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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0730 解体費用はどれくらい?

 相談概要 [氏名] T.M
[居住住所] 京都府城陽市
[相談建物予定地] 未定
[職業] 会社員
[年齢] 41
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 25
[工事請負金額] 1700
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] 大工(工務店)
 相談内容 [家づくりの相談内容]
 現在土地探しから始めています。条件の良い土地はほとんどが「建築条件付き」で、なかなか条件無しの土地は見つからない状態です。

 そこで、これまで「更地」のみ見ていたのを、「古屋付き」に範囲を拡大して土地を探そうと思います。
 それで気になる「古屋の解体」に伴う費用ですが坪当たりどれくらいするものでしょうか?
 また、解体により発生する「廃棄物の運搬処理」にかかる費用はどれくらいでしょうか?
 さらに、解体に伴い電気・ガス・水道・電話回線なども撤去する必要があると思いますが、それぞれの費用を教えていただければ幸いです。

古屋付きの土地は不動産業者にとっては解体処理費用がかなりの金額になり、建て替えて新築住宅で販売しても利益が出ないので、古屋付きで売っているものと私は思います。故に一般人が古屋付き土地を購入して住宅を建てるのは手を出さないほうが良いでしょうか?
 yorozuの感想 これから家を建てる者にとっては、参考になる「ホンネの情報」がたくさんあるので、助かっています。
アドバイザー 
久米 能子 久米と申します。

土地探しでよい土地は殆ど建築条件付、というお悩みは、今多くの方々と共通するお悩みでしょう。このような業者の土地押えは、独占禁止法に抵触するのではという疑問を抱きたくなるほど、世の中に溢れていますね。

解体費用は、木造の建物でしたら、それほど高額のものとはならないと思います。地方によっても差が出ると思いますが、坪当たり数万円というところでしょう。ただし、周辺の状況や取り壊し方によって価格は変わってきます。道路が狭くて小さなトラックしか入ることができないとか、大きな音をたてずに静かに壊さなくてはならないため、手作業が増える等の条件によって除却見積もりは巾がでますから、一概にこれくらいとはいえません。除却費用は業者に口頭で簡単に問合せるのではなく、個別に見積をとるようにしましょう。

取り壊しの後に家を建てるのでしたら、設計事務所が新築の家の相談とともに除却の相談にものってくれるはずです。
気に入った土地で、それほど古くなくまだ住める状態の家ならば、多少のリフォームでしばらく住まいつづけるのもいいかもしれません。
また、取り壊す家には今は手に入りにくいような、面白いものもあるかもしれません。それを残して利用して、新築の家を計画するのも楽しいと思います。特にガラスや建具などは、今は生産されていない模様のものが残っていたりします。

費用についてその他に留意することは、更地の土地の場合と違って、地下の埋設物の有無が分からないことです。木造の家が建っている程度では通常はそれほど大きな地下埋設物があるとは想像しにくいですが、稀に、古い浄化槽などがそのまま残っている場合もありますから、思わぬ費用がかかることもあることを知っておいてください。
また、この頃は、ご心配のように、解体費用そのものよりも、廃材処分費のほうがばかにならないときもありえますが、これも地域性のものですので、近隣の工事業者に尋ねてみて参考にされてもいいかと思います。
津村 泰夫 津村と申します。

 古家付き住宅はおすすめです。ただし十分な調査が必要で、現況の建物の調査、地盤調査をおこない価格を確認しましょう。
 解体費用は標準的な木造住宅ですと坪当たり3〜4万円程度です。これには諸官庁手続き費や解体材処分費も含まれます。参考に、京都府南部地域での残材処分費は立米あたり2万円、ガラ処分費はトンあたり2万円です。
 久米解説員が述べられたように敷地条件により割り増しになることもあり、解体途中で思わぬものが出てきて費用のかさむことがあります。

私の経験した例では、長屋住宅の地下から巨大な水槽が出てきたことや、別の給水引き込みが発見され、水道局に撤去を求められ、50万円ほどかかったこと、となりの配水管が通っていたりしたことなどがあります。
 敷地内の門や塀などの工作物や植木でどれを残すか、建物もリフォームを含め残すものがあるかなど、このようなことを含めてすべて設計事務所に相談され処理を依頼されると良いでしょう。
長谷川 明弘  長谷川と申します。

一般人が古屋付き土地を購入して住宅を建てるのは手を出さないほうが良いのかどうかと言う質問ですが、個人的には建築条件付きを買うのと比べても古屋付き土地がリスクが多いとは思いません。単純に今までの経験でお話しますが、解体にかかる費用は多い時でも100万円前後でした。(もちろん凄い地中障害とか出て来た時はそうではないですが)それと建築条件付きの業者さんの取る利益の多さと後の建物の完成度を考えると古屋付の土地を買うことがまずいとは思えません。(もちろん建築条件付きの建物が全て悪いとは言いませんよ)

津村解説員や久米解説員も説明されてる通り、しっかり全体を見渡して、どれが一番賢い選択肢になるかをしっかり御考えになって、じっくり結論を出されることをお薦めします。いつも言ってることですが、解らないことが沢山出てくると思いますが、それに関しては第3者の立場の設計監理者に相談されることをお薦めします。土地探しのアドバイスからしっかり相談に乗ってくれる方もいるはずです。 
 小松原 敬 相談員の小松原です。

建売の業者が利益を出そうとした時に考慮する事は、必ずしも解体費用のことだけではないのでそれはあてはまらないと思います。
建売業者が土地を安く仕入れる方法としては、広めの敷地を分割したり山林になっている場所を造成したりという方法が多いようです。
ですから、一戸しか建たない普通の売り物件には手を出さないのだと思います。
やるとしてもせいぜい建築条件を付けるくらいでしょうか。

逆に、建売では利益が出なくても一般の人が自宅を建てる分には問題がないと思う物件も多いはずです。

ただ、解体費用はそれなりにかかります。
今年の6月に建設リサイクル法が施行されてから、基本的には分別解体が必要になって、それに伴う作業量も増えています。
したがって解体費用もだいぶ高騰しています。以前は100万くらいだった解体費用が200万くらいになっていたりします。
ただ、便乗値上げだったり解体方法が確立されていない事による膨らました見積りだったりもするので、業者によってかなり見積もりにはばらつきがあります。
複数の業者から見積もりをとってみてください。 
 コメンテーター 
野呂田 洋 解説員の方々が詳しく解説してくださいましたので、私から特に追加することはありません。 建築家などと相談しながらであれば、古家付き住宅でも問題ないですし、むしろ掘り出し物に巡り会えるかもしれませんね。
 事務局から 
  荻原 幸雄 条件付が多いので私どもに依頼されるときに土地が見つからなくて困っていらっしゃる方が多いのですが、現実は多くても、頑張って交渉すれば条件付を外してくれる場合も多いので、諦めないことです。
その場合「施工は内で」というような営業を掛けられますが、「いいえ」とはっきり断ることも大切です。多少、費用を計上される場合もありますが、そのまま、外してくれる場合もあります。根気が大切です。
わたしのところに来られる方も、そのように時間をかけて交渉していい土地を探しています。チラシを見て「条件付」だと諦めないでください。
頑張ってください。

尚、古屋付きを捜すのも手です。詳細は解説委員の回答をご参考にしてくださいね。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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