本文へスキップ

一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0808 買い換えの場合の建築家への依頼は?

 相談概要 [氏名] T.Y
[居住住所] 神奈川県津久井郡
[相談建物予定地] 未定
[職業] WEBデザイン
[年齢] 41
[女性] on
[構造] わからない
[設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。
[何階建て] 2〜3
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 15
[工事請負金額] 未定
[設計監理料] 0
[お手持ちの図面は何枚?] 無い
[打ち合わせ何回] 打合していない。
[様態] 注文建築
[施工者] −
 相談内容 [家づくりの相談内容]
 現在はフリープランで建てた家に約8年居住しております。ですが、場所もさることながら、希望していた家屋とは全く異なるため、家を売却して別な場所に買い換えをしたいと思っています。

当方はバイクレースとガーデニングが趣味なため、最初は自然が近い、納屋のついた古屋を賃貸で捜していましたが、なかなか物件が見つからず、結果、新築したのですが、バイクの整備スペース、汚いモノが収納できるスペース、ガーデニングスペース…どこをどうとっても、今の家屋では作りが普通すぎて使い勝手が非常に悪いのです。

また、新築した場所も、欲しいと感じた所とは異なりました。そこで買い換えを考えたのですが、まず現在ローンが1800万程度残っており、先日簡単に不動産屋に査定していただいた結果、絶対に売るので有れば思い切って下げて1300万と言われました。このご時世、そしてこの場所、更には競売物件も近隣に多くて、新築も中古も売れないようで、このように思いっきり下げないと難しいのでしょう。
これがもし売れても、媒介して頂く不動産屋の物件の中から引き渡しの期間1ヶ月以内に物件を決めて引っ越し、その物件に残ったローンを上乗せで支払い…との事でした。

しかし、申し上げた通り、普通の間取りですと使い勝手が非常に悪いのです。私自身の理想は、土地を広く残したいので、10〜15坪程の敷地面積で、中庭があり、中庭でバイクをいじるスペース等を作りたいのです。また、システムキッチンも使い勝手が悪く希望していません。こうなると、建て売りでは不可能で、設計家の方に依頼してつくって欲しいところですが、買い換えのため、これも難しいのかな…と悩んでいます。
建て売りには正直どうしても3000万もの魅力を感じません。

そこで質問ですが、買い換えの場合は建築家の方へ依頼しての物件というのは困難でしょうか。建て売りはどうしても納得できないのです。不動産屋が言うには、期間が間に合わないので不可能とのことでした。もし期間だけが問題ならば、その間は別な所へ借り住まいも考えますが、売りが成立して引き渡す際には、新居が完成していなければ買い換えは成立しないのでしょうか。幾ら買い換えで、ローンが残っているとはいえ、2000万以上もする買い物に、1ヶ月で決められた中から選ぶのはあまりにも選択肢がない気がしてならないのですが…。
 yorozuの感想 今まで誰に相談すれば良いのか解らず、数年が過ぎました。それに建築家と聞くと、高級な注文以外は受け付けない…というイメージもありました。相談するにしても不動産だと利益になることしか解答してないような感じもするし…。ですがこんな素晴らしいサイトがあるなんて!疑問を抱きながら諦めるよりは、思い切って相談した結果駄目だったなら諦めもつきます。もしくは解答が見いだせるなら、もっと素晴らしい事です。
世の中には商売というより、いい仕事、業界の未来に、本気な人も沢山居るんだなぁ…と感心しました。
アドバイザー 
清水 煬二 解説員の清水です。

 疑問に思われていますように、不動産屋の物件の中から1ヶ月以内にご自身の希望にあったものを探すのは、文面内容からしますと、かなり難しそうですね。
こんなことなら買い替えなければ良かった…と後悔される可能性が高いと思います。

その選択肢を選ぶのであれば、まず、その不動産屋さんの物件の中から、ご自身の希望にあったものがあるのかどうかを確認する方が先になるかと思います。
おそらく、なかなか無いでしょうから、他の不動産屋さんも含めて捜すことになるでしょう。
それでも、建て売りとなると、フリープランか建築条件付きといわれているもののなかから選択しなければ、少なくともご希望の間取にはならないでしょう。
当然、仮住まいや資金計画の考慮が必要です。

気にいった物件が見つかっても、ご自身の自宅の売買までに時間が掛かり、この方法では資金的に融通が付かない場合困りますね。
しかし、まず、探すことによって、そもそも希望物件が存在するのかどうかが費用や資金計画も含めて大体わかるはずです。

新たに購入する物件探しの時点で希望の新築プランができそうか、または、建売りや中古であれば費用面、法規面、構造面を含めてリフォームで希望を実現できそうか?
といったことを判断しなければなりません。

別の選択肢として、場所の問題は残りますが、現在のお住まいをリフォームすることでは、解決できないのでしょうか?

