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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0767 木枠部分に虫が発生

 相談概要 [氏名] S,N
[相談内容] 分譲マンションの瑕疵
[居住住所] 福井県福井市
[相談建物所在地] 福井県福井市
[職業] 会社員
[年齢] 37
[男性] on
[構造] 鉄骨鉄筋コンクリート造
[引渡し年月日] 西暦2003年 3月15日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 10
[お住まいの階] 9
[延べ面積m2] 64.48
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 2200
[様態] 分譲マンション
[施工者] 建設会社
[マンションの総戸数] 50戸以下
[施工者名] A工務店
[販売会社名] A工務店
[設計者名] A
[監理者名] A
 相談内容 [現象]
洗面所の木枠部分に虫が発生し、穴が空いた。最初は、木屑がポツポツと床に落ちていることが気になった、というのが振り返ると思い出される。因みにまだ引渡しから1ヶ月も経っていない状態である。
穴は、全部で7箇所にまで増えた。その間 床に木屑が落ち続け、虫が活動しているようである。

[業者の見解]
最初は、メンテ担当が除虫だけで済まそうとした。
その後社内で相談されたらしく、該当木枠部分の交換を行うという事になった。
その間3週間は部品手配に掛かるということなので、除虫処理だけは行った。
部品の製造ロットを調べ、他に発生し得る可能性がないか調査していただいたところ、全国で該当ロット5139ヶ所中、21ヶ所で発生しているとのこと。これは約0.4%で発生率としては少ないとのこと。
従い、次に発生し得るかどうかは、穴が空くかどうか待たないと分からないので、もうしばらく待って下さいとのこと。穴が空けば交換するとのこと。
怪しい部分(同一ロット)の交換はしないのかと聞いたが、社内で相談したところ、今のところそこまではしない。
これについては引き続き、確認いただくよう依頼した。

[相談内容]
虫害発生ロットの調査書をいただいたところ、虫害発生に関する報告書のまとめは既に、平成15年1月27日にまとまっており、今住んでいるマンションに該当ロットが使用されていることが既に分かっていた。
さらに報告書の中身を読むと最初の発生日は平成14年11月19日が最初とのことである。私がマンションの正式契約を交わしたのは平成15年1月26日である。
即ち、マンションの契約書を交わした時点では、隠れた瑕疵ではあるが、引渡し前に瑕疵がある可能性が分かっていたのにも関わらず、何も通知はなかった。
これはある意味、欠陥のあると知っていたものを売買したことにならないのでしょうか。
また、同一ロットは同一階の他の部屋でも使われており、ご近所にお宅にも出る可能性あると知らせることは販売会社に対し、何らかの妨害になるものなんでしょうか。まだ、売られていない部屋もあり、そこに来る可能性ある人にも知らせたくなってしまう。

虫に食害された木部
 yorozuの感想 無料にもかかわらず、ここまで詳しく対応しているのはすばらしいと思います。
今後も充実させ、出来ましたら採用の有無に関わらず、何らかのアドバイスが必ずいただけたらもっと良いですね。
アドバイザー 
氏原 毅士 解説員の氏原です。

 ご相談の件は、業者が交換を申し出た時点で解決済みであると考えます。
木も生き物ですし、またそこに住むキクイムシも生き物です。
 心材にラワンなどの南洋材を使った場合まれに起こる現象です。
高温高圧で滅菌乾燥・駆除をしますが、原木の大きさなどで出てくるのでしょう。
 私の以前住んでいた家でもありましたが、ホームセンターへ行ってノズル式の殺虫剤を注入し、穴は「かくれんぼう」というクレヨンのような材料で直しました。
 津村 泰夫 解説員の津村と申します。

 虫害にはあまり詳しくありませんが、外国産の木材を使用した部材に、虫や卵などが付いており、居住しているうちに出てきて問題になることが良くあります。タタミのイグサに住むアニサキスなどはダニよりも強力な害虫ですね。

 枠だけを交換されたようですが、他に移動していないか心配です。しばらく様子を見て、他の部位でも発見されたら、疑わしい部分すべての交換をお願いしましょう。
 他の住戸への対応ですが、管理組合として「お知らせ」を配布するなりの対応は当然のことで、必要なことです。
 久米 能子 解説員の久米と申します。

ご相談のお話を伺う限り、工務店の対応は良心的なものであると思います。枠の交換も行うといっていて、尚、それまでの間のために除虫処理を行い、今後その他の部分も虫害が発生すれば交換するということですから、これ以上、他に要求する対応は無いのではないかと思います。
虫害はお住まいの方には確かに辛いものでしょうし、心中はお察しいたしますが、虫害の発生した部分を交換する以外に何を要求されるのか、わかりません。

瑕疵という問題について言及されていますが、引き渡した物件に虫害の発生するかどうかは、発生してみないと分からないことで、これを瑕疵と呼べるかどうかは疑問に思います。できれば事前に説明しておいたほうがよかったかもしれませんが、建物の中のものは、仕上材料だけでなく付帯設備も全て、どれも問題が将来に渡って発生することがないと100%言い切れるものは無いはずで、いわば、メーカーの作る商品のうちの一部の不良品と同じことであるように思います。

それよりも、津村解説員の言われるように、他の住戸にお住まいの方々にも注意を喚起し、工務店の対応にむらや漏れがでないよう、また、早めの各々による防虫処理を呼びかけておくなど、管理組合全体として、対応されることをお勧めいたします。 
 コメンテーター 
しぶかわ かよこ 建設会社の対応に問題はなく、誠意ある対応と考えます。
各解説員が指摘通り、管理組合から各住戸に配布してもらうことが必要と考えます。 
 事務局から 
  荻原 幸雄 森では木が多くの昆虫、植物、動物と共存し、お互いに協力して自然をはぐくみ豊な地球を支えています。
残念ながら森の木が加工されると人間は商品として扱ってしまうことから多少の誤解が生じるのは人間社会の不条理でしょうか。

虫はどこに住もうと好き勝手なのですが、高温滅菌処理される加工品によくぞ、ここまで生きていた。ということもいえます。木に虫が生きているのは安全な木である証拠です。害虫散布剤を多量に使われた木は虫も生きていけませんが、人にも多少の影響を与えることもあるます。虫がでたら、材を取り替えてもらうという方法でいいだろうと思います。

これから生活していくと子供やあなたも間違って傷をつけることが必ずあります。
傷をつけないで生活することは無理なので、その傷はあなた自身で直すことになります。今は補修キットがホームセンターで発売しているのですから、保証が切れたころに虫君と遭遇したら、ご自分でも対応できるように訓練しておいてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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