相談概要 | [氏名] H.Y [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [居住住所] 兵庫県三原郡 [相談建物所在地] 兵庫県三原郡 [職業] 公務員 [年齢] 25 [男性] on [構造] 鉄骨造(ラーメン構造) [引渡し年月日] 西暦2000年12月 日 [公庫使用] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 120 [延べ面積坪] [工事請負金額] 2200 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] − [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] - [確認申請書お持ちですか?] 解らない。 [検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。 [お手持ちの図面は何枚?] 3枚 [打ち合わせ何回] 10回以下 [施工者名] B住宅 [販売会社名] [設計者名] [監理者名] |
相談内容 | [現象] 平成12年の4月に契約し、同年12月からすんでいます。鉄骨造りで外壁はALCです。 工事中から、設計ミスや施工ミスでさんざん悩まされました。 今回相談をお願いしたいことは、去年の12月ごろに気づいたのですが、塗装の一部が剥離しているのです。工事後まだ2年経ったばかりなのに、おかしいなと思い、知合いの塗装屋さんに見てもらいました。すると、剥離している部分の下には、コーキングがされていました。塗装屋さんの話だと、「おそらく、この下にされているコーキング材がシリコン系のコーキングではないか。普通こんなところにはシリコン系のコーキングなど使わないのだが。」といいます。そこで、私の思うのに、塗装の剥離が見られるのはコーキングがある所だけでその他の所は問題はないので、塗装をするのが明らかに分かっているにも関わらず、塗装のつきにくいシリコン系のコーキングを使ったことに問題があるのではと。 [業者の見解] 施工会社の方へ連絡し、見てもらった結果、「コーキングは2年ほどで劣化するので、仕方がなくそんなものです。コーキングの施工が悪いとか、塗装の施工が悪いとかという話ではないです。」といわれ、無償で補修するつもりはないようなのです。 [相談内容] 塗装が剥離しているのは事実であり、他も確認したところ、サッシ周りのコーキング部分において、剥離がありました。以前にも業者のミスで開口部の窓枠とALC版との間にできた15CMの隙間を生コンでつめるというずさんな工事のせいで、後にひびが入って雨水が入ってきたことがありましたが、その分については何とか補修をしてもらいました。しかし、今回は「コーキングはこんなもの」と的を得ない理由を言って補修せず、責任も感じていない態度です。いったいどの業者に責任があるのでしょうか?平成12年4月以降の契約については、10年の補修義務があるといいますが、今回の場合は、施工業者に補修義務はないのでしょうか?また、補修に応じてもれえない場合は、どんな手段を使えばよいのでしょうか? あと、打ち合わせ時に、再三「ここの家の場合は、合併浄化槽は10人槽を入れる必要がある」ということを言われ、見積書や仕様書にも10人槽と書いてあるのに、最近になってあることで実際に据え付けてあるのは7人槽であることが判明しました。これは詐欺罪にならないでしょうか? 塗幕の剥離 |
yorozuの感想 | とても、ありがたく役にたちます。これからも、世の中の弱者のためにがんばってほしいです。 |
アドバイザー | |
茶屋 了 | 塗装屋の言うように塗装ののりにくいシリコン系のコーキング材であれば補修を要求するのは当然ですが、その部分の一部を切り取り検査機関で判断してもらう必要があると思われます。 補修する場合は一般的にはアクリルウレタン系のコーキング材など塗装がのるタイプが適当と思いますが、補修に応じてもらえない場合金額による損害賠償の訴訟が考えられます。 しかしそのことにより外観的に問題はありますが、建物の性能にはあまり影響がないと考えると裁判費用をかけることの判断は難しいと思います。 施工業者の施工は悪くないという逃げの姿勢は問題です。 検査の結果次第で施工業者につきつけそれなりの対応を引き出してはどうでしょうか? 合併浄化槽の件は見積書や仕様書に10人槽書いてあり、実際は7人槽が入っていたのなら契約違反になります。詐欺罪ではないと思います。 契約違反は契約どうり施工しなおしてもらうか損害賠償してもらうかですが現実的には塗装の件を含めて、使用に影響がなければ示談金で済ませることが多いのではないでしょうか? |
星 裕之 | シーリングの件についてはちょっとした知識不足だったのでしょう。建築は巾が広く全てに関して完全に網羅できるものではないと思います。そのあたりを察して直してもらうように交渉してみてください。 次に浄化槽の件について。HYさんが建築された頃、2000年3月に浄化槽の算定方法が変わりました。述べ床面積が120uとのことですので、以前では6人槽で充分です。6人槽とういう形式はないので7人槽を設置するのが適当でしょう。現在の算定方法では完全二世帯住宅風呂台所共に2組)でなければ、5人槽で充分です。どちらにしても図面作成・見積時では10人槽にしていたのでしょうが、浄化槽申請時に7人槽で充分であるとわかったので変更したのでしょう。浄化槽に関しては厳しい完了検査がありますから、浄化槽関係の書類は7人槽で申請・許可されているはずです。 別に悪意があってそうしたわけでなく、ちょっとした調査不足・打合上の行き違いでしょうから、詐欺どうだこうだとムキになる話ではないとおもいます。建設会社さんの対応が冷たいのは施工時にずいぶん気持ちの行き違いがあったからではないかと想像しますが・・・。 |
