本文へスキップ

一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 0740 倒産後に設計料を請求されているが・・・

 相談概要 [氏名] N.A
[相談内容:] その他
[居住住所] 神奈川県相模原市
[相談建物所在地] 神奈川県相模原市
[職業] 会社員
[年齢] 28
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦2003年2月23日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 66.7
[延べ面積坪] 20.2
[工事請負金額] 2500
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 5枚
[打ち合わせ何回] 4回
[床面積] 70m2以下
[施工者名] KK
[販売会社名] HS
[設計者名] SS
[監理者名]
 相談内容 [現象]
この業者は、不動産と建設会社が一緒になっている注文住宅会社です。
よって、予算と条件にあった土地から一緒に探してもらい、やっとその物件が見つかりました。銀行からの融資は、土地と建物を一緒で融資してもらう形をとってもらい、先に土地の売買を完了させています。(書類上、すべて正常に終了)

手付金を払い、次に建物の方に入ったわけですが、設計者は、外注を使うと言うことで設計者を紹介され設計に入りました。
このとき、営業からは「設計費には20万はかかります」と話をされました。
また、支払いについて、手付金の他は、建物が完成したら最後にまとめて払うようにします」という話もありました。

私達は、設計に入る前に前もってパソコンソフトで間取りなどを作っており、それをベースに話し合いを行いましたので、比較的スムーズに設計は進みました。
大きな変更は、特に発生しなくて済み、建築確認書も無事に許可がおりました。

細かい仕様を決め、あとは着工に入るという状態で、なんと業者が不渡りを出し倒産してしまいました。(正式にはまだですが、現在、弁護士が入って調査している段階だそうです)
営業の方は、「会社はこのようになってしまったが、最後まで面倒をみたい」といってきたが断り、別の建設会社を選ぶことにしました。

手付金に関して、返して欲しいと言ったが社長が消えたという一点張りで、営業の方ではどうすることも出来ないといわれ、現在、弁護士からの書類をまっている状態です。
また、設計者からは、設計費の請求書を私宛に送ってきています。
話によると、私が設計者を選んだので業者は関係なく、業者には紹介されただけの関係である。
といっており、請求は私宛にいくのは当たり前。という内容です。

私は、元々、営業からは、精算は家が完成した後の話であり、このような状況で完成していないのに設計費を払う気は無いと言っております。
設計者は、このままだと訴訟を起こすとも言っています。

現在は、状況と予算と間取り図面を同条件とした、相見積もりをハウスメーカ3社にしてその中の1社に決定し、進めてもらっております。

業者と設計者との関係は、平行線のままです。

[業者の見解]
まったくなし。

[相談内容]
1.手付金を返してもらうための手段を教えて下さい。

2.設計者へ支払いをしなくてはならないのでしょうか?すでに、現在ハウスメーカさんに おいて、新しく建築確認書をとっており、設計者の取ってもらった建築確認書は 抹消しております。
 尚、その設計者との書類上の契約は一切しておりません。
 yorozuの感想 様々な状況を改めて分かるHPだと思いました。
出来るだけ、立てる前に見て欲しいHPになってほしいと思います。
アドバイザー 
清水 煬二 清水です。

大変失礼な言い方ですが、着工前で良かったともいえます。
工事中に倒産、破産宣告され、工事がストップしたまま手も付けられない状態で支払った金額以上にそっちで困っている方もいらっしゃいます。もう少しでそうなるところでした。

倒産した会社から自分のお金を返してくれというのは、たくさんの方がそう思うわけですが、本来返してもらうはずの10%が戻ればいい方というのが一般的です。

そういったことを避けるために、第三者の完成保証を付けるか、第三者の保証人を要求することが、契約前ならできたわけです。
残念ながら今では、それも遅すぎます。
悔しいでしょうが、相手の弁護士に返済の意思表示したら、連絡を待つしかないと思います。

設計士へ払うべき金額は20万円ということでしょうか?
もしそうなら、設計というより建築確認申請のための費用ということでしょう。

20万円のために本当に訴訟をするかどうかは定かでありませんが、設計費が20万円かかるということを承知で頼んで、その業務を完了したのですから、建築士さんが要求するのは当然と思います。

今回の場合は、内容からして弁護士さんに相談されるのが一番良いかと思います。
直接の有料相談だけでなく、役所等の無料相談もありますので。
三浦 惠翁 千葉の解説委員 三浦です

相談の文面だけでは設計料を請求され、払った手付金の内容経緯が良く判りませんが推測でお答えします。

[確認申請の為の委任しましたか?]の設問に 覚えていないとお答えですが、確認申請は本人申請です代願委任された場合は貴方が署名捺印された委任状が添付されて居るはずです、お手持ちの確認済み書を見てみてください。確認申請に記載の設計者、監理者が何方になっているかも覚えておいてください。

