事務所のおこなうのは監理であり、工事の管理を監理することにより、きちんとした建物づくりが出来る仕組みになっています。 今からでも工事管理の方は工務店に入っていただく手も考えられてはいかがでしょうか。それと、元の設計を使って継続することは、通知しておけば問題ないと考えます。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | よろずでは三権分立の家造りを推奨しております。 建築主-工事監理(通常設計者)-工事管理(施工者) これらが独立して、それぞれが決まった仕事を誠意を持って果たすことがもっとも重要であると考えております。 家づくりのシステムは大きく分けて3つに分類できます。 1)建築主-工事監理(施工者に従属する設計者)-工事管理(施工者)が今までの設計施工の考え方です。 これは工事監理が独立できない実態があります。 最近、これとは逆ですが設計事務所が中心になっている 2)建築主-工事監理(施工者とは別の設計者)-各専門業者 施工者を抜いております。所謂、分離発注です。 これのうたい文句は施工会社を抜いて直接下職に仕事を依頼する方法で、施工会社の経費をなくし、その費用を建築主+設計事務所で分ける考え方です。 今回の相談はこのタイプになります。施工会社がいないので工事管理者が不在となります。 3)建築主-工事監理(通常設計者)-工事管理(施工者)がそれぞれ独立しているシステムで 一番民主的な方法です。(よろずではこれを推奨しております。) 相談者は代理ですので、工事管理と工事監理が混同しているようです。 2)のシステムはそのように混同された責任の所在ははっきりしないシステムなのがお分かりだと思います。 契約関係がどのようになっているのか?調べてください。 どこまで終わったか明細の契約書はありませんか? 設計監理契約と各請負契約書及び見積書です。これらを精査する必要があります。当然過払いは戻ります。 これを引き継ぐ設計事務所があるとしたらグループによるシステムでしょうか? そのグループには責任を取る行動はないのでしょうか? 例えば、預けてある確認申請図は責任を持ってグループであれば引き継いだ事務所が取り戻すべきです。 グループでない場合は引き継いでくれる設計事務所に前任者の事務所までいってもらいもらいましょう。 今回の場合は何ら拒否する理由がありませんから、もらえるでしょう。 3権分立の精神をお伝えください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 先日相談をお願いしたT.Nです。早速の丁寧なご返事をいただき、ありがとうございました。いろいろなケースに分けてご回答いただき、とても良くわかり、勉強になりました。 |
その後 |
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