資金計画や、ローン以外の自己資金がどの程度用意できるか、物件や工事にかかる費用はどの程度なのかにもよりますが、肝心なご希望の内容については、早い段階から建築家に参加をしてもらわなければ、判断できないのではないでしょうか。

建築家すべてが高級住宅しか建てないわけではありません。有料相談であったとしても、建築家にアポイントをとってみて、気が合いそうか、費用はどうなるのか、家に対する考え方に納得できるか等を含めて、正式依頼をするかどうか決めると良いでしょう。

よろず相談会も行われることになりましたので、タイミングが合えば、ご利用されてはいかがでしょうか?
古賀 保彦  解説員の古賀です。

 「現在お住まいの住居が普通すぎて使い勝手が悪い」、率直なご意見だと思います。住居という箱に生活スタイルを無理に合わせる事はありません。
巷にももっと自分だけの生活スタイルに合う、他とは違う空間構成があっても良いはずですが、市場での流通がそれを妨げているのでしょうね。
建売だけでなく注文住宅にしても、「普通」(大多数)の住まい方をベースにした作りに傾きがちです。現在のお住まいがフリープランでありながらT・Yさんの希望通りでなかったのはそのあたりに原因があるのかもしれませんね。

 住まいはプランだけでなく、敷地環境、採光・通風などの自然環境も加味された立体的な空間です。また、それは構造の安全性をはじめとする技術に裏打ちされたものでなければなりませんが、このような事を一から建主さんと一緒に創りあげるのには多くの労力が必要になってきます。
労力=手間がかかるものは、企業からすると効率が良くありません。建売・ハウスメーカーで対応しきれない原因はここに大半があります。
いいなと思う住まいには建築家の手によるものが多いですが、それは建築家が上記の労力(手間)をなりわいとしているからだと思います。
人にもよりますが、高級な住宅以外は受け付けないなんて建築家は少数です。
気の合う建築家とめぐり合って、今度こそ自分にぴったりの住まいができますよう頑張って下さい。

建築家にご依頼される場合は、現在のお住まいの売却と平行して、土地の選定・購入、仮住まいへの引越し、設計、新築工事という流れが一般的かと思います。売却から土地の選定・購入、仮住まいの選定までは不動産会社の協力が必要です。
また、現在のお住まいの売却差損の扱い、抵当権抹消、新規ローンを含めた資金計画には金融機関との事前相談も欠かせません。上記の流れで融資が可能かどうか、売却依頼に先立ってご自分でも金融機関に確認された方がよいでしょう。

・売却時のローン残債の有無
・土地購入時の手持ち資金額
・諸経費充当分の手持ち資金額

によって方法が変わってくる事もありますので、はじめから建築家の協力を仰いで第三者アドバイザーとして入ってもらった方が良いかもしれません(建築家の得手不得手にもよりますが)。

ご希望をかなえるためには多少面倒な事もご自分でトライしなければなりませんが、やってみると案外簡単で、世の中の仕組みも見えてくるものです。あせらず、頑張って良いお住まいを実現してください。
 コメンテーター 
長谷川 明弘  建築家に依頼すると、メリットもありますがデメリットもあります。例えばハウスメーカー等に依頼するとなんでもハウスメーカーが手配してくれますが、建築家に依頼した場合は自分でやらなければならない部分が増えます。
ただ、自分にあった良質の住宅をつくるのなら、建築家に依頼した方が夢の実現には近づくはずです。自分が欲しいものを手に入れるのにはかなりの労力がかかります。しかし色々と苦労して欲しいものが手に入った時は感動的なものです。
ぜひぜひ頑張って、相性の良くって気の合う建築家をお探しください。 
 事務局から 
  荻原 幸雄 先ずリフォームの可能性を模索してみる方法があろうかと思います。
買い替えに場合のリスクは現在の家が売れなければならないこと、また、ローンや変え買え特例を利用する場合はあまりに期間が短いことです。売れなければ実現が暗礁に乗り上げるというリスクを抱えることになるのが問題です。建築家に依頼されるケースで多いのは、貴方のように一度家を手に入れていろいろな問題に気づく人です。そして今度は自分が思った家づくりを目指す。そんな方が多いのも事実です。
初めて家を手に入れる方は建築家は敷居が高いし、設計料も掛かる。そうお思いになるのも無理はありません。
しかし、現実二度家を持つ人は少ないのですが、一度目で勇気を奮って遠慮なく建築家に依頼して欲しいものです。

貴方の場合はリフォームの可能性を相談するのもいいと思います。
可能性はゼロではありません。引越し費用、銀行手数料、不動産手数料を考えたら設計料はそのトータルよりも安いですから建築家に相談してもらってください。

よろずでは2ヶ月に1回建築よろず相談喫茶室として1000円で建築家と相談やら雑談する場所を設けております。そこで建物の図面をお持ちいただいて、リフォームの可能性を確認してください。
いいアイデアが出るかもしれません。

がんばってください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 実は家自体の相談というより買い換え相談みたいな内容になってしまって、答えて下さる方々の範疇とは少し離れてしまい、お答えいただけないかも…と思っていたので感激です。多くのお答えの中でリフォームという選択肢がありましたが、希望の一つとして、今の場所から越したいという事もあるので、まずは、清水先生のご指摘の通り相談した不動産屋に限らず、欲しいなと思った地域の不動産の情報招集からはじめて、その後で買い換えが可能か、建築家の介入ができるか…を一つずつ解決してゆこうと思います。皆様方の解説でほぼ建築家への依頼が夢で終わりそうだった所へ光が射した感です。また、進展した際、そして本当にこの人が言っていることは正しいの?
と思ったときには是非相談したいと思います。本当にありがとうございました。
 その後  
目次に戻る

バナースペース

一般社団法人 建築よろず相談支援機構

〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107