久米 能子 | 写真を拝見致しました。写真だけではなんともいえませんが、外壁の吹付け材のはがれ方をみると、ご推察の通り、シリコン系のコーキングを選択しているのだろうと思われます。コーキングはどの種類でも、場所に応じた選択を誤らず、またきちんと施工されている限り、通常10年程度は持つはずです。コーキングのメーカーも10年の保証を場合によっては出しています。ただ、コーキングそのものの劣化は無いように見えますね。施工業者はおそらくコーキングの選択を誤ったのでしょう。 施工会社との契約書はきちんと保管されていますか?そこには瑕疵について、どのように書かれているでしょうか。一般的な民間連合協定の契約書(約款)ならば、鉄骨住宅の瑕疵担保期間は2年、重大なミスや故意があった場合は5年、となっていると思います。 ご相談は、通常の瑕疵担保期間は過ぎていますが、初めの選択が誤っているのならば、何らかの補修の要求はできるであろうと思います。 補修の方法は塗装からコーキングまで全てやり直しか、コーキングの部分には塗装をのせないことにして痛んだ塗装のみをやり直すか、など、業者と話し合われることになるでしょう。ただ、コーキングから全てをやり直すとなると大変な作業となりますので、それを業者に実行させるのは難しいでしょう。おそらくは故意で行ったことではなく、建物の主要な構造や雨漏りに直接影響するものではないからです。 合併浄化槽の人槽の見積書との違いについては、まず、確認申請(浄化槽の届出)の書類がどうなっているのかを御確認ください。確認申請書の副本が分からないということですが、本来は必ず、建築主の方の手に業者から渡されていないといけないものです。確認申請の副本がないとなれば、その他、防水保証書や各種取扱説明書なども受け取られていないのではないのでしょうか。再度、お調べになってください。 確認申請書の副本が手元になければ、まだ行政のほうに確認申請書の正本が残っていると思います。(通常5年は保管されていると思います。)一度、調べておかれたほうが良いでしょう。前述の建物引渡時の各書類に加えて、まともな建物ならば、完了検査済証が渡されていなくてはなりません。これが無いとなれば、完了検査は何らかの理由で受けておらず、確認申請書と現実の建物が整合していない可能性があります。浄化槽の種類だけでなく、その他にも何か無いか、ご自分で確認してみてください。申請書との内容の食い違いによっては、違法な建築になってしまっている場合も予想されます。 ただ、浄化槽が違法の可能性は低いと思います。通常はしっかりした検査があるからです。しかし、ごくまれに検査を受けず、ヤミでいれているところも現実にはありますので、確認しておくにこしたことはないでしょう。 第3者の設計事務所に設計監理を依頼されていれば、このようなことにはならなかったと思いますが、今からでも、これらの件を正しく調査し、業者と処理の方法について対等に話し合うためにも、第三者の信頼できる建築士にご相談されるほうがよいのではと思います。 話し合いも拗れるとまとまるものもまとまりません。冷静に、お互いに良いところで折り合いをつけられるように交渉してください。 尚、ご相談の中にあった品確法によって義務付けられている10年間の保証の件ですが、法律でいう10年の保証部分というのは、主要な構造部分と屋根などの雨漏りに対してのものですので、今回のような外壁の塗装については対象外であると思います。 |
コメンテーター | |
根本 一郎 | 品確法による消費者保護は、実は余り期待できません。久米解説委員が末尾で触れているように、住宅として最低限度の保証を義務付けたものに過ぎないのです。 今回のコーキングの不具合は、外壁防水上の瑕疵とはいえず、また設計図書にも明記されていないでしょうから、無償補修は困難でしょう。 但し、連絡した時点で保証期間内であれば、塗装の剥がれなどの補修は受けられるはずです。保証書を見直してください。 また、コーキングが通常より広い範囲に行なわれたために不具合が発生した可能性もあります。 住宅会社は、相応の根拠を示さないと対応しないものです。 費用はかかりますが、浄化槽の書類上のチェックも含め、第三者の専門家に判断を仰いだ方がよろしいかと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | シーリングについては仕様書をご覧ください。 シリコン系と書いてあれば設計ミスです。他の事が書いてあれば施工ミスです。 ご確認ください。業者が対応しない場合は訴訟になるでしょうが、現実は業者はそれができないと踏んでいるのです。正義の為に、その費用を上回る出費覚悟で訴訟するか、または、この業者を選択した自己責任として涙を飲むか、の選択になるかもしれません。 また、浄化槽は見積にも仕様書にも10人槽と記載されているのですから、その差額を返却してもらうべきです。 解説委員の説明を参考にして、頑張ってください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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