相談概要 | [氏名] E.J [居住住所] 品川区 [相談建物予定地] 未定 [職業] 主婦 [年齢] 38 [女性] on [構造] わからない [設計者はどなたに依頼しますか?] 専業の建築設計事務所 [何階建て] 3? [延べ面積m2] 90以上 [延べ面積坪] [工事請負金額] 未定 [設計監理料] 未定 [お手持ちの図面は何枚?] 無い [打ち合わせ何回] 打合していない。 [様態] − [施工業者はどちらに依頼しますか?] 特に決めていない。 |
相談内容 | 相談内容 [家づくりの相談内容] 建築家の方に依頼して10坪から20坪の家を建てたいとおもっています。 古民家の材料か古材を利用した家が希望です。 金額は土地を含めて5000万円くらいなら融資していただけるかな、と言う感じです。 まだ、なにも決まっていないのですが、古民家や古材を使用した場合、坪にしていくらくらいかかるのでしょうか? 又、普通に家を建てるより金額がかかるのでしょうか? そして、どんな建築家の方に頼めるのでしょうか? |
yorozuの感想 | 私のようにどこに相談していいかわからないでいる人にはとてもありがたいサービスだと思います。 |
アドバイザー | |
阿部 重幸 | 解説員の阿部です。 私事で恐縮ですが、家の建替えを依頼された場合、事前に今の家を調査し、新築の家にも利用できそうな物があればお施主様に了解をへて新築の家の中にひとつでも組み込んだ設計をする事を心がけています、そのままで使う場合も在れば、加工し別の用途で使用する場合もあります。 総じてお施主様にも好評です。ある物を無駄にしない、新たな用途への発創は、必要な事ですよね。 さて、本題に入りますが、古民家の材料か古材を利用した住まいが希望との旨、小生のケースだと殆どコストがかかりませんが、新たに買うとなれば大なり小なりの費用が掛るでしょうね。 坪いくらと言う考えは危険ですが、考え方としては、30坪の家、坪60万として1800万その内、材木費(構造材、造作材、化粧材等を含め)を坪当たり幾らの予算を見るか、坪当たり15%〜30%として300万〜500万位の予算が必要でしょうね。予算内で古材が手当できれば、坪60万になりますし、できなければ別に予算が必要になります。古材の量度や樹種・品質にもよりますが、50万円程の予算を組めば十分に手当てできると思います。 それと古材の場合、材料一度洗いに掛け素地を露にし古色等の仕上げを施しますがその費用として10万〜30万位が必要でしょう。特別な仕様でない限り普通の家と変わらないでしょう。 要は、総予算の中にあって構造、意匠、設備、のバランス良い物を創ることであると小生は思います。 又、建築家によって得手不得手は在るでしょうが、貴方の思いを十分に理解してくれる人あればできるでしょう。 建築家はあくまでも貴方の脇役です。主役は貴方ですがんばって貴方の思いを成就させてください。 |
星 裕之 | 解説員の星です。 過疎化が進む地域では藁葺屋根の廃屋は至るところに見受けられ、所有者にちょっとしたコネクションがあれば比較的容易に譲り受けることができるようです。価格も無料であることもあるようです。 しかし、解体は手仕事となり坪10万円程度、計500万円程度は必要になるかと思います。また解体した木材を一時保管しておく場所の問題等予想外の出費が必要になるものです。 解体してみると、思ったほどの材質ではなかったり、腐食によって木材が転用できなかったり、木のねじれによって再組立が非常に難しいかったりと次から次へと問題がでてきます。そう考えると、最低でも坪100万円、想定50坪で総額5000万円程度の予算は見ておいたほうが良いかと思います。それらの伝統工法による軸組に見劣りしない自然素材で再構成すればさらに費用は上がっていきます。 都市部においては、建築基準法、特に防火規定により移築は難しいのではないかと思います。貴方が想定されているような3階建は「移築」ではほぼ不可能かと思います。「古材利用」を中心に考えていくことが得策かと思います。 |
善養寺 幸子 | 解説員の善養寺です。 民家古材を利用して家を建てたいというのであれば、それを専門にしている設計事務所に依頼するのが、材料を入手したり、法律に適合させるなど、安心して任せられると思います。友人の建築家も古民家再生を専門に行っているのですが、そこが設計監理をやった物件と、ある国立大学の建築科学生達が行っている再生を見ましたが、後者の方は不幸としか言いようのないデタラメの再生でした。(強度も何もあったものじゃない見せかけの古民家再生でした。) 民家をご自分で探され買われることは、ともすると安い事もあるかも知れませんが、既に古民家材として、それを扱う流通業者がいますので、設計する建築士と一緒にそれを選ぶ方がリスクは少ないと思われます。 新しい材で民家調に伝統工法で作ると言う方がともすると安価の場合があります。 (2階建てなら、可能と思いますが、3階は法規も厳しいので難しいと思われます。) 小住宅規模なら私の知る限りでは安いです。 どうしても古民家材と拘るのであれば、古民家再生協会などにご相談されると良いと思います。価格はそちらで聞かれた方が、最近の相場が聞けると思います。 設計事務所にはそれぞれの得意分野があり、経験値も違いますので、餅は餅屋で買うのが間違いないと思います。 |
コメンテーター | |
今井 優子 | 古民家再生や古材利用は、一般的に流通しているものではないので、想定での坪単価を出すことは不可能だと思います。 材料(古民家)を安く譲りうけたとして、その解体費用や運搬費、加工費など殆んどが人件費ですから、材料の状態や建設地の状況など諸条件に大きく左右されます。 同じ理由で、完成までのTime flowも一般的な概念をあてはめるには無理があります。 古民家(古材)利用は、ある意味、思い出や思い入れといった情熱に頼る部分が大きいものです。 情熱を共有して、一緒に取り組んでくれる建築家とじっくり作り上げていって欲しいと思います。 また、古民家の良さは、しっかりした柱と、大きな梁に支えられた大空間です。 そのよさを生かすには、狭小3階建ては不向きだと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 古民家を構造から利用するのは高くつきます。坪100万円ははるかに超えるでしょう。 勿論東京都区内では2階建てとなるでしょう。 古材を利用する場所が問題ですが、いい材が手に入ればいいですが、通常はねじれや亀裂が多い場合もあり、その利用の仕方も構造的な検討がいると思います。 古材を仕上げ的に使う場合はそれほど得意不得意は意識しなくてもいいと思いますが、柱や梁などの構造材として利用する場合は吟味する能力が必要でしょう。 構造材は新材、または一部であれば問題なくどこの設計者でもできると思います。 ただ、本格的にほとんどの構造材を古材で利用する場合は古材と流通経路の掌握している設計事務所に依頼したらいいでしょう。探すには古民家再生協会や団体に聞くとよいでしょう。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | こんなにたくさんのメールをいただけるとは、思いもよらず、とても嬉しかったです。 皆さま、本当にありがとうございました。 まだ、何も進んでいないのですが、帰って来たときにホッと安らぐような家は、やはり古い日本家屋だ、主人とも見解が一致し、またそのなかに『日本人』を感じたりしてせっかく日本に産まれたんだから、という思いも出て来たりして古民家『風』でも良いので頑張って良い家を建てたいと思っています。 今回、たくさんのご回答をいただいて、とても参考になりました。 理想はあるものの、雲を掴むような感じだったので、心強く思いました。 何か進展がありましたらご相談がてらご報告差し上げたいと思っております。 その節はまたよろしくお願いします。 追伸 インターネットで人のぬくもりを感じた様な気がしました。 ほんとうにうれしかったです。 |
その後 |
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