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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0794 地下の除湿について

 相談概要 [氏名] Y.E
[居住住所] 埼玉県さいたま市
[相談建物予定地] 東京都世田谷区
[職業] 会社員
[年齢] 33
[女性] on
[構造] 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)
[設計者はどなたに依頼しますか?] 専業の建築設計事務所
[何階建て] 3
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 45
[工事請負金額] 4000
[設計監理料] 360
[お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下
[打ち合わせ何回] 20回以下
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] 特に決めていない。
 相談内容 [家づくりの相談内容]
狭小地ゆえ地下空間の活用を予定しています。
予定としましては、物置兼書斎用途で15畳程度、ドライエリアはありません。そこで一番心配していますのは、除湿です。

市販の除湿機が安くなったものの、毎日の排水は苦痛であり、何か良い案はないかと考えています。業務用の除湿機があると思うのですが、価格等さっぱりわかりません。そもそも、機械で除湿対策を考えられていること自体が間違いなのかと思い始めました。何か効果的効率的な湿気対策がありましたら、アドバイスお願いします。
 yorozuの感想 過去のDB量が当HPのかけがえの無い財産だと思います。
今後とも続けていただければと思います。
アドバイザー 
善養寺 幸子 解説員の善養寺です。

 地下室の結露はしっかり対策しておかないと駄目ですね。私も安直に考え、痛い思いをした経験があります。私の対策方法として2つ。

 除湿機を装備します。一昨年ですか、ダイキン工業からルームドライヤーと言う除湿機がでました。ドライエリアがあるのでしたら、その面にクーラースリーブ程度の穴を開けておけば、設置可能です。
(電源100Vが要りますが)水を溜める方式ではなく、蒸気にして外に放出する仕組みです。多少室温が上がりますが、そもそも夏の地下室の温度が低すぎて結露するのですから苦痛となる温度ではありません。
 価格は、家庭用の除湿機と変わりません。数万円程度の物です。
(定価があってないような物なので、流通価格は判りません。)

 もう一つは壁面の調湿性能を上げる。私が使って要るのは珪藻土木毛セメント板(中圧板と呼ばれるもの)。型枠を内側面に打ち込み型枠として使っています。
(土接面に)その上に塗壁で仕上げます。
 内断熱という要素もありますが、1平米200CCの調湿性能を評価しています。
 除湿機と調湿壁の併設している場合が殆どですが。
 全地下でドライエリアのない場合は、貯水方式の除湿機の水を排水ピットの流す方式に改造して設置しました。(既存地下で壁面が打ち放しだったので)ルームドライヤーの方が静かで良いです。換気扇にもなるし。

 いずれにせよ、専業の設計事務所に依頼されているのであれば、その方と技術的相談をされた方がよろしいと思います。技術的な話を他から得ていると言うのも何か信用されていないようで気分が悪く成りはしませんでしょうか。共に創るスタンスは重要ですが、信頼する関係も重要です。
清水 煬二  解説員の清水です。

平面的に完全に地下になるとのことですが、湿気が心配で、メンテも面倒な場合、地下の平面はそのままで、少しでも地下室の壁を地上に出すことは無理なのでしょうか?全部でなくても一部分でも良いですし、地盤より1M以内の出なら原則として地下扱いです。通常の家でも基礎の立ち上がりは約40センチあります。
1Fから2Fに上がる階段の下でも良いです。地下の外壁と兼用してでも、プラン的に地上に立ち上げられるようになれば、有効な対策もいろいろ考えられます。

また、湿気対策に大きく役立つわけではありませんが、私は外防水、外断熱の施工をお勧めしています。

鉄筋コンクリート造の地下室の場合、通常の簡単な方法として、内側から塗布防水などを行い、内側に断熱処理をして済ませます。
できるだけ外防水、外断熱の方が良いでしょう。(予算があれば、併用が望ましいですが。)隣地との間が狭い場合は、山留めという地面を掘るときに崩れないよう押さえている壁に、先に付けておくことで外防水、外断熱の工事は可能です。

これは、防水と断熱を目的とするものですが、コンクリートが地中の水分を直接吸水しにくくなり、結露、湿気に関しても外部で処理を行っている方が内側で行うよりやや有利になります。

建築士とよく相談され、より良い方法を見つけて下さい。
 コメンテーター 
星 裕之 鉄筋コンクリート造では気密性が高いというメリットゆえにおこる結露の問題がりますね。地下の場合はより深刻なようです。善養寺解説員が述べているように、吸湿素材による対策や、清水解説員が述べているような「一部を地上に出し風を通す仕組み」は有効ではないかと思います。また吹き抜けによって上階とつながげることによって空気が循環できるようになれば、湿気対策になるかと思います。

そのほかいろいろな考え方がありそうですから、依頼されている設計者と良く相談のうえ、機械だけにたよらない方法で湿気対策を行うことがよろしいかと思います。 
 事務局から 
  荻原 幸雄 お考えの通り地下での除湿機に頼るのは愚かです。
除湿は必須なことですが、それを機械のみで対応するのは後で後悔することになるでしょう。機械は壊れることを前提として考えるべきで使用できるのはサブとしてです。地下での調湿も建物でしっかり除湿できることを考えその上で絞りきれない湿度を内部で除湿機を使用して奪取することがいいでしょう。調湿材は地下では直ぐに飽和状態になり、地下で使用するには適切ではないと考えます。

地下と地上とで違うのは日常的に水に浸かっているようなものだということです。除湿しても直ぐに建物は水分を外から補充してしまいます。機械や調湿材だけで抜本的解決にはなりません。あくまで、サブです。よく建築写真で地下にコンクリート打ち放しだけで終わらしている建物を見かけますが、無知としかいいようがありません。数年でカビが繁殖し、使い物にならないでしょう。地下を設ける場合はドライエリアなど地上部の外気を自然に取り込めるようにするのが大切です。機械などに頼るだけの地下はそれが壊れた瞬間にカビが大量発生し、地下の収納物を地上の部屋に収納するはめになり、なんのための地下であったのかわからなくなります。地下室は中途半端な予算であったり、設計であったり、監理であったりすると悲惨な目にあいます。御注意ください。

建物で除湿する方法はいろいろあります。
設計事務所のノウハウなので費用を払って設計してもらってください。

尚、地下でドライエリアがない場合は書斎は違法になりますので、御注意ください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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