N.Aさんが「設計費には20万はかかります」と聞かれて居るのは、設計監理費ではなく確認申請代願料のことではないでしょうか、また、建築請負契約は締結されているのでしょうか。請負契約に手付金は存在しませんので、確認申請が下りた時点で契約するが、外注代願には費用が掛かるので申し込み金の意味で手付金を支払ったのではないでしょうか。だとすれば確認申請が下りた現段階では、支払った金額が幾らかは分りませんが工務店に手付金の返還を迫るよりも、工務店紹介の代願事務所に手付金の支払い経緯を話し、工務店に請求すべき性質の代金ですと思いますので良く話し合ってみてください。
 山口 雅克 解説員の山口です。

 大変でしたね。業者が倒産しそうなんて、なかなか分かりませんよね。さて、私の御客様の中にN.Aさんと同じように建築条件付きを購入される方がいらっしゃいましたが(設計監理は全て私がするのですが)、その方は工事完了引渡しの前に万が一業者が倒産したら手付け金はどうなるのかしつこく確認されていたのを思い出しました。その住宅会社は手付け金の保全が証明されるような書類を建主に見せるか渡していたような気がします。弁護士が入ってあるのでしたら、成りゆきを待つしかないでしょう。

 設計料の20万に関してですが、これは一般的に代願申請と呼ばれるものの手間賃だと思います。設計者や監理者の欄に紹介された設計者の名前が書いてあるのだと思います。本来であれば監理業務も含んでいるはずですから、あなたに支払うべき義務があるような話で進んできたのなら、確認通知をもらった段階なので少し安くても良いのかなと思います。

 営業の方とはどのように話が進んでいたのですか?その、進み具合で誰に支払い義務があるのかハッキリします。土地や建物の売買契約書か工事費見積書などに設計料の記載があればあなたが設計者に支払う必要はないでしょう。

 細かい仕様を決め、あとは着工に入るという状態での出来事ですから契約の内容をきちんと確認してみましょう。設計者との書類上の契約がなされていないとしても、業者との契約内容に設計料が含まれていなければ、あなたが直接に設計者と契約したとみなされると思います。 
 コメンテーター 
中川 雅実  法事国家において、契約は、双方の当事者責任があり、片方だけの責任割合と言うことはごくまれなケースです。先ずは、当事者責任を自覚下さい。

 この件は、土地の契約に対して手付け金を払われてのでしょうか?建物は、工事請負契約を締結されるでしょうから、手付け金と言うのも変な話です。先ずは、契約書を確認され、設計料の記載はどうなっているかを確認して下さい。

 設計監理は、工事金額の10%程度かかりますので、営業が言われて20万円は確認申請費用であり、既に確認を受領されていれば、業務は完了しており請求をされても意義は申せません。
 30万以下であれば、少額訴訟を考えていると思われ、一回の裁判で決着が付けられます。
 事務局から 
  荻原 幸雄 手付金とは工事請負契約による着手金ではないですか?
だとすれば、残念ですが、ほとんどお金が帰ってくるのは難しいと思います。契約は契約書が無くても、その事実があれば成立しますので、代願費用は払うべきものになります。

今回の事件はつらいところですが、今後の家づくりに前向きに取り組んでください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 回答ありがとうございます。

現在、別の建築会社に委託してから順調に進めております。
今となっては、へんな意味で、倒産してくれてありがとうと思っております。
今、請け負って頂いている会社は、本当にいろいろと細かい点などを注意深く扱ってくれ、私達も2社目になっておりますので、いろいろな勉強・経験もさせてもらっており、将来の子供へのいい教訓ができると考えております。

手付金に関しては、とりあえず訴訟を起こすつもりです。
ほとんど期待はできませんが、出すだけ行動を起こしたいと思います。

設計者へは、今も争っておりますが、私の考えでは、このままでは、決着がつかないと思いますので、法的(第3者)に決めてもらい、それの回答で支払いなどを決定したいと思います。

相手は、作成してもらった建築確認書で家を立てていると思い、20万を要求してたみたいでした。しかし、すでに別会社へ委託した際、その確認書はすでに解約し、改めて申請しなおしたことを伝えると、20万では高いと思ったらしく、値引きという形でどうですか?との対応に変わりました。

私の方の結論は、払いませんと伝えたところ、相手は、小額訴訟をする形で考えていると思いますが、こちらからも電話にて、正式に法的で解決することを話したいと思います。
このままでは私も被害者ですが、設計者も被害者ですのでお互いに気持ちの上ではすっきり出来ないと思われるので、早めに解決できるようにしていきたいと思います。

このような形で現在はありますが、いろいろと相談にのって頂き誠にありがとうございました。
 その後  
目次に戻る

バナースペース

一般社団法人 建築よろず相談支援機構

〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107