相談概要 | [氏名] Y.H [相談内容:] 近隣のトラブル [居住住所] 福岡市早良区 [相談建物所在地] 福岡市早良区 [職業] 会社員 [年齢] 31 [男性] on [構造] 木造(2X4工法) [引渡し年月日] 西暦2003年5月25日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 3 [延べ面積m2] 140 [延べ面積坪] [工事請負金額] 2000 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] ハウスメーカー [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [お手持ちの図面は何枚?] 4枚 [打ち合わせ何回] 10回以下 [床面積] 140m2以下 [施工者名] Tホーム [販売会社名] [設計者名] [監理者名] Tホーム |
相談内容 | [現象] 現在基礎工事の途中だったのですが、隣の家との境界線で民法上50センチ境界からあけなければならい事が判明し工事前に隣の家の承諾を工務店がとっていなくて基礎工事をやりなおさなければならなくなりました。 なおかつ工期も1週間延期の見通しです。 [業者の見解] 現状だと、境界線から36センチしかないので、北側境界線の基礎部分を15センチ削り、南側に15センチ継ぎ足すという基礎部分の手直し工事 [相談内容] ベタ基礎で、南側境界線の基礎立ち上がり部分を15センチ削り、北側に全体基礎を15センチ継ぎ足す工事です。 工務店側は、アンカーボルトで基礎コンクリートを継ぎ足し強度的には問題ないと言っているのですが、やはり基礎の部分なので心配です。こういうケースは欠陥住宅の扱いになるのでしょうか? また本当に強度的に問題ないのか?第3者の専門家の意見をお聞きしたいです。 是非とも宜しくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | 利害関係のない、第3者の専門家に診断してもらうシステムは非常にいい事だと思います。 施主にとっては、一生モノの買い物ですし違法建築やトラブルをなくして欲しいです。 |
アドバイザー | |
氏原 毅士 | 解説員の氏原です。 いくらべた基礎だからといって北を15センチ削って南に15センチ付け足すというのはいかがなものでしょう。 間仕切り用の立ち上がりなどは未施工だったのでしょうか。 技術的な問題は別としても建築確認にも影響してくるはずですし、手続きは済んでいるのでしょうか。 また、民法上の50センチは必ずしも守らなければならないという規定ではありません。 やはり第三者の建築士に相談すべきと思います。 |
山口 雅克 | 解説員の山口です。 民法上は境界線からの離れは50センチとありますが、昔からの慣習があればそれに習うでよいことにもなっています。 設計上の問題もあったのでしょうけれど、隣家との話しで建物を計画より動かす事になったのでしたら、それを前提に解説します。 御相談の文章からだけでしたら、強度上大丈夫だとはここからはとても言えません。 今回のケースは欠陥住宅の扱いになるのかどうかと言うよりも、注文建築で設計者も御自分で選定されていますので設計者にも聞いてみて下さい。(すでにお聞きの事と思いますが) お話の内容だからはどのように基礎を改造して大丈夫なようにしようとしているのか不明な部分が多いので第三者の専門家に見てもらうのが賢明でしょう。鉄筋コンクリートの一部撤去とその継ぎ足しは結構難しい仕事ですから、詳細な知識も必要とされます。 |
善養寺 幸子 | 解説員の善養寺です。 アンカーボルトと言うのは後施工アンカーの事でしょうか? 主要構造部の配筋の継ぎ手に後施工アンカー使用はNGとされていると思います。 アンカー部分の長さは短いですし、他の鉄筋と絡んでいませんから端部でコンクリートが割れてしまったら、鉄筋はないのと同じになってしまいます。 これを正規に直すのであれば、定着長さの配筋部分まで綺麗にはつり取り、配筋を仕直して打ち直す方法を採用するべきだと思います。(クリーニングが重要です。)平屋などで重量もなく置き基礎でよいのであればともかく、べた基礎などだとしたら、これは絶対駄目でしょう。 |
木津田 秀雄 | 解説員の木津田です。 Tホームはべた基礎だからそこから立ち上げをつくる分にはアンカーでも問題ないとの判断のようですが、いささか安易な考え方です。15cm広くなった側はべた基礎の側面からアンカーを取るのでしょうか? きわめて部分的に基礎形状を間違えてしまい、その補修にアンカーを取る場合でも、少なくともケミカルアンカー(強力な接着剤で固定する)を使用します。今回のケースでは、立ち上がり部分を全部15cm移動するということであれば、一旦全体の基礎を撤去して打ち直す方が後々を考えると良いと思います。 ただ他の解説員も書いているように、隣地間の距離は当事者の合意があれば50cmにこだわりません。基礎全体を作り直す必要性と隣家との話し合い(できないからこのような事になったのでしょうが)を行う必要があると思います。その際には、設計者だけでなく、今回の工事の主体である建築主も一緒に話し合いに加わるなどの考え方も必要かと思います。 |
コメンテーター | |
大内 彰 | 3階建てになってくると地中梁(立ち上がり部分)に生じる応力は結構大きくなると思いますから、安直に基礎を継ぎはぎにするのは抵抗があります。しっかりとした補強をしないとただ「くっついているだけ」になってしまうでしょう。また、建物の外周以外にも地中梁(この場合は耐圧版の下側についていて立ち上がりがないかもしれません)が通っていると思いますがその地中梁と耐力壁の位置関係はどうなるのでしょうか?内部の壁はもとのままで外壁だけ移動すると、狭くなったり広くなったりする個所が出てくると思います。地中梁を元の位置にしたまま耐力壁だけ移動すると地震力を負担することができません。 第3者の判断でなければ危険側の判断になり施工品質も不十分なものになってしまうでしょう。工期よりも品質を重視した対処を考えるべきだと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 多分近隣から苦情があったのでしょう。 この場合は通常、民法の50cm離すということを承知だと考えます。 また、この地域は通常、離しているのでしょう。 その場合は離さなければならないと考えます。 設計者、施工者、監理者、三者の不注意ということになります。 その対応として15cm離すことになったのですから、それは仕方ないことです。 しかし、その施工方法が安易です。 15cm削るのは鉄筋が出るでしょうから切断になるでしょうし、切断したものにアンカーしても無意味です。 解体してやり直しが常套手段でしょう。 頑張ってください。心配なら第三者に現地でアドバイスをもらってください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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