相談概要 | [氏名] I.K [居住住所] 神奈川県横浜市瀬谷区 [相談建物予定地] 神奈川県横浜市 [職業] 公務員 [年齢] 52 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [設計者はどなたに依頼しますか?] 建設会社の建築士 [何階建て] 2 [延べ面積m2] 100 [延べ面積坪] [工事請負金額] 4800 [設計監理料] 0 [お手持ちの図面は何枚?] 3枚 [打ち合わせ何回] 5回 [様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅) [施工業者はどちらに依頼しますか?] 建設会社 |
相談内容 | [家づくりの相談内容] 現在、設計の段階にありますが、シックハウスが心配なので、そうした問題を考慮した材料を使ってもらえないかと相談したところ、不動産業者と建築会社から、「一応の配慮はするが、そうしたところで完全にシックハウスがなくなるわけではない。家が完成した後に訴訟などのトラブルになるのを避けたいので、その旨をについて一筆書いてもらいたいとメーカー側からいわれている。」といわれました。 私の方は業者の言い分は理解できるので、できる範囲でそうした努力をしていただければ結構と考えていましたが、ただ「訴えることはしません」ということを文書化した場合、後々、問題が生じた時にそれがどのようなことをもたらすのか少し不安を感じています。 そうした契約書を交わしてもいいのでしょうか? あるいは文書を交わす場合には何か、こうした文章を句付け加えた方がいいといったお考えはありませんでしょうか。 以上、ご相談します。どうぞよろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | これから家が建つわけなので、このホームページが唯一の頼りです。いつも、「なるほどこうしてチェックするのか」と勉強させていただいています。これからも充実を期待しています。 |
アドバイザー | |
善養寺 幸子 | 解説員の善養寺です。 本当に被害にあっても訴えることはせず、泣き寝入りを覚悟していらっしゃるのでしょうか?それなら良いのですが、そんな一時の気分に流されて安請け合いをし、後で後悔されても取り返しがつきませんよ。 最大限努力すると言いながら、訴えない確約を取って本当に努力するでしょうか? シックハウス症候群になっても訴えないと言うのだから、何も苦労して気を使う必要がないではありませんか。今年の6月には法的に規制されるものです。今から出来なくてその業者は今後どうするつもりなのでしょうか? 本当に化学物質過敏症になったら、対策など殆どありません。生きていくことさえ困難な場合が多くあります。ちょっと湿疹が出やすいとか、気分が悪くなると言うな生やさしいものではありません。スーパーマーケットやコンビニ、役所や図書館など常に内装リフォームを繰り返している様な建物や新築の建物には近寄れなくなります。 症状の現れ方も湿疹や鼻炎など具体的に反応するのでしたら、症状の緩和の方法も考えられますが、疲れやすい気力がない、鬱病になるなどの症状の場合、周りから化学物質過敏症とは理解してもらえず、怠け者になったとか責められたり、仕事も出来なくなったり、自分でも自分を責め、一段と精神的に追い込まれていくなど、気が付かず症状が進行していくものもあります。 低ホルム商品仕様にしてみても、対策すべき化学物質はホルムアルデヒドだけではありません。30品目以上の化学物質を対策しなければ、反応される物質はどれとは言い切れないからです。私のところでも化学物質対策を取っていますが、トータルVOCの基準をクリアすることは大変です。規制を前に今まで対策していた防蟻処理、塗装や接着剤、仕上げ材の他に、構造の仕様方法、下地材、台所シンクや食器棚の仕様(メーカーキッチンではホルム対策がやりきれないので、特定のところでオリジナルキッチンを製作)設備施工方法まで変えました。 その上で、徹底した施工業者への指導のため現場毎のセミナーを行っています。 そこまですれば、ホルムアルデヒドは出ることはありませんが、それでもトータルVOCクリアは難しいです。 ですから、『努力はしてみます』程度の対策で化学物質対策が出来るとは思えません。過敏症にかかる可能性を秘めている以上、安易に覚書など書かない方が良いのではないでしょうか?そんなものの覚書を契約書に入れることを条件にされるのであればその様な業者と契約しない方が良いのではないでしょうか。 今年の6月からの規制に対応した性能だけは求めることが出来るのではないでしょうか、一番安易な対策としては24時間付けっぱなしのパイプファン(換気扇)を基準数入れる化学物質は発生するが、多量に換気し滞留させないと言う方法です。 お買い求められる建てものは、どう頑張ってもそのままの状況で規制値を守れる建物ではないでしょうから、機械での換気で『対応する』仕様をお奨めします。 もうすぐ規制化されるものを今更、許容できないと申し出た方が良いと思います。 自分の健康を守るのは自分しかないのです。他力本願で良きに計らってくれるものではありません。規制、指導内容もネット上にあると思います。ご自分でも勉強してみてください。施工業者にも勉強すべきと言った方がよいでしょう。規制すらも知らないのかも知れません。 |
清水 煬二 | 解説員の清水です。 シックハウスに関して、法律でまもなく義務付けられますが、これは24時間換気と抱き合わせで行われます。 裏を返せば、それだけ深刻になってきていることと、ほとんどの新築は24時間換気を行わなければクリアーできないからです。 反応するレベルも個人差があり、どの程度まで行うかという難しさもありますが、通常の建築会社や工務店では、知識も乏しくかなり問題が残ると思います。 本当に心配なら第三者の建築士、それも詳しいだけでなく実践している建築士に依頼して設計監理してもらうことが最良かと思います。 契約書に訴えないと一筆書くことは、どうなっても構わないと宣言することに等しいことです。 心配をされながら、それを求めてくる建築士や建築会社に頼むこと自体矛盾していますし、疑問に思えます。 これを機会にシックハウスに関する本を一冊でもお読みになることができれば、多分違った考えをお持ちになるような気がします。 |
東京賛同弁護士 | 賛同弁護士からの解説です。 業者との間で「訴訟をしない」と合意することは、以下の2つの点で法的に不利益であり、すべきではありません。 まず、このような合意は、法的に「不起訴の合意」という一種の契約があったものと評価されます。 不起訴の合意をしてしまうと、後に訴えを提起しても、裁判所から「訴えを却下する。」との敗訴判決を受けることになります。 また、場合によっては、業者の瑕疵担保責任を免除するという合意があったとも評価されかねません。 瑕疵担保責任を免除する合意があった場合には、業者が瑕疵を知っていたのに注文者に告げなかったという特別な事情がない限り、損害賠償と瑕疵修補を請求できなくなってしまいます(民法640条)。 このように相談者はかなりのリスクを負うこととなり、業者の発言には疑問を感じます。 |
コメンテーター | |
大内 彰 | 悪知恵の働く業者のようです。十分に気を付けて、後悔しないようにしてください。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 一筆書いてもらいたい。という要望は裏を返せば、そんなことできない、自信ない。 だけど仕事は欲しい。という一方的なものです。 この程度のレベルだと後々問題を起こすことになります。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 先日、シックハウスの問題で業者から訴えない旨の一筆を書いてもらいたいといわれた問題で相談させていただいたi.Kです。 この相談について、これほど多くの方から丁寧なご返事をいただけるとは思っていませんでした。これらのご意見を参考にさせていただき、また不動産屋、建築業者と話し合いをしていきたいと思っています。その結果についてはまたご報告させていただくつもりです。今日はとりあえず感謝の気持ちを伝えさせていただくメールさせていただきました。 どうもありがとうございました。 |
その後 |
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