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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0799 新築後約3ヶ月でカビが発生するものでしょうか?

 相談概要 [氏名] M.S
[相談内容:] その他
[居住住所] 東京都品川区
[相談建物所在地] 東京都品川区
[職業] 会社員
[年齢] 35
[男性] on
[構造] 鉄筋コンクリート造(壁式構造)
[引渡し年月日] 西暦2003年 3月 17日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 3
[延べ面積m2] 83
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 2600
[設計監理料] 200
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 50枚以下
[打ち合わせ何回] 15回以下
[床面積] 50m2以下
[施工者名] Dハウジング
[販売会社名]
[設計者名] A・C
[監理者名] A・C
 相談内容 [現象]
・1階和室の畳の縁周り全体にカビが発生した事と1階納戸に置いていた鞄にカビが発生しました。建築物は1・2階がRC構造(外断熱・壁式工法)+3階木造建築です。

・新築後約3ヶ月でカビが発生するものでしょうか。(平日の昼間は留守がちですが、晴れの日の午後は窓を開け換気していますし、除湿器も稼動させています。)建設当初より気になっていたのですが、高さ制限がある為基礎部分の高さが通常450以上必要のところ200しかなく通気口がついておりません。通常、通気口があり風通しを良くして湿気防止を行うと思うのですが、私の所は通気口が無い為床下に湿気が溜まりかびが発生したのではないでしょうか。

[業者の見解]
・基礎はベタ基礎で高さ制限もあり基礎高さを200にしたとの事。
床下はコンクリートスラブ(t=250)+スタイロフォーム(t=30)その部分よりt=400空間になり更に断熱材(根太マットt=30)+畳になっている ので湿気が溜まること無く、カビの発生は構造上の問題では無いとの事。コンクリートがまだ完全に乾いていない為 湿気が現在生じ、また季節が梅雨時なのでその影響でしょうとの事です。

[相談内容]
・新築約3ヶ月で1階の和室の畳にカビが発生するのはなぜでしょうか。
・基礎部分に通気口が無いのは構造上として欠陥ではないでしょうか。
・基礎部分に断熱をしているから湿気が溜まらないと言う業者の見解は合っていますか。
・床下部分で上下には断熱層がありますが、側面には断熱層が無いので内と外での温度差が生じ結露しているのではないでしょうか。
 yorozuの感想 家を建築する事は人生でもっとも大きな出来事ですので、皆が安心して新しい家に住めるように今後も的確なアドバイスを宜しくお願い致します。
アドバイザー 
善養寺 幸子 解説員の善養寺です。

何と言ったらよいのでしょうか。ついつい大きな買い物ですから不安になったり、このところのマスコミの欠陥住宅の過剰な扱いに疑心暗鬼になってしまうのも仕方ないように思いますが、少し大らかに捉えた方が、幸せのように思います。

コンクリートの建物は、どうしても水で硬化させるという材質の性能上、建築後1〜2年程度は湿気の高い状況となりがちです。
特にこの季節、ただでさえコンクリートから水分が出てくるのに、湿度が高いと来ていますから、周りに影響させてしまうことは多々あると言わざるをえません。

床の仕様(断熱を含む)、床下換気を取っていない事と、畳やバックのカビとは直接的に関係ないと思われます。
寧ろ、コンクリート建築で床下換気など取った場合、冬の結露が酷くなるケースも考えられますので、まして外断熱仕様であれば外部に換気を取るより、内部と気密性の悪い関係を作って置くのが蓄熱性能を活かす意味では良いと思います。

ご心配の状況を説明しますと、コンクリートの水分が抜けている最中に加えて、外断熱をしているので、今の季節、まだ毎日温度が高いわけではないので、外部の温度の影響を受けにくいため(一階なので基礎梁を通じて地熱の影響を受けている)コンクリートが冷たく、その周りの空気が冷やされ相対湿度が上がる。その為結露したり、畳や皮など餌になる物が存在すると湿度と温度と餌のバランスが良くカビが発生する。と言う状況です。

多分、そこへ行くと、涼しさを感じると思います。
夏の冷熱源を持っているという点では、素晴らしいエネルギーが存在しているのですが、裏を返すと湿度が上がり、結露しやすい環境となります。
夏の洞穴やトンネルを思い浮かべていただくと解りやすいと思いますが、冷ーとして、湿気っぽいのが冷蓄熱の状況と温度が下がることによっての相対湿度の上昇です。
数年経てば、状況は変わってきます。
当面は機械的に除湿するのが良いでしょう。あまり神経質になって、防カビ剤など使用しない方がよいと思います。シックハウスになってしまいます。
除湿しながら扇風機などで風を当てて、湿度の高い空気が滞留しないようにすることです。

良い仕様じゃないですか。外断熱の効果で外部との温度差がはっきり現れている訳ですよね。湿度は下の方に下がりますのでどうしても気積が一体となった場合、下の方の湿度の方が上がってしまうのは仕方ないことのようです。

大らかに捉えて、設計者施工者との付き合いはこれから長く続きますので、信用して良い関係を続けてください。
 コメンテーター 
今井 優子  善養寺解説員の言うとおり、この設計内容は良識的な仕様だと思います。
建築物は、どんなものでも自然環境の中に立するものであり、多少なりとも自然(気候)の影響を受けています。
それを一切拒んだ、宇宙ステーションのような家に住みたいですか?
建物の維持管理に、手間を掛け面倒をみてあげることで、自然と密接にかかわりをもてると考え、大切にしてあげましょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄 説明が割りとわかりやすいために逆にわれわれも先入観でみてしまいます。
しかし、実際のところ現状を見てみませんと断言する解説はできていないという点はご理解ください。
床下通気口がないからといって今回の構造ですと欠陥でも違法でもないと思われます。

断熱材と湿気との関係は間接的にはありますが、直接的な関係でもありません。
側面に断熱材がないということですが、外断熱ならば外部もしくは内部にある筈です。
記述から内部にないと考えると外部にありませんか?
この点が気になります。また、地面は平坦ですか?廻りのどこかが敷地よりも高い敷地がありますか?

いろいろ状況によって見解が変わりますので、先ずは信頼できる建築士に調査してもらってください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 先日は、私の相談内容にご返事を頂き有難うございました。
解説員の善養寺様・今井様の解説を見て仕様には問題無い様ですので、安心しました。只実際には、カビの発生がありカビ等は人体への影響もあると聞いております。生活している私には問題ですので、何か対策を立てたいと思います。
数ある依頼の中から私の依頼にご返事を頂いた解説員の善養寺様・今井様には厚く御礼申し上げます。家を新築して困っている方は多々いると思いますので、今後も的確な解説を続けて下さい。
事務局のおぎわら様に対してもお礼を申し上げます。
 その後  
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