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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0751 ローコスト住宅500万円でできるか?

 相談概要 [氏名] M.A
[居住住所] 秋田県湯沢市
[相談建物予定地] 神奈川県鎌倉市
[職業] パート
[年齢] 46
[女性] on
[構造] わからない
[設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。
[何階建て] 1
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 20
[工事請負金額] 500
[設計監理料] 0
[お手持ちの図面は何枚?] −
[打ち合わせ何回] −
[様態] −
[施工業者はどちらに依頼しますか?] −
 相談内容 [家づくりの相談内容]

ローコスト住宅の相談を拝見しました。
私も500万円くらいで家ができないかと考えているものです。

私の場合は1階建て平屋の2LDKを希望しています。
10畳くらいのリビングと6畳と8畳くらいの部屋と玄関、水周りといったごく普通の家でよいのですが、無理なものでしょうか?
家のことはまったく分からないので、どんなものかとご相談したいのですが・・・
これくらいの家で何坪くらいなのかも正直よくわかりません。
回答して頂けると大変有難いのですが。よろしくお願いいたします。
 yorozuの感想 こういったホームページを拝見するのははじめてですが、家づくりは素人には分からないことばかりですので、素朴な質問に答えて頂けるHPは大変有難いものだと思います。
アドバイザー 
氏原 毅士 時代や経済状況を反映してかローコストでと言う質問が多くなっています。
知人の工務店がこぼしていましたが「チュウトハンパでない家電量販店」の国道沿い店舗は坪当り16万円から18万円でないと落札できないと・・・
 店舗の目的は非常に明確です。
 1:面積が確保できる
 2:商品展示が先で、建築は外部は目立って内部は目立ってはいけない。
 3:長期間の利用は考えていない

住宅はどうなんでしょう?快適に住むことができれば仕上げにはこだわらない、基本的な遮音や断熱・採光と換気にエアコンさえあれば後は何にもいらない。
としても仮設ハウスに手を加えたようなモノで満足できるのでしょうか。
 ローコスト=安物ではありません。本来掛かるべき費用を切り詰めるのではなく、掛かった費用以上の効果や性能・デザインを実現できたものをローコストと言うべきです。

 仮に15坪×45万で675万、消費税を加えると708万。設計監理が10%の67万(受けるところがあったとして)、単純合計が780万です。
 500万を逆算し(坪単価という考え方が良いとは思っていませんが)てみると建築費は430万ですから単価は28万ということになります。
無いとはいいませんがこの条件で施工してくれる業者を探すのは困難でしょう。
中川 雅実  こんにちは、Y.Aさん。神奈川解説委員の中川です。

ローコスト住宅は、いつの時代にも魅力を感じることですよね。
しかし、よ〜く考えてみてください。
昨今、雨風がしのげて住めれば良いとお考えでは無いと思われます。
収入を得ている人は、時間が経過する毎に金額が発生します。
一般には、数十万/坪と表現しますが、この中身には営業する人・工事をする人・会社を経営する人・引渡後のアフターサービス等が含まれます。
ローコスト住宅を建築するには、良い材料を安く仕入れ人件費や営業経費及び宣伝費等をかけないことです。
建築は、外国で作るわけには行きませんので、携わる人件費が押さえられれば、携わる日数を削減しないと出来ません。削減されれば手抜きも発生するため、依頼者は、正しい建築工事の判断力を養わなければいけません。
(この事は、毎日の食材を購入することに置き換えてみてください。)

私の認識は、現在のローコストは数十年後の「産業廃棄物」を製作している としか思えません。
長持ちする住宅をお望みであれば、是非上記をかみしめてください。
但し、M.Aさんの味方となってくれる第三者の住宅に詳しい建築士(特にコストにも詳しい)に巡り会えれば希望がかなうことと思います。
M.Aさんとご一緒に、設計から完成まで携わられれる建築士に出会えることを願っています。
阿部 重幸  解説員の阿部です

