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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0772 田んぼの土地は?

 相談概要 [氏名] N.K
[居住住所] 三重県員弁郡
[相談建物予定地] 三重県員弁郡
[職業] 会社員
[年齢] 35
[男性] on
[構造] −
[設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 70
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 3500
[設計監理料] 150
[お手持ちの図面は何枚?] −
[打ち合わせ何回] −
[様態] −
[施工業者はどちらに依頼しますか?] 特に決めていない。
 相談内容 [家づくりの相談内容]
最近になってようやくマイホームの事を考えるようになりました。私は二男ですが現在両親と同居しており、転勤族の長男は一年後に跡取として戻ってくる予定です。そこで家を建てる事を真剣に考えだした所です。両親は三十年程前に私の新家にと土地を購入し、二年程前にはその土地に隣接する同じ広さ位の土地を長男が購入しました。現在住んでいる処に比べて狭いため、新家として出る私への配慮のようです。長方形の土地が二つ並び大体二十メートル四方の形状です。この土地について家を建てる前にしっかりと理解したく、皆様にご教授願います。

1.この土地は当初購入した所が区画整理する事になり町から代替地として提供されたもので、幅十五メートル程の川の堤防ののり面から田んぼを埋め立てたもので元の種類は田んぼであったと思います。埋め立てした時期は二十七、八年前で高さは川沿いの道路と段差が無い様三メートル位だと思います。色々な家の造りがありますがPC造り位までの家として考え、地盤的に問題がありますか。また、問題なければ建てる際に盛り土をして五十センチ程GLを上げたいと思いますが、安定するにはどれ位の期間放置しなければなりませんか。

2.土地の周囲の状況ですが、南側に3.5〜4.1メートルの堤防道路(町道認定)、西側に隣家、北側に3メートル道路(所有は町で認定されていない)、東側に3メートル道路(所有は町で認定されていない)です。三辺道路に全面接しています。四年程前までは北側は埋め立てたままの状態で元の田んぼまで勾配がついているようなものでした。そして東側は区切りが無く隣家の塀が建っているだけで、南側の道に立って土地を見た場合、西の家と東の家の間にひとつの空き地があると言うような状況でした。しかし土地の北側を地元の建設会社が開発し埋め立てて10戸の建売住宅を建築しました。その際に東側の町所有の土地が舗装されて道となり、北側は建設業者が道を造りました。ここでひとつ疑問があり、私が町へ調べに行った際に業者が確認申請した時に提出した図面と思いますが、北側の道路の幅を4メートルと記載されておりまた、東側の道路の開発した地区の入り口になる部分(東の家の北西角と自分側の北東の角)でも4メートルと記載されていました。セットバックという言葉を最近になって勉強し充分ではありませんが理解しているつもりです。

3メートル道路であれば50センチ道路の為に提供する事になりますが仕方ありません。しかし、北側の道路については業者が開発時に4メートル道路を作る、または業者側が「道路を作るから何メートルあらかじめ下がるので建築際にはそちらも下がってください」という申し合わせがあれば納得がいきます。しかしその様な話は無く北側の道に面して建てている人からは建てる際には狭いので下がって欲しいという気持ちを人を介してたまたま耳にしました。

 また、東側の道についても開発した場所のメインの出入り口になっているので下がる事は決め事ですから応じますが、道を挟んで東側の家が増改築した際に本当に下がってくれるのかな等とも思います。そして、三辺道に面している事で随分と損をするような気がします。セットバックというものに法的執行力があるものでしょうか。法を守らないという気は無いですが、この様なケースに規制が緩和される場合があると難しい本には載っていました。北側の道については開発業者の悪意があったのではと思えてなりません。

3.土地の現状を町役場に確認に行き、現状は第一種住居地域、容積率200%、建蔽率60%と確認できました。第一種住居地域では高さ制限が無いとのことですが、道に面している側は制限がある事を教えてもらいました。勾配が1対1.25で面している道の向こう端から20メートルとの事でしたがいまひとつ良く解りません。そして、三辺面していますが随分と規制がかかる建物になるのではと思います。具体的には境界線からいくら位の位置に基礎を作ることになりますか。もうひとつ、東、南、西側には排水溝がありませんが設置しなければならないでしょうか。

4.土地の名義が父と兄とそれぞれになっていますが、今後進める上で登記面、税務面で賢く手続きをしたら良いでしょうか。

以上色々とご相談申し上げましたがよろしくご査収の上お願いいたします。
 yorozuの感想 家を建てるにあたってインターネットで参考になる本を探していました。初めて買うジャンルの本なのでとりあえず解りやすそうな、また建てる側の気持ちを反映しているものをと選びました。妻に「この本を本屋に行って取り寄せてもらって」と言って会社に出かけ帰宅すると「結構人気のある本で売れているみたいだよ」と言われ(失礼しました)渡されました。

手に取り読み始めてすぐにいい本に当たったと喜び、夜がふけるのを忘れ読みました。読んだ後の最後にキーワードがありますが、これは勉強になると思います。そしてホームページがある事を知り相談事例等観させていただきました。相談内容によってはしかるべきところへ有料にてしなければならないこともボランティアでして頂いている事への感謝とそして感心を持ちました。納得して家造りをしたいと考えている私にはとても良いアドバイスを頂けると信じています。このホームページを見つけた事でよい家造りができることを予感しました。ありがとうございます。
アドバイザー 
藤井 修 名古屋の藤井です。

