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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0800 一級建築士どちらの説明が正しいのでしょうか?

 相談概要 [氏名] I・T
[居住住所] 神奈川県川崎市中原区
[相談建物予定地] 東京都大田区
[職業] 会社員
[年齢] 34
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] 建設会社の建築士
[何階建て] 3
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 25.5
[工事請負金額] 1350
[設計監理料] 50
[お手持ちの図面は何枚?] −
[打ち合わせ何回] −
[様態] −
[施工者] −
 相談内容 [家づくりの相談内容]

準防火地域の3階建住宅建設に関する質問です。

第一種中高層地域 第2種高度地区、準防火地域に木造の3階建プランを検討中です。

複数の業者様から見積もり、プランのご提示をうけておりますが、意見がわかれていているところがあります。

準防火地域の3階建住宅は少なくとも準耐火構造にしなくてはならないと理解しておりますが、ある業者様からプランの説明時に下記のような説明を受けました。
木造3階(準防火)の規制があり、隣地境界線から「1m」未満の箇所においては、次のようなの開口部規制があるとのこと。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
隣地境界線から「1m」範囲内の開口部は次のいずれかの防火設備としなければなりません。
  ・常時閉鎖式のもの
  ・随時閉鎖でき、かつ、火災時に自動的に閉鎖する構造のもの
  ・はめごろし戸
緩和規定として居室以外の室(WCや洗面・廊下など)の換気用の窓(0.2u以下)は設置できます。火気使用室には緩和規定は適用されません。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

これに対し、3階建住宅でかつ準耐火構造であるならば、この規制はあてはまらないという説明を別の業者様より受けました。

双方の業者様も一級建築士の方からの説明であり、またともに建築基準法 完了検査を受けて検査済み証がとれる (要は違反建築ではない)と主張しています。

どちらの説明が正しいのでしょうか? ご教示いただけると助かります。
 yorozuの感想 者によって意見がわかれ、自分で調べてもわからないようなことがあったとき、このような相談窓口があると本当に助かります。
アドバイザー 
三浦 惠翁  どちらも正しいのです。防火構造と準耐火構造の建築物の違いを理解してください
 
準防火地域内に3階建住宅を建てる場合は、耐火構造、準耐火構造、防火上必要な技術基準に適合する建築物(防火構造)、の何れかでなければ為りません。木造で建てようとすれば準耐火構造よりやや緩やかな、「木造3階建ての建築物」(建令136の2建告1903〜1905)基準に適合されていなければなりません、緩やかといっても、隣地境界線から「1m」未満の規準以外にも外壁、開口部、軒裏、主要な構造材、天井等いくつかの基準をクリヤーし無ければ為りませんので建築費用を考え建築士と相談、悔いの残らない家造りをなさってください。
 関口 啓介 関口です。

三浦解説委員の言う通りです。どちらも正しいです。

従来、準防火地域内では、耐火建築物、準耐火建築物しか建築する事ができませんでした。
昭和62年11月に施行された「準防火地域内の木造3階建てに関わる法令改正」により、防火上必要な技術基準に適合すれば、3階建て木造建築物についても、建築が可能となりました。それが、隣地境界から1m以下の場合・・・、と言うものです。
当然従来通りの準耐火建築物や、耐火建築物であれば、この技術基準はあてはまりません。ですから、それぞれの提案は、それぞれに合法的だと思われます。
敷地条件や、計画内容・コスト等により、どちらに適合させるかは判断されるべきだと思われます。
それぞれの利点、デメリットがあるので、良くご理解頂き、その上でご判断されると良いでしょう。
 コメンテーター 
今井 優子 二人の解説員の言うように、どちらの説明も間違っていません。
建築基準法というのは、項目によっては、非常に複雑で、かつ、それをクリアするために取れる方法が複数存在したりすることが珍しくありません。

そのような場合、敷地の状況、地域性、予算、意匠性、施主のライフスタイル、など等の余条件を鑑みて、物件ごとに適切な方法を選択しますが、建設会社の設計施工の場合、その会社の得手、不得手が選択の大きな要因になることもあります。
そのこと自体は悪いことではないと思います。他の条件に照らして、その方法が合理的なやり方ならば、無理に不得意な施工を選択する理由はありません。
今回ご相談のケースも、それぞれにその建設会社が慣れている方法なのかもしれません。
それぞれの、メリット、デメリット、プラン上の制約、コストなど等、詳しい説明をしてもらい、ご自分の好みに合う方を選択されたら良いと思います。 
 事務局から 
  荻原 幸雄 法的流れを説明しておきます。
準防火地域では以前は木造3階建ては建築できなかったのですが、「準防火地域内の建築できる木造3建建築物の技術基準」が制定されてこの基準に当てはまればできることになりました。
その後、「準耐火建築物の構造の概要」が制定され、ロ準耐-1というものの基準が木造3階建に適用できるものでしたので、この基準でも可能となりました。

どちらを使うかは設計者判断となります。それぞれの法のメリット・デメリットを理解して造りたいものにより適切な法の選択をすることになります。

ご相談の流れだと後者の選択を望まれているようですが、それぞれの建築士にメリット・デメリットを聞いてみてください。その上で判断してください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 皆様、詳細なる回答ありがとうございました。
業者様と相談の上、どちらのプランが自分たちにとって適切か慎重に判断して決めたいと思います。

結果がでましたら、また追ってご連絡させていただきます。
 その後  
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