相談概要 | [氏名] S,M [居住住所] 大阪府豊中市 [相談建物予定地] 大阪府吹田市 [職業] 医師 [年齢] 36 [男性] on [構造] わからない [設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。 [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 40 [工事請負金額] 4380 [設計監理料] 0 [お手持ちの図面は何枚?] 無い [打ち合わせ何回] 打合していない。 [様態] 注文建築 [施工業者はどちらに依頼しますか?] 特に決めていない。 |
相談内容 | [家づくりの相談内容] この度土地を購入して注文建築をする者です。やっと希望にあう土地が見つかったのですが、この土地について伺います。 1,隣家との擁壁(35年前に工事されたもので、苔のはえているところもありますが、亀裂等もなくしっかりしています。こちらの土地が2メートル高く、少し角度がついた(直角に立ち上がりではない)擁壁になっています。石積みでそのうえは簡単なフェンスになっています)工事なしでそのまま使用できるかどうか見ていただいたところ、ハウスメーカーの方は目視で、いけるでしょうとの答えでした。 予算のこともあり、そのまま使えるのはありがたいのですが、古い擁壁の上に建物を建てる場合の注意点を教えて下さい。建物の構造は木造か鉄骨を考えています。メーカーさんは、念のため擁壁から離してたてたらどうかともいっていました。ただ、土地も狭いので(62坪)できたら規制の1.5mあけただけで建てたいのですが。 2,135坪の土地を2筆に分けての購入になります。もう一方の土地の購入者もきまっています。(全く知らない方です)一応更地なんですが、前の住人の方の門や壁がそのまま残っていて、取り壊しが必要です。その場合、私どもの部分だけを壊すのは綿密には難しい造りになっています。この場合、どんな点に気をつけるべきですか。 また新たに分割する(2筆に分ける)土地を購入するときの注意点を教えて下さい。 3,更地になってからの期間が長かったようで、竹があちこちに生えています。太い木も植わったままです。こういった深く根の張った土地の整地はかなりお金がかかりますか?どこに頼むのでしょうか?(現在、家の建築については、建築家の方に頼むか、ハウスメーカーにたのむか、思案中です)ぜひおしえていただきたくお願い申し上げます。 ps我が家を手に入れる前に読む本、バイブルにしております。 |
yorozuの感想 | 大変参考になっています。素人が関わるにはわからないことだらけで、疑問質問がどんどんわいてきているので、たよりになります。 |
アドバイザー | |
堀住 勝雄 | 堀住です 1、擁壁の構造とその地盤にもよりますが、一般には擁壁の肩からその高さだけ(この場合2m)離れた位置に木造2階建て程度の荷重を想定しているものと思われます。従って1.5mの位置に建築されるのであれば基礎の設計を少し考慮して建てるべきと思います。べた基礎かあるいは基礎パッキン工法の布基礎のような剛性の高い基礎にすれば可能です。 2、残存構造物の撤去は売買の条件に含めてもらうよう交渉されたらいかがでしょうか、半分の土地の買い手も異存はないと思いますが。 以前は1戸だったので給水と排水は1系統だと思います。もう1戸の為に新たな給排水の接続をしなければなりません、場合によっては2戸とも新設で接続をせざるを得ないかもしれません、道路の掘削はかなりお金がかかりますので販売業者さんに確かめておいて下さい。間違ってもどちらかの敷地を通って給水排水ということは避けて下さい。 |
山口 雅克 | 解説委員の山口です。 1,古い要壁の上に建物を建てる場合の注意点ですが、擁壁の上に建物を載せるのは、余程しっかりした擁壁であることを確認出来ればかまいませんが、99%無理と思った方がいいでしょう。通常は擁壁を造る時に、上に建物をのせる事など想定せずに設計しているからです。又、擁壁が支える事のできる重さと、それ以外の部分が支える事のできる重さが違うはずなので、単に家を載せてしまうと不同沈下の可能性が大です。 2,土地の売買に関わった方に間に入ってもらい、相談するのがいいでしょう。先方も色々とお考えかもしれませんので。 3,植栽の撤去は造園屋さんに頼んで発芽しないように除去してもらいましょう。細かい部分は現地を見てからとなりますが、家を建てる部分に植物の根などはないにこしたことはありません。上部だけ切り取って、下部が腐れガスが発生したり、シロアリの巣にならないように注意しましょう。 |