誰もが家を建てるに当たってまず一番始に思う事は一体何価掛かるのか。
ほとんどの人達にとって始めての買い物、大根一本100円の食料や日用品を買うのとは一寸分けが違う。されとて、世に言う坪何十万円が標準価格なのであろうか、又、ローコスト住宅だと安価で出来るのかどうか。
M。Aさんの疑問は誰もが建物に対して率直に持つ疑問だと思います。

さて本題に入りますが、文面から察すると貴方が考えられる間取からすれば望まれる家の建坪は18坪〜20坪位でしょう。貴方の予算からすると、500万÷18坪≒27.5万率直に非常にきびしい予算と言えるでしょう。私どもでは家の計画建てる場合次のように予算の大枠を、仮設、基礎、く体(構造部)、外部仕上げ、内部仕上げ、備品、設備、諸経費等に分類し各工種毎に予算を振り分け使用材料等の検討をし、建物として遜色の無きよう計らっております。その手法で配分すると、

仮設、5% 25万 
基礎 4% 20万 
く体25% 125万 
外部仕上げ20% 100万
内部仕上げ15% 75万 
備品8% 40万 
設備15% 75万 
諸経費8% 40万 

以上に分類すると、建物の骨格をなす。基礎、く体、外部仕上げ、での予算が少なくこの予算では難しいと言わざるを得ないでしょう。
又、建物を建てる場合には建築費以外に10〜20%の費用を持つことも大事です。 
清水 煬二  解説員の清水です。

坪25万円を宣伝しているハウスメーカーもありますので、できそうな気がするかも知れませんが、いわゆる本体工事での価格で、これに付帯工事や諸費用、オプション等様々な費用が必要になります。建坪が小さいほどこれらは割高になります。そういう意味ですべて込みで500万円という数字は、可能であるなら仮設のプレハブ住宅に化粧をした程度の内容となってしまうでしょう。通常の住宅では、ご要望の広さを確保して総額500万円では難しいと思います。 
 コメンテーター 
根本 一郎 一般的には、各解説委員が回答しているように、500万円での建築は不可能なことではありません。しかし、仮設の家ならともかく、恒久的に快適に暮らせる家を手に入れることは大変困難なことです。
実現するためにはある程度の覚悟が必要でしょう。
例えば、すべての工事を業者に依頼するのではなく、ご自分で出来ることは自ら行い、材料についても常識に捉われずに選定するなど、様々な労力と工夫によりコストを切り詰めなければ実現できないと考えるべきです。
先ず、予算よりも、どんな暮らしをしたいのかを思案された方が良いのではありませんか。
相談の中では触れられていませんが、建設予定地の条件により、選択肢は色々あると思います。 
 事務局から 
  荻原 幸雄 先入観を捨てないといけません。6畳と8畳くらいの部屋2畳でもだめですか?寝るだけの部屋なら十分です。
10畳のリビングは8畳にして合わせて12畳。トイレ洗面、浴室は1箇所でまとめる。
玄関は作らない。掃出し窓から出入りする。(工夫が必要です。)
こう考えるしかありません。省ウェィスト住宅です。
全体に狭いけど、楽しい家ではあります。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 荻原様はじめ回答を寄せてくださった
沢山の設計士さんの皆様へ

お返事を頂けるとは正直、思っていませんでした。
みなさんから、ホントウに真剣に答えていただけたこと心より感謝申し上げます。

質問の内容に対する答えは「無理のようだ」というものが多かったですが、いろいろな経費がかかるものだということがわかり、考える材料ができ大変参考になりました。

お忙しい時間の中、答えて頂きまして有難うございました。

できることなら、皆さんのような信頼できる方々にお願いして家を建てることができるように私自身もがんばりたいと思います。

又このようなシステムがあるという事が分かったことも大きな収穫だと思います。
ホントウに有難うございました。
 その後  
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