相談概要 | [氏名] W.M [相談内容:] その他 [居住住所] 大阪府堺市 [相談建物所在地] 大阪府堺市 [職業] 自営 [年齢] 47 [男性] on [構造] その他の構造 [引渡し年月日] 西暦 2003 年5月 日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 120 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1800 [設計監理料] 0 [様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅) [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [お手持ちの図面は何枚?] 15枚以下 [打ち合わせ何回] − [床面積] 140m2以下 [施工者名] D株式会社 [販売会社名] D不動産販売 [設計者名] [監理者名] |
相談内容 | [現象] よろしくお願い致します。 まず小冊子のチラシがあり土地と木造の建物合計で3520万 それと「住宅保証機構」と大きくうたっています(付いてるとも付いてないとも書いてはいません)私は当然付いてると判断してしまいました。 それで建延べ面積が120平米というものがあり、その中でこちらの希望の間取りは木造から鉄骨に変えると建つ、との説明を受け400万アップするとの事で、それは予算的に無理と回答すると200で良いとのことでした。 営業が持って来たプランが有り、その土地に建つ、と単純に思いました。 よって2002年10月31日に他にも待っているなどと急がされ図面もできてない状態で契約してしまいました(120平米・3720万) しかし、そのプランに沿って図面を作っていくと130平米を超えます。 当然予算オーバーです(営業は120平米を超えてる、と説明した?1級建築士もいてて、もっと効率良く間取りが取れる、の話は覚えてます(実際は2級建築士が対応))その流れの中で諸費用と追加部分の見積りが出てきたのは再三の請求に対し2ヶ月近く(諸費用外で別途見積りの項目があり完全で無い)。 鉄骨で契約なのに仕様書が木造のままだったり、図面作成にあたって最初の方は木造の図面であったり、出てきた図面に沿って進めているのに、「これでは建たない」と全然違う勝手な思っても無い図面が送ってきたりしました(12回すべてFAX)。 又違法性のある不当な契約であると後々分かってきて、本当にここで建ててもらって大丈夫かと心配になり、「住宅保証機構の監督の元で建てるんですね」と問いかけしたら、それは付いてない、付けるには保証料と別途見積りしなくてはいけないので100万位上がるかも、の説明。 追加部分の見積り不完全、建物の再見積り、図面も決まってない、違法性がある。このような状態では建てる気持ちが無くなり白紙解約を求めている現状です。 手付金・・・1,500,000 仲介手数料・・・570,000 ローン事務手数料・・・157,500 合計・・・2,227,500(支払い済み) [業者の見解] 最初のプランの図面は単なるたたき台で120平米の契約とは関係ない。 住宅保証機構を付けるとは契約にうたってない。 完全な図面が出ないと追加工事の見積りも出ない(その工事部分は初めから変わってないのに) 解約に関しては弁護士に、原状復旧の内容の内容証明を送ってもらいました。最初は返せないの一点張りで3ヶ月経過しましたが6月14日に手付の半金だけ(75万)返すとのことですが納得できません。 [相談内容] 家を建てたい気持ちは変わりませんが次のステップを踏めません。 納得できないのなら訴訟を起こすしかないのでしょうか? 業者の他の問題点を私が調べた範囲で書いときます。 @確認申請の許可を受けてない広告と契約 A土地・建物の同時契約をさせられた(無知だった) Bセット販売とのことで土地・建物の両方の仲介料を求められている (半金済み) C契約書の中で建売契約に一本化する、の文面がある(今は土地・建 物の別々の契約書のみ) D仕様書が木造のまま Eいかにも住宅保証機構が付いていて公庫仕様でも建つような広告 (小冊子) F契約前から諸費用と追加工事は言ってあるのに出たのは3ヶ月後 (不完全) G12月に解約の話をするが違約金が発生する、との事(図面も決ま っていない) 通常は建築条件付きの契約で請負契約も同時でなければとっくに解約していると思います。契約はしているのでその意味では訴訟しても全面的に勝てるとは思いませんが75万では納得できる線ではありません。当然弁護士にお願いしたら何も残らないと思います。 納得できないのなら訴訟するしかないのでしょうか? それと弁護士にお願いしたら費用はいくら位かかるのでしょうか? |
yorozuの感想 | 私は47年生きてきて契約でこんな思いになったのは初めてです。たとえば車を買うときでも簡単に契約してきました。印鑑も押しました。その業界のことを知らなくても生きてきました。ただこの不動産業界は多くの問題点があると聞きます。その意味ではこのホームページを契約前にもっと見てもらいたいと真剣に思います。 |