久米 能子 | 久米と申します。 「我が家…」の本をバイブルにされているとの事、有難うございます。 1.石積みというのは、間知石でしょうか、それとも丸い岩を積んでいるのでしょうか? 35年前ならば、間知石ではないような気もします。 擁壁の高さや種類、また地方によって扱いが異なると思いますが、間知石でない、古い石積みの場合は、例え見た目がしっかりしているように見えても、擁壁の一番下から30度の斜線を描いた範囲にしか、建築を許可していないところがあります。兵庫県や大阪府の一部で、以前からこのような指導を何度か受けています。万一、古い擁壁が崩れても、大丈夫の範囲に建てさせるということですね。 ですから、もしその考えが適用されるならば、お考えの位置よりも奥に控えて建物を建てなければならないということになりますね。しかし、これは基礎の位置(基礎の底盤の位置)の問題ですから、1階床の、擁壁側の一部を、コンクリートの跳ねだしの床にするなど、構造の工夫で、家そのものの大きさや配置については、ある程度は解決できると思います。 ハウスメーカーさんが既に、検査機関の取り扱いなどを事前に調査されていて、そのようなご意見ならば、S.Mさんの土地の地域では特に擁壁の取り扱いの指導がないということなのでしょうが、念のため御確認されたほうがよいでしょう。 2.取り壊しについては、山口解説委員も言われているように、もう片方の購入者とご相談されるのがいいと私も思います。 3.竹は根が厄介なので、そのまま利用しないならば、是非植木屋さんにきちんと取って貰いましょう。 太い木は場所にも拠るでしょうけれど、なんとか工夫して、それを生かした設計にできないのでしょうか?大きな木が育っていれば、夏は緑陰を楽しむことができるでしょう。これはとても素敵なことだと思います。太い幹の大きな木は、家の歴史を物語るのだと、以前、樹木医の方が言われていました。できるならば、歴史を受け継いで、このまま育ててあげて欲しいと思います。 |
コメンテーター | |
畔上 廣司 | 「我が家を手に入れる前に読む…」を読んで何かおかしいと気付いた方からの電話問い合わせが増えています。土地建物の契約を済ませた後であれこれ悩んではせっかく家づくりは難しく、今般のご相談は懸命なお考えと察します。各解説委員の回答をご参考に納得できる楽しい家づくりを目指してください。 敷地内の地盤状態や土質は様々です。今般の場合、擁壁が今まで35年間耐えてきたからといって新たに計画する建物の安全が確保されるかどうか保証はありません。 一般的に2mを超えるがけは擁壁として土圧・水圧・自重等によって転倒や破壊しないことです。これは地域によっては建築指導要綱などが定められています。ご所望の土地の擁壁断面図や構造上のデータがなければどうにもなりませんが、構造耐力上支障なければ木造でも鉄骨造でも可能です。やはり基本計画の段階で、しっかりと敷地調査・地盤調査を行い、切り土盛り土や沈下に対応した対策も万全に行っておきましょう。 依頼するハウスメーカーや工務店ではどうも腑に落ちない場合は、その地域の信頼ある設計事務所にご相談することをお勧めします。 残存建築物については、もう一方の購入者との按分措置も考えられますが、これは双方ではっきり相談しておくことが懸命でしょう。 かなり成長があるようですね。環境共生のためにも樹木はできる限り残したいものです。 その土地の自然を生かした建物を手に入れることができればいいですね。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 擁壁の高さと離れの距離の関係は微妙なところです。 基本は建物の重さが地盤を通して拡散されるため、擁壁にはその力がかからないように配慮しなければいけません。力学的考察が必要です。 敷地を分割してのまたがった工作物は売主撤去が原則だと思いますので撤去、更地渡しで交渉してください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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