相談概要 | [氏名] SU [居住住所] 熊本県八代市 [相談建物予定地] 熊本県八代市 [職業] 主婦 [年齢] 33 [女性] on [構造] 木造(在来工法) [設計者はどなたに依頼しますか?] 専業の建築設計事務所 [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 45 [工事請負金額] 3000 [様態] 注文建築 [施工業者はどちらに依頼しますか?] リフォーム会社 |
相談内容 | [家づくりの相談内容] ポリスチレンフォーム3種を使って外張り断熱をおこない、第3種の計画換気、外壁には厚さ17mmのせっ器質の乾式タイルを外壁全部に貼る予定です。断熱材の施工に疑問を持ったので教えて頂きたくまた、メールしました。 断熱材の収まりですが外壁の重さに耐えるようにと断熱材905mmを横一面に貼った後その上に60mmの桧断熱材受けを置き、その木の上にまた905mmの断熱材を置く・・・ような形になって断熱材を上に積み上げています。釘のようなもので断熱材を押さえても、ずれてくるという理由です。また重い外壁を持ちこたえられないそうです。外張り断熱とは外側の壁面をすべて断熱材でおおうというものですが、断熱材の間に木が入り、断熱材がとぎれますます。もちろん外側からは断熱材を通気胴縁で押さえます。 断熱性能がくずれ、結露を心配します。いかがなものでしょうか。ちなみに通気層はきちんと確保してあります。断熱材が一部とぎれることは重い外壁を支えるため仕方のないことなのでしょうか?教えてください。 |
yorozuの感想 | いろいろな専門的な話が聞けて助かります。建て主の立場に立って頂くことに、うれしく思っています。アドバイスよろしくお願いします。 |
アドバイザー | |
小松原 敬 | 相談員の小松原です。 外断熱用のウレタンフォーム等は30〜50mmの厚さはあるので長いビスで躯体に留めていきますが、長いビスで留めるので時には抜けたり、重さによってずり落ちる事があります。構造壁に構造用合板を使っている場合はそれが下地になるので比較的しっかり留まりますが、筋交いの場合は注意が必要です。その為の専用の金物もいくつか出ています。 基本的には断熱材同士は突きつけにして、ジョイント部は防水テープで塞ぐのが一般的です。 この会社がずり落ち防止対策で間に木を入れているのはそれなりに考えていると思います。特にそれほど重い外壁ではなんらかの措置が必要です。防水対策もその上に透湿防水シートなど貼っていれば問題ないでしょう。 では断熱性能(とそれによる躯体内結露)を問うとなるとどうかというと必ずしもこれが悪いとは言えないと思います。北海道なら確かに問題あると思います。 北海道は氷点下の気温が何ヶ月も続く所です。では熊本ではどうでしょうか?私は現地の気候は知りませんが、基本的には温暖で氷点下に下がるという事は年間何日も無いのではないでしょうか。 木は熱伝導率は低い素材です。熱損失が大きな問題となるにはそれなりの低い気温が条件となりますし、結露は室内空気が露点に下がって初めておきます。また、もともと高断熱は寒地の対策として開発されたものでそれが冷房にも良いだろうとして温暖地でも採用されていますが、日射が入ると逆に温室になったりします。それを防ぐためには日射対策や風が通り抜けるプランなど、家全体のプランニングが重要です。 つまり熊本には熊本なりの家の考え方があってしかるべきです。北海道向けの仕様をそのままあてはめるのはおかしな話です。 そのへんを踏まえた上でよくよく設計者(または工務店)と話をしてみてください。 |
コメンテーター | |
堀住 勝雄 | SU様のお考えのとおり、断熱欠損のおそれは無きにしもあらず、というところですが、結露までは心配しなくても良いレベルと思います。 私もほぼ同じような仕様で設計したことがあります。(静岡県ですが)上下の断熱材の間をテープで塞いで、もし心配なら内側もテープ貼りを施工してもらったらいかがでしょうか。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 理想的な外断熱の考え方は熱橋を阻止するためのものなので相談のような工法は違和感を感じると思いますが、タイルなどの重たいものを外壁で支えるにはこの方法になります。 これを外断熱、若しくは外張断熱と呼ぶか否かという問題よりは総合的に考えてそれが適切か否かを考えたほうがいいでしょう。 熱橋があるということから考えると、内断熱で同じ断熱材を利用することとあまり変わりはないように思いますが、それよりも熱橋部材がはるかに今回の方法のが効果があると理解します。 熊本県八代市での建築と考えれば、これでいいと思います。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | アドバイスありがとうございました。 九州は最近、外張り断熱が少しずつ、ほんとわずかに入ってきたばかりです。 夏の暑さをしのぐための施工は施されていると思いますが、冬の寒さに対しては、無防備だと思います。冬でも廊下やトイレ浴室に行くときのひんやり感、冷たさ部屋の中でも、かなり厚手のものを羽織っています。朝は、吐く息が白くなるほど部屋は冷え切っています。 冬でも、家中どこでも、寒さをさほど感じない家、健康的な家ができたら、最高です。 アドバイスのおかげで、安心して施工することができます。ありがとうございました。 ちなみに「我が家を手に入れる前に読むQ&A80」の本注文しました。更に勉強させて頂きます。 |
その後 |
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