アドバイザー | |
津村 泰夫 | 解説員の津村です。 家を建てるというのは一生にそう何度もない大きな買い物です。 それなりに慎重に対応しなければなりません。 建築条件付きということですから、土地は土地で買っておいて、設計を煮詰めて、予算もよく検討してから建物の請負契約をすべきでしたね。返してくれない金額はちょうど良い具合の授業料かもしれません。 弁護士さんにご相談いただきがんばってもらいましょう。 とても冷たいようですが、家づくりには専門的な知識がたくさん必要です。 ご自分で勉強されるか、味方になる専門家と一緒にすすめるのがよいでしょう。今からでもまだまだ遅くはありません。金額的には訴訟することもないと思いますが、弁護士と一緒にねばり強く交渉しましょう。 |
清水 煬二 | 解説員の清水です。 上記の内容からすると、一見、悪質な不動産屋のように思えますが、こういったことは多かれ少なかれよくあることです。 ですから、みなさん自身にも責任は大いにありますので、もっと注意をしていただきたいのですが、一般の方は契約に対して軽率過ぎます。 今回の場合は、あなたは完全に被害者です。 宅建業法に違反している可能性が高いので、この場合は、私はいつもお勧めしている各都道府県の宅建指導課に資料をもって行き、至急相談してして下さい。 上記内容からは、全額返してもらえるのが普通です。 |
木津田 秀雄 | 相談員の木津田です。 まず大阪府の建築振興課宅建業指導係が宅建業者の監督を行っていますので、そこに連絡して状況を説明してみてください、振興課から業者に指導の電話は入れてもらえるかとは思います。その指導に従うかどうかは業者しだいですが、確認を取らずに広告を出すこと自体が違法ですので、何らかの処理は可能だと思います。 振興課を訪れる際には、広告や契約書など全ての書類を持っていってください。できるだけアポイントを取ってからでかけてください。 |
コメンテーター | |
古賀 保彦 | 不動産売買・工事請負契約では、「今なら・・・」とせかされて調印する場面が多いと思いますが、そこでの損得勘定(感情)にとらわれずその後の事も含めて冷静に判断して検討したいものです。 土地や価格面で魅力がある物件にしても、そこに住まうための建物も同じように大切なものです。 車であれば、試乗して乗り心地や性能を確かめる術はありますが、建物の多くはこれから現地で建てる未完成物件です。どんな建物になるのか分かるようにするためには仕様書や図面等の設計図書が欠かせません。 それでも、車の設計図だけでは乗り心地が分からないのと同じで、設計図書があっても住まいとしての居心地までは分かりにくいものです。仕様など分かりにくいものはサンプルで確認する事も大切です。工事請負契約の際にはこのような事にもご注意下さい。 少し余談になりましたが、解説にありますように、まずは官庁の宅建業者管轄部門へご相談してみて下さい。返金等の問題がうまく片付くかどうかわかりませんが、頑張って下さい。 また、W.Mさんのお住まいづくりはまだ始まったばかりです。その後は専門家を交えて良いお住まいが実現できますよう頑張って下さいね。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 不動産業界関係団体は何をしているのか?自ら襟を正して、このような業者は団体から外すような体制をとってもらいたいものです。そのようなことをしたら大半の会員がいなくなるなんて心配はしていないとは思うのですが・・・・。 現実、建築に関しては建築士でないと難しい面があります。一般の方では到底相手のペースに乗せられるのは必至です。しかし、建築士の資格を持っている人の1/5くらいしか実は全体を見渡せる知識がないのも事実です。 ですから建築士という資格はあてにならない資格であることは宣言してもいいです。これは残念なことですが、事実です。 ですから一級建築士という肩書きだけで信じてはいけません。 『我が家を手に入れる前に読むQ&A80』を読んでいれば、あなたは間違った条件付住宅の契約を御自分に有利に納得いく契約ができたと思われますが、その点が残念です。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 荻原様及び各解説委員の方々いろいろと解説有難うございます。 先日、弁護士と仲介業者との話し合いをし、手付金の半金と仲介料の8割を返す話になり私は少し考えましたが、このまま話が延びても次のステップ(物件)に進む気になりませんので了解する事を伝えました。 納得はできませんが、逆にこの業者で建てなくてよかった。と自分に言い聞かせてます。 今後は紹介していただいた本なども読み、もっと勉強して慎重に進めたいと思います。 本当に有難うございました。それと今後、家を建てる方々のためにも頑張ってください。 |
その後 |
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