1.地盤はボーリングなどの地質調査をして正確な強度を調べられることをお勧めします。木造などの軽い建物は安価なスエーデン式もあります。そして地盤調査のデータを基にして基礎を選択してください。

2.道路については北側と東側の道路が道路としてあった時期や裏の開発時に行政がどのような判断を下していたかで判断されると思います。
  道路には法規上いろいろな種別がありますので、詳しくはやはり役所の都市計画課などでお聞きになってください。

3.1/1.25の道路斜線ですが3方向とも法的な道路とみなされれば全てについて制限が掛かります。

4.建物は借地で申請できます。また資金の一部を親などが提供する場合は共有とし連名で申請できます。何が得かは私では判断しかねます。以上ですが満足されるお答えにはなってないかもしれませんが、いろいろな制限の中で家族が納得できる住宅が出来ることを願います。
 関口 啓介 解説委員の関口です。

1.について
最終氷期以降にできた地層を沖積層といいますが、約1万年から現在に堆積された地層にあたります。この沖積層を一般的には軟弱地盤と捉えられますので、人間のサイクルの期間でただ放置して頂いても、堅牢な地盤にはなりえません。やはり人工的に締め固めるとか、地盤改良をしなければならないと思われます。
地盤調査をきちんとして頂き、実際の建物に併せた地業計画と基礎の設計が必要になります。

2.について
文面だけでは正確にはわかりづらいのですが、建築基準法上の4Mの道路幅員は、かならずしも道路中心線から2Mずつとはかぎりません。北側の道路は、宅地造成の開発事業者が造ったものであれば、当然事業地内で確保すべきと思われます。所有者や事業者にご確認下さい。東側については、セットバックは致し方ないように見受けられます。その場合には先方がどうされるかは関係なく必要とお考え下さい。町や土木事務所に、道路区域明示申請をされると明確になります。

3.について
役所にご確認下さい。北側道路の扱いが、よくわかりませんので。

4.について
登記はあくまで出資比率に応じて按分所有登記となります。直系の親からであれば、贈与も有り得ます。今年度から施行された住宅取得のための贈与特例は、3500万円まで可能ですが、年間110万円の贈与控除(住宅取得の贈与は5年分まとめて可能)は使えなくなります。税務署にお尋ねになられると、詳しく説明して頂けると思います。
 コメンテーター 
畔上 廣司 延べ床面積と建設費、設計監理費の予定費用が少々気になります。

相談1.については、27〜8年前の造成地盤であっても安心ということはありません。計画建物が木造その他の構法を問わず、基礎が支持地盤面まで到達しているか、基礎の構造が安全設計されていることが重要です。 N.Kさん敷地の地盤判定は軟弱地盤・造成地盤の双方が考えられ、地盤の長期許容地耐力度を調査する必要があります。地業を行う上で地層をチェックの結果、地盤改良等の措置が必要になるかも知れませんね。

相談2、3、4については、ご相談に行った町役場の建築指導課関係、都市計画事務所や地域の土木事務所等、行政窓口の回答どおりと思われます。我が家を手に入れる前にしっかりした情報を得たいN.Kさんのお気持ちは分かります。しかし、現地の敷地形状や地盤、前面道路、側溝設備条件、調査関係図書が手元にない状況では回答に限度があります。
地盤の調査方法、地域の規制や制限等、さらに詳細をお知りになりたい場合は、地域の信頼できる建築設計事務所の建築士に相談することをお勧めします。 
 事務局から 
  荻原 幸雄 具体的な質問なのでできるだけ近くの信頼できる建築士に現場調査をしてもらってください。
文章だけの相談では正確さを欠きますので、ご参考程度の解説となることをお許しください。

勉強家なので確りしらべていることには感心します。
その意気です。しかし、最終判断は現場を見た建築士の判断がおおいに参考になりますので、できるだけ、そのようにしてください。

地盤強度は見た目だけで判断しては危険です。
これは建築士といえども簡単に判断できるものではありません。
地盤調査は建てるまえには必ずしてくださいね。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 荻原様ならびにご解説頂きました皆様方、お忙しい中誠に有難う御座いました。

家を建てる前に色々と勉強しなければと焦る気の中ご相談申し上げました。まずは土地の事をクリアした上で建物の事を考えていきたいと思います。本の中にもありましたようにハウスメーカー各社を回って勉強させていただき、その中でどんな家に住みたいのか、またそこで何がしたいのかを考えて進めたいと思います。希望の家の形が見えてきた時点で再度ご相談させて頂きたいと願います。

今回この様にご相談して思いました事は、専門家は必要なんだなと言う事です。一般の者があれこれ考えても答えを出すパートナーがいなければいい家ができないんじゃないかな思いました。自分の側に立ってくれる高い意識を持った人と一緒に家造りをするには運とお金が必要と私自身思い込んでいますが、価値観を変えなければ満足のいく家が建てれないのかもと本を読んで感じました。
この度は本当に有難う御座いました。
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